糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

プラスするよりマイナスする事から始める方が結果が出やすくなる

前回の続きです。
 
人間は普段の行動(習慣)から「減らす事」のような大きな変化を求めず、現状にプラスをするような方法を選択しがちであるという話をしました。
その例としては、市販されている健康食品の「酵素カプセル」であったり「青汁」であったり「マルチビタミン」のようなものを普段の生活にプラスしようという感じで「健康に良さそうだから」という事で口にするようにします。
 
ただ、その行為だけで改善出来る人というのは、かなり稀有な存在であると思います。
なぜなら「普段の生活で少しずつネガティブな部分が大きくなっているのに、その部分を修正しないで栄養をプラスした所で、修正が効く人は少ないから」です。
「普段の生活を省みてないから」という事ですね。
どんなに栄養価の高い食品・健康食品・ビタミン剤のような医薬品を摂取・服用したとしても、例えば人間の休息するためにとても重要な睡眠時間が十分にとれず2~3時間程度しかとれないような日々が続けば疲労は蓄積し、ぶっ倒れるか下手したら死んでしまいます。
 
これが極端な例であるのは重々承知です。
ただ、このような方法論を大なり小なり選択しがちではあります。
私が推奨するのは、まずは「ベースとなる基準を作って、何かしらの原因(悪影響)に繋がるもの(トリガーと言っても良いと思います)を排除する事から始める」事です。
部屋の掃除でもそうですが、片付けや掃除が苦手な人というのは「最初に捨てる」という事をしないです。
一般的に「整理整頓」という言葉が知られていますが、これを掘り下げると「無駄なものを捨てて正しい位置に置く」という意味があります。
つまり今ある状態から片付けをしようとしても、スペースが無いので物を行ったり来たりさせて、ただ疲労が蓄積するような事に陥りがちです。
不要なもの(習慣)を排除出来ればできる程、新たなスペース(心理的な余裕・行動のための時間や視点)を手に入れやすくなっていくわけです。
 
ダイエットでも何かしらの疾病に関しても、まずは「悪影響を与えている大きな部分を占めるもの」を排除する方が手っ取り早いです。
皆さんも家計でも営業でも利益管理をする際、一番手っ取り早く赤字を解消するためには、無駄な出費を抑える事が優先事項としては高いものになると思います。
企業でも不採算部門であれば廃止・統合したり、人であればリストラであったりすると思います。
勉強する時も周りに遊び道具やゲームやスマホや漫画があれば、集中の邪魔にもなりやすいと思います。
ポジティブな要素を実感しやすくなるためには、ネガティブな要素を排除していかないと、感じにくくなるという事なんですね。
 
現状により良いものを取り入れて、もの凄いマイナス部分を僅かなマイナスにしたとしても、結果はマイナスです。
プラスを実感出来ないので、せっかく良い方向にすすんでいて「もう少し」という所までたどり着いていたかもしれないのですが、諦めてその行動をしなくなると元の大きなマイナスに戻ってしまうかもしれないです。
 
せっかく良いとされるものも、継続しなければ意味がありません。
そして良い結果というものも感じる事が出来やすい環境を作り上げないと、効果を実感出来にくいです。
その検証をするためには、整理整頓をして不要なもの・習慣・行動を排除し、そこで初めて何かしらの良いとされる情報を試して検証するという事が必要になっていきます。
中途半端に何かを加えても効果を実感しにくいというのは、こういった事が理由です。
そんな事を大掃除をしながら思いついたので書き始めてみました。
 
もうすぐ新年ですし、何かしらの新しい事を始めるのは何かしらのチャレンジとして行動するという事にも繋がるので、とても良い事だと思います。
ですが、何かを始める前には整理整頓のためにも、そしてその行動を最大限メリットを引き出すためにも、まずは排除する・捨てるという事から始めてみるのはいかがでしょうか?
 
今回のテーマは以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。