糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

生活リズムが異なるからダイエットへのアプローチ方法が異なるのは当然

前回の続きです。
 
人間の身体というのは、何を食べたかによって身体が変化していきます。
「人間の身体は食べた物によって作られる」
という事は栄養士業界では当然のように認識をされている(はず)と思います。
 
前回取り上げた記事は「21時以降の食事」「夕食」という2つの視点をメインでピックアップしている内容になっていると思います。
ただ、一日トータルで見ればその通りにした方がいい事もあるし、しない方がいい事もあります。
そもそも「必ず3食食べないといけないのか?」という話を無視していますし、消化の良いものを食べようと言いながら食物繊維たっぷりの難消化性の野菜を食えとアプローチをしています。
仕事が終わってから食事をして「4時間起きていなきゃ」というのを避けたいと話してますが、その人の生活リズムがそれに適しているなら問題も起こらないです。
 
そして何より
 

寝る直前に食べると糖質が蓄積されてしまいますので、こちらも注意が必要です

 

という話をしているのですが「寝る直前に食べると糖質が蓄積される」ではなく、
「寝る直前に糖質の多いものを食べると糖質が蓄積される」というのが正解であると考えます。
 
夜寝る前には風呂に入ると思うのですが、風呂上がりに甘いデザート(冷たいもの)を食べると、そら夕食云々ではなく糖質を身体に取り込んで、血糖値を上昇させて睡眠の質も悪くなります。
 
そら太りますよ。
 
話を戻します。
以前他の方が投稿している動画で、
「一日のカロリーを消費量よりも摂取量が小さければ痩せる」
という話をしている人がいました。
一日一食しか食べずに、それが朝に牛ステーキを1500キロカロリー分食べようとも、寝る前におにぎりを1500㎉分食べようとも、摂取カロリーが消費量より小さければ痩せるという感じで補足していました。
 
私はこの考え方を少し否定的に受け止めています。
リスクとしては、寝る前におにぎりを食べる方が太りやすいのではないかと感じますし、例え両方の場合で体重が減少するとしても、減少幅はステーキの方が大きいと感じます。
なぜなら寝る前に大量の糖質を摂取してしまうと、血糖値が爆上がりし、良質な睡眠を得る事が出来なくなります。
 
良質な睡眠をとる事で、身体の修復に必要な成長ホルモンが働き、健康な身体へと導いていくのですが、これは血糖値が高い状態だとそれを下げる為に身体が動き、成長ホルモンが活躍出来にくくなります。
成長ホルモンは、血糖値が高い環境下では働きが鈍るという特性を持っています。
良質な睡眠がとれなくなると、睡眠不足にも陥り、ストレス耐性にも弱くなってしまい暴飲暴食に繋がりやすくもなります。
ストレスが大きいと、その発散のために満腹中枢の働きも鈍くなり、より多くの物を食べようとしやすくなります。
 
上記の例では、糖質とたんぱく質が逆だったらいい感じかもしれません。
朝に大量の糖質を摂ったとしても昼間の活動量によってはそれを消費できるので、夜に食べるよりは減量効率は高くなると感じます。
ただ、朝7時に食べたとして夜22くらいに寝るとしても、そこまで空腹に耐えれるかは疑問ではありますが。
 
夜寝る前にたんぱく質の多いものを食べると、血糖値が全く上がらないとは言いませんが、糖質よりは上がりにくいので成長ホルモンは働きやすくなりますし、睡眠もしっかりととれるようになります。
消化にも良いので、食べる量によっては翌日の膨満感に苛まれるかもしれませんが、それだったら朝食の時間をずらせば良いだけです。
 
もし私が同じ条件でのおすすめやアプローチをするなら、夕食のたんぱく質摂取の他に、夜遅くなる事が分かってるのであれば、昼食や間食に「高脂質な食事」をする事をお勧めします。
高脂質食材を摂取すると満腹感が持続しやすくなります。
よく言われている「一般的なバランスの良い食事」では、糖質6割タンパク・脂質2割ずつという感じです。
 
糖質が多いと、血糖値が上がってインスリンの働きで下がるのですが、その下がっているタイミングで眠気や空腹感が生まれやすくなります。
で、夜も食べないと空腹感に苛まれて寝る前だけどドカ食いして翌日の体重増加に繋がったり気持ちが悪かったりするという事に繋がりやすくなります。
ですが、昼や夕方くらいに糖質少な目で脂質の多いものを食べておくと、満腹感が持続し、空腹感を感じにくくなります。
問題無ければそのまま寝ればいいし、食べたければ肉やバターをかじればいいと思います。
脂質は血糖値に基本的には影響しないので、睡眠の質を下げる事も無いです。
 
こういったアプローチで話をしているダイエット関連のサイトはほぼ無いので、不信感や不安が生まれるかもしれませんが、よかったら参考にして頂ければと思います。
何かしらのアプローチで結果が出なければ、他のアプローチを試さないと変化は生まれないです。
 
もし「夜遅くの食事はどうしよう」と悩んでいる人がいれば、そのアプローチの一つとして実践して頂ければいいなと思います。
2~3日で結構変わりますよ?
 
今回のテーマは以上です。
 
ありがとうございました。