糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

リンゴ酢の摂取目安や方法論について

前回からの続きです。
 
さて、リンゴ酢の摂取目安ですが、スプーン1杯や2杯という感じで別れています。
そもそもですが、別にこれはリンゴ酢ではなくても大丈夫です。
この実験結果は、「酢酸摂取によるもの」です。
リンゴ酢でも黒酢でもありません。
 
で、ダイエットに良いという話なのですが、「ダイエット=体重減」という事ではないか?という憶測の元に話をしていきます。
ここの前提は大事です。
私は「ダイエット=健康になる事・コンディションを上げる事」としていますので、どうしてもズレが生じやすいのです。
体重だけが視点ではないのですが、一般論では体重視点となっていますので、これをベースに話をしていきます。
 
さて、摂取方法はそれぞれの主張でまちまちです。
1日に摂取目安は15mlであったり30mlとする所もあれば、毎食前に15ml(一日に45ml)というものもあります。
摂取方法も、そのままであったり、薄めて飲むとか、様々です。
食前に飲むというにもかかわらず、空腹時の摂取は基本的に控えましょうと、矛盾した内容を記載しもあります。
「食前は空腹時ちゃうんか??」
と、思うのですが、よく分からないです。
 
ジャガイモや米など、多くのでんぷん質を含む食べ物をたくさん食べているのなら、毎日食事の前にリンゴ酢を飲んでみるといいかもしれません。
ジョンストン博士は、大さじ1、2杯のリンゴ酢を240ccの水と混ぜて毎食前に飲むことをすすめています。
 
リンゴ酢を飲む際の注意点
空腹時の摂取は、基本的に控えることをおすすめします。
空腹時にリンゴ酢を飲むと、胃腸が荒れる可能性があります。
食前に飲むことにより、食欲増進の効果が期待できるのですが、胃腸が荒れてしまっては元も子もないでしょう。

 

また、リンゴ酢が苦手な方へのお勧めの方法として、「牛乳・はちみつと混ぜて飲む」という方法を提案していますが、はちみつほどではないですが、牛乳にも蜂蜜にも糖質は含まれています。
余計に摂取してしまうのであれば、体重増に繋がるのではないでしょうか?
ダイエット(やせる事)が目的のはずですが、いつの間にか飲みやすくする事が優先されていて、目的が変わっています。
酢を水で薄めて飲むというのが一番として紹介しているのだから、「我慢して飲め!」で良いのではないでしょうか?
何を妥協しているのでしょうか?
しかもその方法が、糖質摂取に頼っています。
ただでさえリンゴ酢は糖質・糖度が高いにもかかわらずです。
 
そろそろまとめます。
という事で、リンゴ酢ダイエットという感じでもてはやされているのかどうかは分かりませんが、酢(酢酸)を摂取すると、
・血圧
・食欲増進
・糖を細胞に送り込みやすくする
・pHバランス調整
・尿酸値低下
と、全くここまで書いてこなかった部分も列挙していますが、こういう所には良い傾向がみられるのではないかと考えます。
 
私が考える「ダイエット=健康増進・コンディション上昇」という視点では、かなりおススメのものではあると思いますが、体重減という考えにはなりにくいのではないかと感じます。
このダイエット方法を試した所で、
「カロリー制限を行ないながら、3カ月程度で1~2キロの減少という変化」
という結果になっています。
それで、痩せた!!と思うか、誤差だ!!と思うかは、皆さんにお任せしますが、私は
「そんな程度で優れたダイエット方法だと紹介するんですか?」
という程度です。
私だったら、2カ月で5~10キロ程度体重を減らす方法を知っているので、そちらをお勧めします。
 
蜂蜜・牛乳を足さないというのであれば、実践するのは構わないですし、悪い事ではないと思います。
この方法を反対する事は無いです。
ただ、リンゴ酢ダイエット(?)をしただけで「素晴らしい効果が得られる」とするのは、誇張し過ぎではないかと感じます。
 
という事で、以上にしたいと思います。
次回は別のダイエット方法について、話をしていきます。