糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

食物繊維が健康に良いとされる理由についての考察の補足

前回の続きです。
「野菜はヘルシー」というイメージを掘り下げています。
何度も言いますが、私自身は「野菜を食べなくてもいいよ」という事を提言するつもりはありませんが、イメージ先行で過剰な効果を生み出すような印象を与えている部分があると考えていて、その部分に言及していこうとしているものです。
 
早速ですが、前回の補足です。
 
便秘の「予防」をするという事で有名な食物繊維ですが、これってどこまでのレベルで「予防」してくれるんでしょうね?
予防という意識は当然必要であるのですが、だったら野菜を食べる・食物繊維を積極的に摂取するという事が、予防に対しどれだけのウエイトを占めているのか?という事が、一般的な紹介のサイトでは「数字で全く語られてない」のです。
「食物繊維摂取量を〇〇グラムから〇△グラムに変えたら便秘が改善した」
「食物繊維量を◎〇グラムを維持していたら〇〇日間便秘の症状がでなかった」
等々の話です。
 
ちなみに便秘予防で挙げられている内容ですが
 
食事について
食物繊維の多い食事を摂る 食物繊維を多く含む食品を、積極的に食事に取り入れましょう。 ...
脂肪を適度に摂取する 脂肪(油脂類)は腸粘膜を刺激し、便がスムーズに排出されるよう働きます。 ...
水分を十分に摂る ...
3食きちんと食べる ...
 
生活習慣について
排便の習慣をつける ...
腹部を温める ...
腸をマッサージする ...
適度な運動をする

 

という話をよく聞くと思います。
もっと掘り下げると
 
食物繊維の多い食事を摂る
食物繊維を多く含む食品を、積極的に食事に取り入れましょう。食物繊維は消化されにくいため、便中に水分を蓄え、便の量を増加させてスムーズな排便を促します。
脂肪を適度に摂取する
脂肪(油脂類)は腸粘膜を刺激し、便がスムーズに排出されるよう働きます。そのため、適度な脂肪の摂取は便秘改善に大変有効です。

 

という感じで上記引用先では記載されているのですが、他の項目では排便促進とか習慣づけとか効果的とかあるのですが、脂質だけは「便秘改善に大変有効」と記載されています。
この部分だけでも便秘解消・予防には「食物繊維<脂質」という書き方のように思えますね。
そして、「便秘予防・解消」という概念では上記に挙げたもの以上の項目(?)が挙げられているものもあります。
果たして、どれが一番効果的で、どれとどれが影響し合っているのでしょうか?
これらの中で「食物繊維」というのが何番目に効果的なのでしょうか?
 
私が便秘解消・改善で「最優先」として挙げるのは「脂質」と「マグネシウム」の摂取で、次に水分・運動・他ミネラル補給という感じです。
 
同じような内容で「風邪」が身近なものなので例として挙げてみます。
 

「かぜ」を予防する8つのポイント
手洗い せっけんでウイルスや菌を洗い流す・洗ったあとは清潔な布、ペーパータオルなどで拭いてよく乾かす!
うがい 口やのどを洗浄・タンなどを除去しやすくする・自浄作用の促進
水分補給 体内の水分バランスを整える・水分不足を補う
栄養 バランスの取れた食事を摂る
睡眠 ...
リラックス ...
保温 ...
保湿

 

さて、この中で一番有効なものは何でしょうか?
この8つのポイントをおさえれば、風邪のリスクはどれだけ減らす事が出来るのでしょうか?
風邪の原因は「ウイルス」です。
ウイルスを退治する医薬品は無いため、ウイルスを体内に取り込まないようにする事と体内で増やさないように抵抗力・免疫力を高める事が重要になります。
詳細は省略しますが、私が推奨するのは「保温・保湿・睡眠・水分とミネラル補給・絶食」です。
絶食をするのは「風邪ウイルスを退治するためにエネルギーが必要なのに、消化のエネルギーでよけいに体力を消耗させない」ためです。
動物でも体調が悪い時はジッとして体力を温存します。
何も食べないです。
そうやって病気(ウイルス)と戦う訳です。
 
この話は以前にもしたので、良かったらそちらの投稿をご覧くださいませ。
 
 
という感じで、一般的には「良い」とされるイメージがあるものも、それが必ずしも「体に良い影響を与えるものではない」という事はよくあります。
食物繊維は「便の量を増やす」という意味では効果的であると感じますが、「便秘解消・予防・改善」については言うほど期待できないという話です。
「排便行為を一日一回以上したい」という事を目的にするのであれば、食物繊維を積極的に摂るものであると考えます。
 
補足のつもりがガッツリ話してしまいました。
次回こそコレステロールとかの話についてです。