糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

食生活を変えれば身体は変化するのは当然

皆さん、こんにちは。
前回からの続きです。
今回はポップコーンを食べて10kg体重が減ったという部分に触れていきたいと思います。
この著者は
「ポップコーンが太るとするのは甘いフレーバーに原因がある」と、
「ポップコーンを作る際は熱風を使って脂質を使わないようにすればいい」という2点をベースにした論調を展開しています。
で、どれくらい痩せたかと言うと、3月3日から4月14日にかけて体重が95.9kgから86.7kgに減ったそうです。(マイナス9.2kg)
 
この結果だったら10キロじゃなくて9キロやせたとする方が情報としては正確なような気もしなくないですが、そしてグラフを見ると「体重計には乗り続ける」と言いながらも途中の部分がまるっと抜けている(未計測?)のですが、実現したそうです。
方法論としては、ポップコーンを食べまくって、食事制限は特にせず、三食モグモグ食べたが、ポップコーンでお腹が膨れて3食食べる時の量が減ったのと快便になったのが理由ではないかという所感を持ったようです。
 
私は実践したことはありませんので憶測でしか話をする事が出来ませんが、この情報に対してネガティブな見方もポジティブな見方もする事が出来ます。
最初に私が気にするのは「95.9キロもの体重になるような食事って、どういうものだったのか?」というこれまでの食生活です。
この人の体格は知りませんが、仮に身長175cmだとします。
そうするとBMIボディマス指数・体格指数)は31.3となり肥満度は42.3%、肥満度2度と結構なお腹周りになっていると思います(ひょっとしたら筋肉粒々の人かもしれませんが)。
日常の行動にもよりますが、適正カロリーは2000~2200㎉程度であれば現状維持になりやすいのですが、そこまでの肥満度になるにはそれ以上のカロリーや太りやすいものを摂取し続けなければ実現しにくいです。
ちなみに関取の話をしますが、一日の食事量は約8000㎉で、幕内の平均体重は166.2キロ(2018/12/26の記事)のようです。
ただ体脂肪は20%台という事で、見た目やイメージよりは体脂肪は少ないという事になります。
ここまでの量を食べないにしても、1日に3000㎉程度とかの食事で、ずっと蓄積した結果がこうなったのではないかとイメージはしやすいです。
 
あくまでも「イメージ」です。
 
理由はこの著者の体格がわからないからです。
少し触れましたが、脂肪より筋肉が重いので、体脂肪率が30%超えをしているのかもしれないですし、してないかもしれません。
それを推し量るためにも普段の食事内容の情報も必要なのですが、ほぼ触れていません。
前面に押し出しているのは「体重」と「食事回数」程度です。
 
著者は「食事制限は特にせず」とありますが、「3食食べる時の量が減った」ともしています。
食べる量の総量はそこまで変わらないと思うので、間食でポップコーンをプラスした事で、現状にポップコーンの重量が単純にプラスされるように増える事は無いと思います。
気になるのは3食の食事内容の「量」がどれくらい減ったか?が一番大きいのですが、もう一つは「間食」の量・頻度・内容です。
これくらいの体重をキープする人の多くは、結構「間食」をしている傾向が強いです。
ボディビルダーが筋肉を維持するにも間食は必要ですし、増量期は1日に6~8回くらい食事に加えて間食をすると思います。
一般の人でもおやつであったり「脳が疲れた」といって習慣的にチョコやクッキーなどを食べている人も多いと思います。
例え食べてないとしても、甘いコーヒーや飲料を飲んだりする事も多いと思います。
そういった「間食の情報」に言及してないんですね。
 
本当に「3食だけしか食べてなかった」のかな?という部分に対する疑問が大きいです。
一番怪しいとにらんでます。
 
体脂肪の高い・肥満度の高い人がそういった間食を取っ払って、そしてこれまで無頓着に食べていた普段の3食の食事の全体量を減らして、糖質脂質の少ないポップコーンに置き換えたら、そら総摂取カロリーも減って脂質も減らしてというのであれば体重は減るよね。
という感じです。
 
また、この方は「運動」については言及してないです。
ポップコーン食を始めてから、どのような生活パターンがあったのでしょうか?
それも気になります。
ちょっと長くなってきたので続けます。

ちなみに「ここまでがポジティブ視点」での論調です。

次回は、ネガティブ視点で見たらの話とまとめになるかな?
 
おっと、今日は大晦日
良いお年を。