糖質を食べないと飢餓になるという人の考え方とは?
糖尿病の人の体験談として聞いた事があります。
医者や看護師の人へ、「糖質制限をする(している)のはどうか?」と相談した時に否定され、理由としては、「身体が飢餓状態になっている」「身体が危険な状態になっている」から。
という表現が多いようです。
前回の記事でも書きましたが、
糖質制限論者に言わせれば脂質から作り出されるケトン体も脳のエネルギー源になりうる、ということを強調したいようですが、これは糖質が不足している状況下でしかたなく起こる現象です。
そもそも糖新生は飢餓状態において糖質を確保するための緊急処置ですので、できるだけ発動させないように適量の糖質を摂っておくほうが身体にとっては負担が少ないと言えます。
という事が大半です。
別の見方では、
低炭水化物食のメリットとして従来推奨されている低脂肪食よりも減量効果で若干勝る可能性があります。
一方で高脂肪食となりやすいため、血清脂質(コレステロールや中性脂肪)での不利益が懸念されますが、(報告によってまちまちですが)客観的に見ますと低炭水化物食が劣るとは言えません。
血圧に対する影響も結果は様々ですが、低炭水化物食は低脂肪食より劣る事はなさそうです。しかしながら、意外にも血糖に対しては低炭水化物食が優れるとは言い切れず、逆に劣るという報告も少なくありません。
つまり、体重・血圧・血清脂質・血糖の面から総合的に判断しますと、低炭水化物食が少し優れる可能性もありますが、決定的な差はないものと思われます。
低炭水化物食の糖質量の記載がないので何とも言えませんが。
こんな感じで、現状の推奨している食事方法以外は、「メリットが小さい」「悪い影響を与える」とみなされ、現状維持を推進しています。
残念ですが、仕方ないと思います。
以前の記事にも書きましたが、栄養学に精通している医師は数少ないですし、看護師・栄養士は医師の診断に基づいた手法を踏まないといけません。
医師が「糖質制限って、患者にとってメリット多いんじゃね?」という意識が生まれなければ、現状維持を選択するに決まっているからです。
医師にとっては、現状維持が「楽」ですから。
もう一つの視点として、ケトン体の存在があります。
「ケトアシドーシス」というものがあります。
血液が酸性になり、身体に異常をもたらすという事です。
その症状としては、倦怠感があり体に力が入らなくなって徐々に血圧の低下や脈拍や呼吸などバイタルサインにも異常が現れ始め、適切な治療が行われない場合は意識レベルにも異常をきたしてしまいます。
ケトン体が増加すると、それは危険な事に繋がる。
摂取する糖質が減って行くと、ケトン体が増える。
ケトン体が増えるとケトアシドーシスになるから危険。
米を食え!
という事になり、飢餓状態・危険な状態と判断されるわけです。
「米(糖質)を食べていれば、ケトン体が増加しないので、ケトアシドーシスになる事は無いから健康!」
という訳ではないかと予測をしています。
糖質を制限する事で、確かにケトン体は増えます。
基準値を超えるくらいに増えるかもしれません。
ですが、それは一時的です。
尿中ケトン体ですが、スーパー糖質制限食を開始したら、通常数日で、陽性になります。
血中ケトン体が高値となり、尿中に排泄されるからです。
個人差がありますが、スーパー糖質制限食実践者なら血中総ケトン体値は、300~1500μM/Lくらいです。
一般的な基準値は26~122μM/Lです。
血中ケトン体高値が、2~3ヶ月続くと体内の心筋や骨格筋など体細胞が、効率よく利用するようになります。
そのため少々、血中ケトン体が高値でも、尿中にはでなくなります。
ちなみに、スーパー糖質制限食とは、一回の食事の糖質摂取量が20g以下を指します。
この状態を継続していくと、基本的にケトン体が増えていくという訳です。
でも理解が得られない病院では、血液中でも高値となり、尿検査でも検出されると、
「あなたはケトアシドーシスで、危険な状態だ!!」
と診断される訳なんですね。
続きます。