糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

ヘルシーとイメージが定着した理由と思われるもの

前回からの続きです。
ちょっと勢いで始めたのですが、まとめ不足や情報不足が否めないような流れになりそうな感じがして、ドキドキしています。
 
「野菜=ヘルシー」というイメージの定着の理由には
「低脂肪はヘルシー」
「食物繊維はヘルシー」
この大きな2つのキーワードがあるからだと考えているので、これを紐解いていきたいと思います。
 
まず、低脂肪。
 
ダイエット方法の一つとしてカロリー制限とあるように、人間の身体はカロリーが増減する事で太ったり痩せたりするという考え方です。
高脂肪が悪だと考えるようになったのは、恐らく1950年代のアメリカに始まっていると思います。
この頃のアメリカでは心臓病による死亡が急増していたため、それを予防する食生活が求められていたそうです。
当時から心臓病の原因は「砂糖と脂質のとり過ぎ」にあると考えられていたが、当時の砂糖研究財団副会長ジョン・ヒクソンが科学者に情報操作をさせた論文を発表させ、心臓病の原因を「飽和脂肪とコレステロール」であるとし、砂糖は「虫歯は増えるが心臓病には影響しない」という事にすり替えていったそうです。
 
「お金の力で」です。
 
低脂肪食品自体はその頃からあったようですが、脂質を抜いているので「コク」が無いものばかりのようでした。
そこに「砂糖」を加える事で「甘味」と「コク」を生み出せ、脂質よりも糖質が低カロリーで出来るため、低脂肪食品も砂糖の売り上げも上がったそうです。
 
そもそもが「高脂質=悪」という考え方(やり口)に基づいての流れではあるが、だからといって「低脂肪=善」という事の証明になっていないのではないでしょうか?
ちなみに、コレステロールが高いから卵は一日一個までというような話もありましたが、このイメージも浸透していた歴史があります。
これは1913年のロシアでの実験ですが、卵をウサギに食べさせ血中コレステロール値が増加して動脈硬化を起こしたという内容です。
医薬品の治験のために動物を利用するのは広く知られていて、そこから安全性を確認していくのに必要な行為であると思っています。
 
ただ、食作用については別です。
 
良く動物実験で「〇〇を動物が食べたら寿命が伸びた(縮んだ)」という話があるのですが、その動物の食作用と人間のそれとは別です。
ウサギは草食動物なので、そこに無理やり動物性食品を与えたら、そら身体に悪影響を与えますよ。
以前投稿しましたが、マウスに高脂質高たんぱくの食事を与えると寿命が短くなったという話があったのですが、マウスは高炭水化物・低たんぱく・低脂質の食生活が基本で寿命が長くなります。
その食作用を変更したら、同様に悪影響を与えるという事です。
この理論だと「鼠の食生活を人間に当てはめると健康になる」という事を強引に行っている事になると感じます。
人間と鼠が食べる物は違いますから。
現在、糖質制限というダイエット方法が広まってきつつありますが、そこでは一番多く摂取するカロリーというのが「脂質」です。
当時とは全く逆ですね。
テレビの健康番組でも「良質の脂を積極的に摂りましょう」と言い出して来ている時代になっています。(昔はとにかく「低カロリー・低脂質」だったんですけどね。その情報訂正はどこの局もしてないです。)
 
このような流れもあり、そして野菜自体が「低カロリー・低脂質」というキーワードに合致している部分と、高血圧対策として「低ナトリウム・高カリウム」が論調として高まってきた過程もあり、カリウムを多く含む野菜が「食べるとヘルシー」という事のイメージになってきたのかなと思っています。
 
ちょっとまとめ方が乱雑かもしれませんが、こんな感じのイメージを持っています。
次に食物繊維の話ですが、それは次回に。