糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

ポップコーンでダイエットは出来るのか?

皆さん、ポップコーンって好きですか?
私はあまり食べる頻度が小さい商品の一つです。
種類にもよりますが、何しろ甘い!
味付けが塩バターとかならまだしも、キャラメルをコーティングしたりチョコレートや蜂蜜を絡められたりすると、もう駄目です。
甘い香り(臭い?)で、その場から離れたくなってしまいます。
(酷い導入部分ですね)
 
それはともかく、このような甘くて太りやすいというイメージのあるポップコーンですが、この食材を使ったダイエット方法があるという内容のものを見つけました。
一つは容器に関してのもの。
もう一つはポップコーンそのものを食べて10kg程度痩せたという話です。
 
最初に容器に関しての実験が行われたそうなので、その話からしたいと思います。
この方法は心理効果を使って行なう方法のようで、ポップコーンには限らない話です。
 
2006年にコーネル大学のブライアン・ワンシンク教授が発表した内容です。
出来たてでなく5日くらい置いたあまりおいしくないポップコーンを準備して、大きなサイズと小さなサイズの容器に、1人分よりも多めの同じ量をそれぞれに入れて渡したところ、大きなサイズの容器を渡された人は小さなサイズを渡された人の1.5倍もの量を食べたとの事。
 

Lサイズを渡された人は、Mサイズの人よりも平均で53%多くの量を食べたことが分かった。さらに、Lサイズが渡された人に対して、「容器サイズが大きかったことが自身の食べた量に影響したと思うか?」と聞いたところ、ほとんどの人は「そんなことはない」と回答したという。ワンシンクは、他にもさまざまな実験を通じて、食器やスプーンの大きさが食べる量に影響することを見出している。

 

全体量でどれくらいの量を与えられて、どれくらいの量を食べたかというのは調べればでてくるかもしれないですが、不明です。
ただ、大きい容器に入れて提供すると「残さず食べる」というような意識は働きやすいとは思います。
 
少し違う話になるかもしれませんが、人は勿体ない・お得という言葉にも弱いと思います。
マクドナルドでの話ですが、フライドポテトがS・M・Lの全サイズ同じ値段(150円?)で提供されるとなると、こぞってLサイズを注文すると思います。
色んな紹介サイトをみても「みんな、Lサイズを注文しようぜ!160円もお得だぞ!!」という感じの煽りばかり目にします。
このキャンペーン中にSサイズを注文する人はどれくらいの割合になるのでしょうかね?
私も学生の頃はLサイズ一択でしたが、今は「ホットコーヒー飲めて席が確保出来て、そこで読書とかツイッターがチェック出来れば満足」という状態であるため、注文するという行為自体をしないです。
これを「勿体ない」とするかどうかは、捉え方だと思います。
でもハッシュドポテトは好きなので、むしろこっちが安くなったりすればいいのにと思うのですが、私だけでしょうか?
 
話を戻します。
 
実際、ダイエットの現場でも、一つのアプローチとして「茶わんを小さくしよう」という事はあります。
人間は、いつの間にか慣れてしまう生き物であり、少しでも楽をしようとする生き物です。
例えば普通の茶わんを使っていたが、いつもおかわりをする人がいるとします。
そうなると、可能性の話にもなりますが「どうせおかわりするんだったら、最初から大盛にしとけばいいよね。」という考えも生まれやすくなり、大盛で慣れたとしたら、さらに食べる事が出来るようになるので、大盛でおかわりをしようとしていきます。
そこから「どうせ大盛で食べるんだから、茶わんも大きいのにすればいいよね」とどんぶりご飯を用意して盛り付けたりもします。
で、「炊飯器のなかに少し残ってるから」とか、「どうせだったら全部食べちゃえ」とかいう感じで、どんどん食べる量が増えていくという事に繋がり安くなっていきます。
ご飯の量が増えれば、糖質摂取量も増えていくので、血糖値も比例して上昇して体脂肪になりやすくなるという悪循環です。
 
皆さんは経験無いでしょうか?
 
このようなアプローチで太りやすくなるので、痩せやすくするためには逆のアプローチをすれば良いだけです。
目的を達成するために「心理的な障害」「手間をかけさせる」事が必要になります。
ご飯の例で言えば、容器を小さくしておかわりをするためには遠く離れた所に移動して、これまでの量を食べるためには何往復もしないといけないようにするとか。
 
あと、間食をしがちという事であれば、家のなかに間食につながりやすいもの(太る原因になりやすい菓子類など)をそもそも置かず、手にするためには近くの店に往復をしないといけないと、それも購入は一品ずつにして、移動は必ず徒歩にするというルールを課しておく。
そうすると間食のためには着替えて数分程度歩いて購入し、帰宅するという運動が生まれるし、手間がかかります。
そのあとでまた食べたくなったら、また着替えて歩いて移動して購入するを繰り返します。
その店に行く頻度が増えれば「あの人また来た。いっつもお菓子を一品だけ買って、何度も来るんだよね」という噂になっているかもしれないですし、なっていると想像力が働くかもしれません。
そうしたら恥ずかしさを感じてしまうようになるので、同じ店に行くのを避ける為に回数自体を減らすか、より遠い所の別の店に行かざるを得なくなったりします。
遠くの店だと歩行距離も増えるので、少しでも体を動かす事にも繋がりやすくなります。
色々とメリットは大きいので、間食を止められない人向けのダイエット方法としては、推奨してますね。
 
この教授の話には続きがあって、悲しい映画と楽しい映画を比較すると、悲しい映画の時に食べ物を55%も多く口にするそうです。
悲しい感情を癒すために食べる行為を行なうようです。
ストレスを強く感じた時も同じ働きをしますが、そういった悲しさや辛さを解消するために「やけ食い」という言葉もありますが、食欲・食べる量が増えやすい傾向にあると感じます。
あとはアクション映画も同じ傾向になりやすいそうです。
最後に教授は
 

ワンシンク教授が勧めるのは、ただ手元におやつを置かないようにすることだ。映画が面白いほどにいい場面を見逃すまいと席を離れる頻度が減るだろうから、それで事足りるわけだ。どうしても口寂しい映画ファンなら、ポップコーンやデザートの代わりに、カットした果物や野菜を用意するといい

 

という事を勧めています。
映画鑑賞の時に「コーラ」や「ポップコーン」、他にも「チュロス」「ホットドッグ」も販売している所も多いですが、そもそも何故映画を見ながら「ポップコーン」を食べるんでしょうね?
あるサイトでは、
集中して映画を観たい、基本的には何も食べずに映画を観たいと言う人もいるかもしれませんが、私は断然食べ物は絶対持ち込んだほうがいいと思ってます!
口を動かすことになるので、頭が回りやすくなり、映画の考察や、世界観に没入していくことがしやすくなるのも良いところ。
良い映画を美味しい物を食べながら見ると、幸福感が倍増する気もしますしね。

 

という話をしています。
確かに野球選手でもそうですが「噛む」という行為で集中力を高める(緊張感を和らげる・リラックスする)という事は可能です。
でも、ポップコーンのような軽食を食べるためには身体を動かす事にもつながりますし、臭いも生まれますし、物によっては音がします。
 
上記のサイトの中のアドバイスにもありましたが、「音を立てない事」に気をつけようとすると、周囲に気を遣う必要が生まれ、集中出来なくならないのでしょうか?
そしてポップコーンを掴んで口に運ぶという行為もうまれるので、前の人がもぞもぞしたら、それに意識を奪われてしまう事もあるでしょうし、横の人がもしゃもしゃしていたら、それに気になって横の人にも迷惑をかけるようになります。
 
集中力を高めたいというのであれば、ガムを噛めばいいんじゃないの?と思うのですが、どうでしょうか?
「映画館でポップコーンを食べながら観る」という目的を最優先で達成しようとしているだけではないでしょうか?
もっと言うと、引用元に
 

ポップコーンってなぜか映画の定番になってしまうので、食べたくない時でも買ってしまうんですよね(笑)

 

とあるように「映画館でポップコーン(または食べ物)を食べる」という事が目的になっているのではないでしょうか?
私だったら集中したいというのであれば、水を飲みながらで十分です。
物を食べながらだったら、食べ物の何かしらに気を遣わないといけないです。
音であったり、こぼしたとか、臭いとか動作とか踏まえてです。
食べる時に手が汚れてベタベタしたら、集中どころではないです。
気になって仕方がないです。
 
あとは「ながら食い」にも繋がります。
テレビ見ながら食事する、漫画見ながら間食するという行為をすれば、太りやすくなるのでやめた方がいいです。
という訳で、映画館内で食べるという行為をやめたらどうでしょうか?
 
実を言うと、私は映画館の入り口付近に漂う、甘いキャラメルの香りがとても苦手です。
その匂いに近づく事が出来ないため、映画館に近寄る事は出来ないのです(笑)。
これが良い事か悪い事かは分かりませんが、「映画館で映画を見たい」という欲求がないので、特に問題無いですね。
 
長くなったので続けます。
次はポップコーンを食べて10キロ痩せたという人の話です。