糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

ポップコーンを食べると痩せるの?太るの??

皆さん、こんにちは。
 
 
前回からの続きで、ポップコーンでダイエットが出来るかという話を取り上げていました。
2つの視点で話を進めて、一つは容器の大きさが影響するという話を前回にしたのですが、もう一つの視点としては「ポップコーンを食べたら10キロ体重が痩せた」というのがありました。
今回は、その2つ目の視点を中心に話ていきたいと思います。
 
この引用元によると、ポップコーンは
 
栄養豊富である
コーンを丸ごと使うから栄養素を丸ごといただける
トウモロコシの食べ過ぎで太ったという話は「あんまり」聞いた事がない
コーンフレークは「基本的に健康食品として」販売されている「はず」
トウモロコシは太る食べ物ではない
 
と主張しています。
ただ、ここで比較対象が異なっているように思えて仕方がないのですが、引用している栄養素が、ポップコーンではなくスイートコーンを資料として引用しているんですね。
スイートコーンというのは、蒸したり茹でたりしてかぶりつくようなタイプだという事で話を進めます。
食べると強めの甘味が口の中に広がっていくと思います。
そもそも品種改良で甘みを強くしているものがそれです。
 
ポップコーンに使われるのはポップ種(爆裂種)で違う種類のものです。
スイートコーンでは皮が柔らかすぎるのでポップコーンには出来ません。
そして、食べた事がある人には伝わると思うのですが、何も味付けをしていない出来立てのポップコーンには、ほとんど甘みを感じる事は無いと思います。
軽い食感と歯に残るような変な部分の硬い破片は感じる事が出来ると思いますが、甘味や塩味は後から追加されたフレーバーです。
 
色々調べたんですけど、「プレーン状態のポップコーン」に関しての栄養価の一覧が出てこないんですね。
どれも平均的な市販品をベースにしているので、フレーバーを追加されているものなので、データ上では正確な数値を知る事は出来ないので、仮にという立場で「スイートコーン」をあてはめて話をしていきたいと思います。
 
スイートコーンの栄養価ですが、他の所でも

●糖分やでんぷん質などの炭水化物を多く含む食材です。
不飽和脂肪酸を多く含みます
●ビタミンB群を多く含みます

 
って感じで「栄養価の高い食品だ」と紹介されているのですが、上記リンク先にもあるのですが、スイートコーンの可食部100gあたりの成分を書きだしていきます。
 
エネルギー 92キロカロリー
たんぱく質 3.6g
飽和脂肪酸 0.26g
不飽和脂肪酸 1.03g
食物繊維 3.0g
ビタミン
B1 0.15㎎
B2 0.10㎎
B6 0.14㎎
C  8㎎
カリウム 290㎎
カルシウム 3㎎
マグネシウム 37㎎
鉄 0.8㎎
アミノ酸スコア 32
 
特に特筆するような栄養素は無いように見えるのですが、何をもって栄養豊富としているのでしょうか?
他の所では「ミネラルもバランス良く含まれている」と評しているものもありましたが、どれだけの量がどれくらいの比率で含まれていたらバランスが良いとなるのでしょうか?
そういった部分が語られないのは非常に誤解を生みやすい商品紹介になってしまいます。
 
基本的に栄養素というのはどの食品にもだいたい含まれています。
栄養価が少ないとギネスにも載っているきゅうりにも栄養は含まれています。
食べ物ですから。
栄養豊富とするのであれば、比較対象があるはずなのですがよく分からない比較の仕方をするんですね。
 

たとえば、とうもろこしの食物繊維の量は食物繊維代表のセロリよりも多かったり

 

いつから食物繊維の代表がセロリになったのでしょうか?
セロリの食物繊維含有量は1.5gで、下から数える方が早いくらいです。
ゴボウだと6.1gで、普段から口にするような食材であれば、一番多いです。
これが「食物繊維代表」という事なら分かりますが、なぜセロリを持ち出しているのでしょうか??

ポップコーンは穀物を粉にして加工するのではなく、コーンを丸ごと使った食べ物です。よって、トウモロコシ本来が持っている栄養素をまるごといただける食べ物です。
という話も、スイートコーンもそうですが、コーンを丸ごととは言うものの、可食部分は黄色の部分は「穎果(えいか)または子実」という部分しか食べられないため、食べるなら丸ごとでしか食べないよね。
 
粒も小さいし。
 
このような商品アピールをするのは良いのですが、何かアピールの仕方が胡散臭いんですよね。
 
続きます。