糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

世界5大健康食品として選ばれたものに違和感が

前回からの続きです。
 

週に2回レンズ豆を食べる女性は、月に1回未満しか食べない女性よりも、乳がん発症率が24%も低いという研究結果が出ています。
レンズ豆を食べると血糖値が安定し、この小さなお豆1/4カップで、タンパク質13g、食物繊維11g、鉄5mgを摂ることができます。スープやサラダに入れたり、サイドディッシュとして活用してみてください。

 

という紹介をされています。
レンズ豆の原産は西アジアで、トルコの家庭料理や西南ドイツの郷土料理として用いられたり、あとはフランス・南米アルゼンチン・インドでも食されているようです。
日本で大豆が精進料理として文化が根付いたように、レンズ豆は欧米・西アジア方面では身近な食材となっているようです。
 
ちなみに、レンズ豆は世界5大健康食品に選ばれたそうです。
これは2006年の話になるのですが、
①大豆
②レンティル(レンズ豆)
③オリーブオイル
④ヨーグルト
⑤キムチ
が選定されたそうです。
キムチについて「キムチにはビタミンA、B、Cなどが豊富で、健康に良いバクテリアの乳酸菌が多いため、消化を助けてくれる。韓国人は、一人当たり毎年18kgのキムチを食べている」
「纎維質が豊かな低脂肪ダイエット食品であるキムチは、米国でもアジア人向けのスーパーで容易に買うことができる。卵にキムチ、トマト、キノコなどを交ぜて作った『スクランブル・エッグ』は朝食でも良い」としてキムチの摂取を勧めた

 

このほかに、△オリーブ油は心臓病予防、△ヨーグルトは兔疫増進と骨の強化、△レンティル豆はタンパク質成分とコレステロールを下げる効果、△豆腐みそ汁などの豆食品はガンと骨粗しょう症の予防などに、それぞれ優れた効果があると紹介

 

www.donga.com

 

やけにキムチがクローズアップされていますね。
 
卵とキムチとトマトとキノコを混ぜて作ったスクランブルエッグが朝食に良いとされていますが、皆さんはこのような組み合わせで食べた事はありますか?
私は普段キムチ自体を食べませんが、どうでしょう?
ニンニク臭から朝からは食べずに、夜に焼肉と一緒にとか、豚キムチといった感じで食べるイメージを持っていますが、頭が固いかもしれませんね。
 
ただ、大豆・レンズ豆・オリーブオイルは、素材そのものの選定なのでまだわかるのですが、なぜヨーグルト・キムチといった「加工品」が加わっているのかがよく分からないです。
ヨーグルトではなく「乳」ではダメなのでしょうか?
大豆だってそのまま食べたり、加工して食べます。
乳も、そのまま飲んだり、加工して食べますし、「乳」とすれば牛乳でもヤギ乳でも羊乳でもいいはずです。
最後の「キムチ」だと、「漬物」という調理方法になってしまいます。
キムチとは「白菜などの野菜と、塩・唐辛子、魚介塩辛、ニンニクなどを主に使用した漬物」です。
漬け込む野菜の種類を問いませんし、野菜だけに限らないです。
キムチに用いられる食材としては、白菜・大根・ネギ・きゅうり・キャベツ・いか・牡蠣等々存在します。
「キムチというくくりなら使う食材は何でもいいじゃん」という事になりますし、だったら日本でいう「浅漬け」でもいいと思う訳です。
 
乳酸菌や発酵食品がメリットとして挙げるのであれば、キャベツを原料としたザワークラウトでも、野菜の酢漬けであるピクルスでも、カタクチイワシの塩漬けとオリーブオイルを使用したアンチョビでもいいはずです。
アンチョビでオリーブオイルが被るのであれば、イワシを良いものとするのでも良いと感じます。
オメガ3の必須脂肪酸の摂取が可能ですし、アミノ酸スコア100という良質なタンパク質も摂取出来るため、これぞ健康食品といっても良いのではないかと感じます。
そして他にも古代エジプトの時代から重宝されてきた「ニンニク」が選ばれてないのがとても不思議です。
キムチにも使われている食材でもあり、滋養強壮の食材と言ってイメージするものの一つだと思います。
ニンニクは医薬品の成分でもあるわけです。
 
これらに比べて、キムチという「調理方法」がこの中に選ばれるのは、少し毛色が違うし、説得力が小さいのではないかと感じます。
これが選ばれるならば、キムチや浅漬けや塩漬け等を総称した「漬物」が選ばれる方がまだ良いと考えます。
なぜ「世界5大健康食品」の選定で、加工食品であり、漬物という大きなカテゴリーの中の一つであるキムチが選ばれているというのは不思議な話ですね。
 
この参照した記事のタイトルからしてそうなのですが、タイトルに「韓国のキムチが選ばれた」と強調され、韓国目線で書かれているように感じます。
文章の割き具合も「キムチはこんなに凄いし、こんな調理法で食べたらいいぞ」と大々的にアピールされる一方、他の食材は短評が掲載されている程度で、もの凄く扱いが小さいです。
このニュースが韓国を持ち上げるためにかかれているのかどうかは知りません。
ただ、何かしらのロビー活動が行われたという可能性は、非常に高いような気がすると邪推してしまいます。
モンドセレクションのようなものかな?
今回調べるまでは「世界5大健康食品」というものが選定された事自体を知りませんでしたから。
これがただの邪推であればいいのですが。
 
おっと、レンズ豆の話をするつもりが、とんでもない方向に向いてしまった。
次回はレンズ豆の話を掘り下げていきます。
 
今回は、ここまで。