糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

完全食であったり健康食品であったりプロテインの話

さて、私は以前から健康食品であったり完全食についての話を取り上げてきています。
 
私自身は、単体で「完全食」と言えるものは無いと考えています。
そして健康食品も、表示されている通りの栄養素がそのまま商品に含有されている事はありえない考えています。
理由は、表示されているのはあくまでも「商品製造開始前」の数値であり、そこから加熱・圧縮・乾燥というような工程が始まるので、そこでどうしても成分が減少してしまうからです。
 
この商品の成分表示の所にもありますが、
「製造時配合」と記載があります。
とても正直ですが、他の商品にはこの表示すらないものも多数あります。
という事なので、「完全に栄養が摂れる」とか「完璧な食事」と煽っているサイトをよく見かけるのですが、売り込みのために使用されているようにしか思えないです。
何をもってこのような言葉を使っているのでしょうか?
 
ツイッターで何かの記事に、うろ覚えですがこのように書いていました。
「私は休憩や食事の時間を1時間しかとっていない。15時間を仕事にあてている」
「これさえ食べてれば、栄養には問題無い」
「噛まないので、あごが細くなり小顔になった」
「ダイエットにもよく〇キロやせた」
というような記事があり、みんなも完全食の食生活をやってみたら?というような記事だったと思います。
 
時間については好きにしたらと思います。
ただ、これで「栄養に問題無い」という考え方をするのは、少し違和感を感じます。
理由の一つは、あくまでも商品に「成分保証を行っていない」という点です。
もう一つは、あくまでも「厚労省が定めた基準(厚生労働省 日本人の食事摂取基準)に基づいている」という事です。
この基準の内容については長くなるので割愛しますが、「科学的なデータに基づいているもの」「これまでの習慣に基づくもの」「これ以上とったら健康被害が起きるという事が分かっている」と言ったものをひっくるめて、
国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギーと栄養素の量の基準を示すもの
としています。
この数値は、平均値であったり中央値であったりします。
大部分の人には当てはまる部分でもあるため、この数値を基準として色々な栄養計算に利用されています。
それは良いのですが、あくまでも平均値・中央値で、100%の全ての人にそうだとはしていません(当然ですが)。
なのに「完全食」「完璧な食事」というのは、少し盛り過ぎであると感じます。
 
また、加工により成分は変化します。
多くはその基準に達する(100%)であったりそれを超えていたり(150~200%)すると思いますが、その数値を確実に摂取できているという保証はありません。
その人にとっては十分な栄養素を摂取しているかもしれませんが、別の人には不十分である可能性もあります。
残っていると思えていたような栄養素も、実は全くなかったりする場合もあるわけです。
 
少し長くなりそうなので、次回に回します。