糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

健康食品であったりプロテインの話の続き

前回「加工により成分は変化します」という投稿をしました。
製造過程により、高温で加工するため、栄養素が残っているとは限らないという事です。
で、その点に注意しているというサプリメーカー(かな?)のサイトを見つけたので、少し紹介します。
 

低温製造のため熱に弱い栄養素も活性を限りなく保ったまま入っています。
ダグラスのサプリメントは体温以下の低温製造のため、活性化された成分や栄養素がほぼそのまま入っています。
一方、国産のサプリメントでは一般的に60度~ 80度の高温で製造するため、ビタミンBやビタミンCなど高温に弱い栄養素が壊れてしまっていることがあります。

 

という事で、自社製品の特徴・良さをアピールしています。
値段も1カ月分で1万円超と、中々なものですね。
こんな感じでアピールする事が長所・イメージアップにつながるくらいですから、この手法(製造工程)をアピールしていない所は、基本的に高温製造で、かなり栄養素が失われているというのが想像できると思います。
 
この点が、健康食品を信用できないとする理由の一つです。
 
次に、健康食品で使われている「成分・栄養素の原料」についてです。
成分表示でも、「ビタミン・ミネラル・たんぱく質・脂質・炭水化物・よく分からないものの抽出エキス」というような表記が並んでいますが、どんな品質のものを使っているのが、とても不透明です。
 
基本的に商売ですから、利益を生み出す事が必要です。
経済は得意ではないですが、会社が簡単に利益を出す方法を3つ挙げるのであれば、
①人件費削減
②販売価格アップ
③原価コストダウン
という所はイメージしやすいと思います。(他にもあると思いますが、割愛します)
①と②をそのまま据え置くとしたら、③をどれだけ下げるかという所になります。
 
サプリの商品紹介でも、よく使われる文言なのですが、
 
天然成分を使用
・医薬品を作るのと同じ厳しい基準によって製造管理
・安全性を高めた高品質なサプリ
・香料・着色料・保存料が無添加となっており、余計なものを含んでいないので安心
 
という様な内容が、商品アピールの文言として使われています。
私は言葉尻を捕らえる事を忘れないようにしているのですが、これがアピール内容となるのであれば、そうでない商品も当然あるという事になります。
 
・天然成分を使わず、人工的に使われた栄養素を使っている
・製造管理の基準はユルユルで、とりあえず作ろうぜという考え
・安全性は最低限で、品質も意識せず、イメージで売れればいいという考えで生み出されたサプリ
・香料・着色料・保存料基準内でたっぷり使用
 
という商品があるからこそ、差別化となり、商品アピールに繋がると考えます。
 
以前にも投稿したのですが、ビタミンEと一言で言っても、種類が別れます。
 

ビタミンEにはランクがあります。
天然ビタミンE  d-α-トコフェロール
天然型ビタミンE 酢酸d-α-トコフェロール
人工ビタミンE  dl-α-トコフェロール
人工型ビタミンE 酢酸dl-α-トコフェロール
の4つです。
これは昔の知識なので、今では、天然・人工・合成の3種なのかもしれません。

 

天然ビタミンEが「一番高価だが、高品質で効果も得られやすい」となります。
下に行くほど、低品質・安価となっていきます。
健康食品がどのレベルのビタミンEを使っているかというのは、表示やアピールを見ればわかります。
何も特筆すべきものが無ければ、基本的には下のランクのものを使っています。
 
安価ですから。
 
そして、脂質でもそうです。
「n-3系多価不飽和脂肪酸」というような表記も無く、ただ単に「脂質」とあれば、サラダ油レベル(ひょっとしたらもっと低品質の可能性もあるのでは??)の脂質を使っていると考える事も出来ます。
 
安価ですから。
 
そして、たんぱく質です。
プロテインで使われているものですが、これも当てはまる部分が多いと思います。
 
長くなるので、次回に。