糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

栄養価が高い食品って何さ?

皆さん、こんにちは。
私は色々なサイトやらなんやらをちょこちょこチェックしてます。
理由の一つとして「ネット上に溢れているいい加減な情報に指摘を入れて信頼性の置ける情報を広めたい」という事を念頭に置いているからです。
で、ネットでもテレビショッピングでも「栄養価が高い。だから健康に良い」という感じのフレーズであったり理論展開を見かけたりします。
 
そもそもですが「栄養価が高い」っていう基準って何でしょうかね?
 
私自身、栄養士の学校に入る前にはそのような疑問を抱いてました。
当時の先生にも聞いたりしましたが「栄養を満たすもの」という感じの回答を聞いたような気もしますが、よく分かりませんでした。
学習していくうちに、「なるほどな」と思えた基準の一つとしては「アミノ酸スコア」があります。
体内で合成できないので、食べ物から摂取をしないといけないたんぱく質の成分ですが、これがバランス良く含まれていないとスコアが低くなるという感じの指標のようなものです。
肉や魚は100なのですが、精白米で65、玄米で68、食パンで44といった感じなので、肉や魚が栄養価が高いという事になります。
ですが、これは栄養価が高いというより「良質なタンパク質かどうか?」という評価になると考えています。
ちょっとだけ定義を見てみると
食品の栄養としての価値。たんぱく質・脂肪・炭水化物・ビタミン・無機物質・繊維質などの成分の質と量によって表すが、消化吸収率に左右される。
食物の栄養的価値。食物100グラム 中に含まれる熱量(カロリー)、タンパク質・脂肪・炭水化物・必須アミノ酸の含有量などで表す。 「 -の高い食べ物」
出典 三省堂大辞林 第三版

 

食品の品質(英語版)評価の一環としての栄養価(えいようか、Nutritional value)は、食品の消費者に向けて、その食品の必須栄養素が十分なバランスのとれた比率かについての指標である。その食事や食事に含まれる、炭水化物、脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミンの評価の指標。何種類もの栄養評価システム(英語版)と栄養成分表示が栄養価の点で食品を評価できるようにと考案されているが、絶対的な評価であるかについては議論されたままで、一部の消費者の要求についても取り入れられていない。
口語的には、食品のカロリーを意味することがある
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 

という感じのようで、曖昧な感じの言葉になっているように受け止めています。
基準の仕方としては「総合的な栄養素の量」であったり「他の食物と比較して多い(少ない)」とかであったりすると思いますし、私もそんな感じで使ってはいます。
ただ、それぞれの視点によって、基準自体が変わってしまいそうな言葉のような感じがしますし、実際「〇〇という食物はこんなに良いものなんだよ」みたいなアピールをする事をテーマとした記事の中ではよく見かけます。
 
例えばきゅうりです。
きゅうりには不名誉(?)な肩書があります。
ギネスにも載ったそうですが「Least calorific fruit(最もカロリーが低い果実)」というものです。
『fruit』とある通り、果実(植物学上、果菜は果実に含まれる)として比較したもので、野菜の記録としてのものではないです。
カロリーとしては100gあたり14㎉となるため、その分類の中では一番カロリーが低いので記録となったのではないかと感じます(調べてないですが記録なのでそうなんでしょうね)。
 
で、ある記事では「きゅうりにも栄養価があるんですよ」と熱弁を展開していたのですが、ちょっとおかしな比較をしていました。
数字を用いた印象操作です。
 
長くなるので次回に話します。