糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

エナジードリンクって飲んでますか?

先日、知り合いの人が休憩にと冷蔵庫からドリンクを取り出していましたが、その手にはエナジードリンクが握られていました。
で、タバコを吸いながら、グビグビと飲んでいます。
自販機をみても、当然のように210円という値段で並んでいます。
根強い人気があるのだと思います。
 
皆さんは飲まれているでしょうか?
私は飲んだことがありません。
もっと言うと、栄養ドリンクという名の付くものを飲まないようにしています。
医薬品・医薬部外品である「リポ〇」とか「チオビ〇」とかの類です。
私も以前はドラッグストアで働いていたので、率先して販売していましたが、販売しながら、「こんなのを飲んだところで、景気づけ程度にしかならないよな」と思いながら接客していました。
ですので、1本100円台程度のものを飲むくらいなら、1000円程度するものを飲む方が効果を実感出来ると、それくらいの価格帯のものを販売していました。
これくらいのものであれば、私も勧めますし、たまになら飲んでもいいかなと思います。
 
今は全く飲んでないですが。
 
医薬部外品の商品の成分として、「タウリン1000mg配合!」という感じで紹介されているように、まずタウリンが配合されています。
タウリンアミノ酸)と、ビタミンB群とイノシトールグルコースを原料として生合成される神経細胞を正常に保つ)やカフェインといったものが配合されています。
配合量は若干違えど、だいたい各社同じです。
値段が上がると、配合割合が変わったり、高価な生薬が配合されたりしたりします。
で、安価なドリンクの中身というか、ほとんどがそうなのですが、基本的には甘くして飲みやすくしています。
 
リポビタンDの中にも入ってますが、1本100mlの中に白糖(糖質)が19g配合されています。
約20%が糖質です。
私は飲みたくないと思います。
 
で、エナジードリンクですが、
タウリンが入っていると医薬品・医薬部外品扱いになるので、清涼飲料水としての規格に収まる様、代用成分としてアルギニンというアミノ酸が入っています。
日本では清涼飲料水としての規格の下で製造・発売されているためにタウリンを使用することができず、アルギニンなどで代用されているがタウリンと同等の作用はしない。

 

モンスターエナジーという商品の内容を見てみると、

100ml当たりの成分表示はエネルギー50kcal、たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物13g、ナトリウム78mg、ビタミンB2が0.7mg、ナイアシン8.5mg、ビタミンB6が0.8mg、ビタミンB12が1~6μg、L-アルギニン125mg、D-リボース125mg、高麗人参82mg、L-カルニチン29mg、カフェイン40mgとなっており、レッドブルよりアルギニンやカフェインの含有量が少し多いことや、高麗人参L-カルニチンといった独自の成分も含まれているのが特徴。
また、レッドブルの最小サイズである185mlと同価格で2倍近くの分量を飲めるため、コストパフォーマンスにも優れています。

 

ただ、これは100mlあたりです。
一缶には355mlが配合しています。
ですので、一缶全部飲むのであれば、それぞれ約3.5倍です。
糖質だけに着目すると、約45.5gです。
ヤバいですね。
米飯一杯(150g)で、糖質量55.2gなので、それに近い糖質を摂取する事になります。
 
で、糖質を代謝するには、ビタミンB1(ピルビン酸)が必要です。
疲労回復のビタミンとしても知られるビタミンB群ですが、糖質代謝にまず必要です。
それを基にエネルギーとして疲労回復にも繋がっていくのですが、これだけの糖質量があると、果たして補っていく事が出来るのでしょうか?
補いきれない部分があれば、当然疲労にも繋がりますし、普段疲れているという事であれば、圧倒的に不足しているだけなので、あまりプラスになる事が出来ません。
 
また、これだけの多量の糖質を一気に摂取したら、当然血糖値も一気に上昇します。
その血糖値の急上昇急下降で精神的不安や疲労感・倦怠感を生み出します。
糖尿病を抱えている親族がビタミンドリンクを飲んで、一気に体調が崩れたのを見て、とても恐ろしく感じました。
 
そういった経緯と配合内容から、飲んだところで逆効果だと感じるんですよね。
で、カフェインも約140mg配合されています。
コーヒー150mlで60~90mg程度です。
医薬品の錠剤で、無水カフェインが300mgです。
眠気覚ましの清涼飲料として眠眠打破という商品がありますが、これで120mgです。
それ以上のカフェインを急激に摂取する訳です。
カフェインにも糖質にも常習性があります。
飲み続けた所で、身体に良い影響を与える訳がないのです。

という訳で、デメリットばかりの内容になりましたが、これを飲んで「景気づけだ!」とテンションが上がるというのであれば、それはそれで良い事でもあるとは思います。
ただ、飲用するのは否定しませんが、常習的に愛飲するレベルになってしまいやすいですし、そうなると体調を崩しやすくなるという事にもなります。
 
飲用するのであれば、頻度を意識した方が良い商品だと考えます。
以上です。