糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

血流・血行と糖質の関係

前回の続きです。
 
「穀類」に多く含まれる「糖類」が血流・血行に影響して、効率を悪くするという話をしました。
その中身についての話です。
 
一般的に血流改善・血行促進として論じられているのは「酢・クエン酸」「青魚」「ポリフェノール」「海藻類」「緑黄色野菜」「ビタミンE・C」「スパイス系」が多いです。(他にもあります)
冷え症改善というようなサイトでも、だいたい同じ事が書かれていると思います。
 
で、血流悪化となると、肉・油調理(天ぷら・フライ等)・お菓子・深酒・動物性脂肪という部分が取り上げられやすいです。
 
糖質はどうでしょう?
 
あるサイトでは
 
間食が多い・お菓子をたくさん食べる」
間食として、高カロリーなお菓子をたくさん食べる習慣も、血流を悪くする原因に。肥満につながり、高血圧や動脈硬化のリスクも高めてしまいます。

 

と、「高カロリーなお菓子をたくさん食べる」と「血流が悪くなる原因」であるとしながら、あまり解説がされていません。
肥満や高血圧や動脈硬化のリスクを高めるとしていますが、なぜそうなるかがぼんやりとしている印象を受けます。
 
では、本題に入ります。
 
私は糖質が血流悪化・冷え症・血圧上昇・肥満・動脈硬化のリスクを高めるという主張をしながら、皆さんへの健康へ貢献すべく情報提供・活動をしています。
 
糖質が血流悪化の要因となるのは、インスリンとの関連のためです。
糖質を摂取すると速やかに吸収され血液中を漂います。
血糖値が上昇するという事なのですが、それはインスリンが作用する事で血糖値を安定した状態に戻してくれます。
こういった作用は皆さんもご存知だと思いますが、それを前提に話を進めていきます。
 
で、この働き何ですけど、インスリンが働いて血糖値を下げるんですが、血液に存在する過剰な糖質を細胞に押し込むという事になります。
そして糖質が細胞に入り込む時に血漿(液体部分)も一緒に取り込みます。
甘い物を食べた後、喉が渇くのはこの原理です。
血液の血漿が少なくなり、血液量が不足して水分が欲しいという身体が感じるので喉が渇くという身体の変化に繋がります。
糖尿病の方が水をよく飲むという話を聞いた事があるでしょうか?
血糖値が高すぎた状態が続き、それを改善しようとインスリンがドンドンと体細胞に押し込むために肥満にも繋がるし、喉の渇きを癒すために大量の水分が必要となるという事です。
そんな状態の時に、これまでの習慣で甘い100%の果物のジュースや健康によかれと野菜ジュース等を飲んでいたら最悪ですね。
 
「血液がドロドロする」という表現がイメージしやすいのでメディアでも私もよく使うのですが、詳細には「全体の血流量が少なくなる」という方が正しいと思います。
血流量が少ない状態が続くと、身体全体にこれまで同様の血液量や含まれる栄養素・酸素等を送り込むため、強い圧力をかけて血液のスピードを上げないといけなくなります。
 
これが血圧の上昇へと繋がります。
実際、こういったアプローチをしている人は、血圧が正常値内である人が多いです(自分が知る限りですが)。
血圧で悩んでいる人がいたら、まずは糖質摂取量を減らすという事が一番のアプローチとなると考えているのですが、これを提唱している人や施設は、とても少ないのが残念です。
医療が発達している現在もですが、高血圧の原因は不明だとされています。
私は「糖質過剰摂取」が問題であると考えているのですが、原因を不明にし続けたい理由でもあるのでしょうか?と邪推してしまいます。
 
脂質が悪影響をという話をする人は多いのですが、経口摂取する脂質よりも、糖質が細胞に取り込まれ、エネルギーに変えられなければ脂肪に変化するのですが、細胞内の脂肪というのが、肥満に繋がったり、疾病リスクを高める存在になりやすくなっていきます。
種類があるので「脂質」とひとくくりには出来ないのですが、オメガ3・必須脂肪酸以外の全ての脂質は悪という論調を唱えている人は多いです。(中には必須脂肪酸の事が頭にないまま全否定している人もいますが)
 
身体に蓄えられている栄養素が少ないというのであれば、どんどん取り込めばいいと思います。(貧血で悩んでいる人に鉄分・ビタミンB12を投与という感じです)
ですが、まずは現状の食習慣に疾病の原因が隠れている事が多いので、悪影響を与えやすいものを排除するという事からスタートする方が、変化を実感しやすいのは間違いないです。
通販で青汁購入して飲むよりも、間食の菓子類・ケーキ等やご飯・パン・麺類といった糖質・穀物の摂取量を減らす方が、お金がかからないですし変化を実感安くなります。
ぜひ、皆さんにも試して欲しいですね。
当然冷え症対策にも繋がります。

色々とサイトを巡って情報収集をしていたんですけど、その中で面白いものがありました。
 

熱の材料となるのは、タンパク質、炭水化物、脂質です。
中でも脂質は、体を素早く温められる優れものです。たとえば、カナダ北部などの氷雪地帯に住むイヌイットは、世界で最も脂質を摂取する民族。
厳しい寒さを凌ぐために、アザラシやイルカなどの生肉をたっぷり食べています。ほかにも、ロシアなどの寒い地域には、油分をたっぷり使った料理が多く存在します。
そのほか、タンパク質は熱を生み出す筋肉を作り、炭水化物に含まれる糖質は、体温を維持する役割を果たします。

 

ここでは「熱の材料はタンパク質・炭水化物・脂質だ」とアピールしているんですが、これの分類の前提が「3大栄養素」であれば全部なんですね。
例を挙げて「脂質は凄いぞ」「たんぱく質も筋肉作ってくれるぞ」と論じ、糖質は「体温保持するぞ」だけです。
取ってつけたような感じがする糖質のアピールが弱すぎですね。
ここから話は「でも摂り過ぎはダメだから、身体を温めやすい野菜を食べよう」という流れになっています。
前半のメリット部分を全否定して「野菜を食べよう」とアピールしている流れに強引さが見て取れ、ちょっと笑ってしまいました。
 
次回に続きます。