糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

炭水化物抜きダイエットで命の危機になったという話について

 
今年8月下旬に放送されたようです。
さも新しいニュースのように取り上げていますが、初出は恐らく2018/8/27の日経ヘルスの記事ではないかと思います。
なぜ、一年後に再放送(?)されたかは知りませんが、都合が良いんでしょうね。
番組的に。
 
で、この記事に反論している記事があります。
この日比野氏(?)の体重ですが、中学3年生で57kgになったとの事。
恋に落ちたとかそんな話はどうでもいいですが、アメリカに行って17キロ増えたという事で、74kg。
糖質制限を実践して3カ月で14kgマイナスなので60kg。
そこからリバウンドして17kg増で77kg。
そこから13年で、痩せた姿があるとし、体重非公表(なんでだよ!?)。
という感じで体重が変化したとの事です。
体重云々と糖質摂取基準値の話をずっとしていたのに、その話は最後にはしないのかと。
 
この記事の中では、色々と不思議な点があります。
脳のエネルギー不足
中性脂肪基準
の話は江部先生のブログでも触れています。
 
私が実践している糖質制限(PFCバランスが4:5:1)であれば、中性脂肪が基準値を超える事は無いです。
私も実践していて、今年1月に計測した時には58mg/dL(基準値30~149)で、特に問題無いです。(江部先生は49との事)
糖質制限を3年も実践しているのであれば、ほぼ同値になる事はあっても、基準値を大幅に超える事は考えにくいです。
ちなみに私は糖質制限の生活をし始めて、4年くらいになります。
食べたいときに寿司やラーメンやうどんや天ぷらやフライ他を食べているにもかかわらずです。
 
一体彼女はどのような生活をしていたのでしょうか?
 
ここの部分には全く触れられていないため、検証のしようがありません。
全くの個人の感想レベルと同程度の話しかされていない環境の中で、糖質制限は良くないから辞めて、自分が推奨している食事法をした方がいいと誘導している事になります。
何を言っているのだ?と思ってしまいます。
 
また、彼女は一過性脳虚血発作と診断されたようです。

一過性脳虚血発作とは、一時的に脳の動脈が詰まって脳梗塞症状が出たものの、早い時点で再度動脈が開通して血液が流れ始め、症状が消える現象を指します。
しかし、これは原因を残したまま、運よく一時的に血液の流れが再開しただけです。
発症の原因は大きく2つに分かれます。
1つ目は、心房細動(不整脈の一種)などによって心臓の中に血栓(血液の塊)ができ、脳の血管に運ばれて一時的に詰まったものの、血栓が自然に溶けて血管が再開通する場合です(図1)。
2つ目は、脳の動脈が狭くなった状態(狭窄)で、血圧低下や脱水が一時的に起こり、狭窄した先へ十分に血液が運ばれなくなるために症状が現れますが、血圧などが元通りになって症状が消える、という場合です(図2)。

 

原因として考えられるのが上記内容のようです。
血栓が出来たり血管が狭くなったりして、血流が一時的に詰まったりする事で起きるようなイメージで大丈夫です。
 
ここで不思議なのですが、糖質制限をすると血流は改善します。
糖質制限実施中に指を3針縫うけがをしてしまったのですが、その時の出血を見た看護師が「血液をサラサラにする薬を飲んでますか?」と質問してきたほどです。
よほど血液の流れが良かったんでしょうね。
私は貧血でそれどころではなかったですが、「飲んでないですよ」とイケボで返したのを覚えています。
 
糖質を摂る事で血管内の水分が奪われ、細胞に押し込まれてしまいます。
川の流れでも水量が多いと勢いよく流れていきますが、少ないとなかなか流れにくいという姿は見た事があると思います。
全体の血液量(血漿部分)が少なくなるため、流れが悪くなり老廃物等も処理効率が悪くなります。
そのため、血栓や血管内トラブルも起きやすくなるという事です。
にも拘らず、中性脂肪が増加したり、脂質異常を起こしたりするというのであれば、普段から日常的に糖質を一般的な量程度(以上)は撮っていたのではないかと感じます。
 
本当に診断後の2カ月で17kgのリバウンドをしたんでしょうかねぇ?
診断前から10キロとか増えていたのではないかと感じますが、邪推でしょうか?
「炭水化物を摂取する食生活」というのも、どれくらいの割合にしたかの記載はないので分からないですね。
こういった部分の詳細な数値データが無いので「個人の感想」となります。
 
もう少し広げていきましょうかね。
続きます。