食物繊維がコレステロールを下げるという話
前回からの続きです。
私は何度も言いますが、野菜を食べる事を否定する訳ではなく、食物繊維が過剰に「健康に良い」とされ過ぎている現状に端を発するというのを目的に話を進めています。
さて、食物繊維摂取のメリットという事で取り上げられている理由の一つに、血中コレステロール値を下げるというものがあります。
欧米において一日あたり24g以上の摂取で、心筋梗塞のリスク低下が観察されるとの研究報告があります。体内でコレステロールから作られる胆汁酸の体外(便中)への排泄を促進し、血中コレステロール値を下げます。
そういった働きがあるという事で、野菜を食べようという事に繋がっていきます。
そもそも、コレステロールは肝臓で産生量を調整されています。
逆にコレステロールの多いものを食べれば、肝臓は作らないようにします。
食事中のコレステロールはすべて吸収されるわけではなく、吸収率には20%から80%程度と大きな個人差があります(平均で50%ほど)。吸収されなかったコレステロールは便中に排泄されます。
食事中の他の成分によってもコレステロールの吸収は影響をうけ、特に食物繊維や植物性ステロールを多く含む食事では吸収されにくくなります。
という感じで、このサイトでも基本的には便中に含まれ排泄されます。
ちなみにコレステロールは「脂質」です。
便中に多く含まれていれば、それが潤滑油のようになって便秘リスクは小さくなりがちであると思います。
便中に多く含まれていれば、それが潤滑油のようになって便秘リスクは小さくなりがちであると思います。
ですが、他の部分では
摂取したコレステロールが血液中のコレステロール値に与える影響には、個人差が大きく(※2)、どれだけまで大丈夫という数字が出せないためです。したがってコレステロールはどれだけとっても大丈夫という意味ではありません。
という感じで、これまでの医療方針というか患者への対応を現状維持という立場で接しているようで不思議です。
コレステロールは身体に必要なものです。
だからこそ肝臓でコントロールされています。
そしてコレステロール値は、低いほど死亡率が高く、高い程長生きしやすいというデータも生まれてきています。
この薬を長期に服用し続けると、当然副作用が生まれやすくなります。
コレステロール低下剤の「スタチン」という薬には重大な副作用を起こす可能性があるのです。その副作用とは、横紋筋融解症、ミオパシー(広範な筋肉痛・筋肉圧痛)、肝機能障害、黄疸、血小板減少など。とくに、横紋筋融解症は、筋肉が溶け出して体に力が入らなくなってしまう非常に怖い副作用です。
また、最近はうつ病との関連性もクローズアップされています。低コレステロールとうつ病の因果関係を示すデータは海外で数多く発表されていますが、このところ日本でもよく見かけます。
コレステロール降下療法は心臓病死亡のリスクは下げても、自殺、事故、がんのリスクを大きく上げるという分析結果は衝撃的である。
過去に、大学の学者が行ったJRとの共同研究で、駅のホームから飛び込み自殺をした55~60歳男性のほぼ全員がコレステロール値を下げるクスリを飲んでいたという結果も出ています
という感じで、何のために薬を服用しているか分からなくなっているような現状でもあります。
コレステロールの内容なので、かなり横道にそれてきましたが、肝機能に問題が無ければ、特に気にするような事ではないという事を言いたいのです。
「食物繊維がコレステロールを下げる」
という言葉がありますが、肝機能に問題無いとか疾病を抱えているとかの状況を除けば、健康な人に対しての注意喚起のように特段こじつけるようなものではないという風に考えています。
下げるのかもしれないが、下げた所で肝臓が調整して補うように作用するから、本当に下がるんですか?と聞きたいですね。
もっとコレステロールの話を掘り下げると長くなるのでここまでにします。
次回は食物繊維と血糖値に関しての話です。