糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

野菜不足で病気やガンになるのか?

前回からの続きです。
 
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。(ここまでコピペ)
 
野菜不足で引き起こされる病気って何があるでしょうか?
 
私は病気・疾病を全て知っている訳ではないですが、リスクとして高まるのはビタミンCとビタミンKと食物繊維不足が挙げられやすいと思います。
ビタミンC不足で有名なのは壊血病であったり、ビタミンK不足で血液凝固に時間がかかるようになったり、食物繊維不足で短鎖脂肪酸が作られにくくなります。
ちなみに壊血病はビタミンC欠乏状態が数週間から数か月続くと出現するようです。
 

健康な人体には「500mgを切る」までのビタミンCに余裕があるので、これらの症状は3カ月から12カ月に及ぶ長期・高度のビタミンC欠乏でないと生じない。帆船時代の慢性的な壊血病は出帆前からビタミンC欠乏の生活をしていた船員に発生したものである

 

上記のような状態になったり、ミネラル吸収効率を低下させてしまう事にも繋がる(ビタミンCと鉄等)部分もあるので、コピペしているように「野菜を食べなくてもいい」という話をしている訳ではありません。
 
追記(補足)ですが、ビタミンCの効能として「肉体疲労時の補給」というのが挙げられています。
よく薬店でも「疲労回復に」とか「免疫力アップ」とかいう煽りと共に販売促進をしているのですが、効果を「実感」出来るのかどうかが、ちょっと気になっています。
理由の一つとして「栄養ドリンク」に配合されている商品が少ないと感じるからです。
 
疲労回復=医薬品の栄養ドリンク」というイメージを持つ人は多いと思いますし、私も同感ですし、薬店勤務時代は販売もしていました。
ちなみにビタミンCというのは安価で作る事が出来ます。
食品添加物レベルのものもあれば、医薬品レベルのものまであるのですが、海外(中国他)でも作っていれば、国産のものよりさらに安価で手に入れる事が出来ます。
安価なものであれば、原料・成分として使用されやすいと思いますし、商品イメージを高める事が出来ると思います。
勿論、栄養ドリンクで高価になればなるほど、多くの栄養成分を投入されているのですが、安価なもの、例えば1本100円前後で購入できるものの成分をみると、ほとんどが「タウリン」を使用しています。
タウリン1000mg配合」とかいう感じです。
 

タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)に多く含まれています。
(中略)
最近は栄養ドリンクの主成分として使用されていますが、これは肝臓の働きを活発にする機能があるからです。

 

同価格程度だと、タウリン+ビタミンB1(ブドウ糖代謝に役立つ)という感じのものがありますが、なかなか「ビタミンC配合」と表示しているものは無いです。
アピールされるのは、「アミノ酸タウリン・BCAA)・ビタミンB群・カフェイン有無・生薬・ローヤルゼリー」がほとんどですね。
ローヤルゼリーはビタミンCが豊富っぽいですけど、配合されてないようですね。
手軽にとれる疲労回復・栄養補給の商品である「栄養ドリンク」に、ビタミンCが入っているものは少ないです。
安価で配合しやすいとかんじるのですが、最優先にはアピールされません。
ビタミンCにはどれくらいの疲労回復効果があるんでしょうかね??

話を戻します。
 
前回引用した厚労省の資料の中で、
 

多くの研究で、野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が出ています。

 

この書き方だと「ある種のガン」というのが何のガンを指すのかが分からないのですが、では、野菜不足により引き起こされるがんリスクって、どれくらいなのでしょうか??

日本人を対象とした研究結果から定められた「科学的根拠に基づいた『日本人のためのがん予防法』」についてまとめています

 

という事なので、これを基に話をしたいと思うのですが、この引用の中に「日本人におけるガンの要因」として挙げられている内容があります。
かいつまんで男性だけで話をしますが、
 
喫煙 29.7%
感染 22.8%
飲酒 9.0%
塩分摂取 1.9%
野菜摂取不足 0.7%
果物摂取不足 0.3%
 
とグラフ化されています。
野菜の摂取不足で引き起こされるがんリスクが「0.7%」ですよ。
一番高い喫煙と比べたら約1/42のリスクとなります。
このグラフ・データから「ガン予防」のために一番推奨するものとなると、当然リスクが一番高いタバコに着目するのが良いと思います。
全体の3割を占めますから。
煙草を吸っている人に健康指導をするのであれば、まずタバコを止める・量を減らす事を提案し、それを差し置いて「野菜を食べましょう」を最優先にする人はいないと思います。
感染については感染経路を遮断できるかどうかに左右されると感じるので、それが出来れば一気にリスクを減らす事が出来ます。
全体の0.7%しか占めない「野菜摂取不足」の影響なのですが、野菜摂取量を増やす事で本当にガン罹患リスクに影響するのか?と感じてしまうデータにしか見えません。
 
私の視点ならば、なぜここに「糖質摂取量」「糖質過剰摂取」という項目が含まれてないのか?が、甚だ疑問です。
がん細胞の栄養源は「ブドウ糖」です。
少しでもブドウ糖摂取を抑える方向に持っていけば栄養源が減るので、増殖速度を抑える事が出来ると考えるのでとても有効だと思うのですが、なぜか着目されない現状です。
 
不思議ですね。