糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

リンゴ酢と血圧の関係について

前回は予定を変更して、少し引用の追記をしましたが、今回は予告通り「血圧」についての話をしていきます。
引用は、前々回のサイトよりです。
[データ:Bioscience,Biotechnology, and Biochemistry; 73(8), 1837-1843,2009]
さて、こちらの表を基に話をしていきます。
血圧なんですけど、その変化も記載されています。
SBP(mmHg) week 0   week 4   week 8   week 12  week +4
Placebo   127.5    127.5    127.3    127.6    127.9
Low-dose  126.6    125.6    124.7    124.8    126.1
High-dose 125.5    125.5    122.0    121.0    123.3
DBP(mmHg) week 0   week 4   week 8   week 12  week +4
Placebo    76.6    76.7     76.7     77.1     77.0
Low-dose   77.0    77.0     75.8     75.9     76.8
High-dose  76.9    75.2     74.9     74.7     75.5

 SBPが上と呼ばれる最高血圧、DBPが最低血圧の事です。

 
基本的にこの人たち(中央値?)ですが、日本では基準値内に収まっています。
で、僅かですが、上がったり下がったりしています
私の眼には、ほとんど誤差のように見えます。
 
ちなみに、大手メーカーは、血圧が低下したというデータを紹介しています。
このグラフでは血圧高めの人を対象にしていますが、10週の時点で血圧が下がっているというグラフを紹介していますが、なぜか10週目には上昇傾向にあります。
もう少し長く検証していたらどうなったんでしょうね?
で、なぜ血圧が下がるか?というのは、酢酸の働きであるとされています。

お酢には、血圧を下げる成分が多く含まれます。お酢の主成分「酢酸」には、血管を広げるアデノシンに働きかけ、血圧の上昇を抑える効果があるのです。

 

恐らくこの働きであるとは感じます。
 
ですが、中には「リンゴ酢にはカリウムが配合されているからだ~~~」とアピールをしている所もあります。
確かにカリウム摂取で体内の塩分を排出する働きで、塩分の影響による血圧上昇を防ごうという風潮になっていますが、そもそも、高血圧の原因って不明となっています。
にも関わらず、塩分を犯人として、そこばかりに着目してしまうのは、非常におかしいです。
その話は別の機会でしたので割愛します。
 
 
で、カリウムが~~という人もいると思いますが、それではリンゴ酢にどれくらいのカリウムが配合しているか?です。
 
 
9mgです。
 
 
スプーン一杯(15cc)あたり、9mgです。
 
これだけの量で、どれだけ血圧に影響するのでしょうか?
 
ほんの僅かでも入っていたら、「血圧に良い!!」という根拠にするのでしょうか?
意味が分かりません。
ちなみに、人参100gで、260mg含まれています。
どれだけ少ないかがわかるかと思います。
 
酢を取り入れる事で血圧が下がるというのはデータとして存在しているので、否定はしませんが、根拠のない部分を結びつけるのはいかがなものか?と思う訳です。
何のイメージ操作なのかな?と、思いました。
 
色々な情報を基にメリットを打ち出すのは悪いとは言いませんが、しっかりと数値データを用いて紹介するようにしてほしいと思います。
ないと、このような事が簡単に行われますので。
 
次回は摂取目安と方法論とまとめになると思います。