糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

不要な細胞が赤血球に逆戻りする??

前回からの続きです。
「腸管造血説」というものがあるそうです。
著作を読んでないのでハッキリとは言えないですが、印象から話をすると「赤血球は万能」というような感じがします。
 
1.赤血球は体細胞の母体である(赤血球分化説または赤血球一元論)
2.体細胞と赤血球は可逆的に分化する
3.病原体は自然発生する
4.細胞新生説
5.造血器官は小腸絨毛である
6.獲得形質は遺伝し、生殖細胞は血球に由来する
7.従来の進化論の否定と共生説の提唱
8.生命弁証法
という8つの主張を唱えています。

 

全部を話すと大変なのでピックアップしますが、現時点でよく分からないのは、「1」と「5」です。

1.赤血球は体細胞の母体である(赤血球分化説または赤血球一元論)
赤血球は様々な体細胞が分化する母体であるとの主張。

 

赤血球は、体細胞の原石(?)のようなもので、赤血球が色々な細胞になっていくとの主張のようです。
恐らくですが、このような考え方があるので、

宿便は腸管だけでなく、血液内にもコレステロールなどの粥状の汚れとなって付着しています。森下敬一医学博士と千島喜久男医学博士が提唱した「腸管造血説」によると、不要な細胞は赤血球に逆戻りし、バクテリアに分解され、腸内に排泄されるとされています。

 

「不要な細胞は赤血球に逆戻りし」というような話が簡単に出てくるのだと考えます。
ですが、赤血球は最終形態であり、逆戻りをして細胞に戻る事はありません。
骨髄内で生まれた造血幹細胞がホルモンの影響を受け姿を変えていき、赤芽球から赤血球へと変化していきます。
 
これは不可逆的なものです。
 

標準的な体格の成人であれば全身におよそ3.5-5リットルの血液があるため、体内の赤血球の総数はおよそ20兆個であり、これは全身の細胞数約60兆個の1⁄3である。
体内の細胞にくまなく酸素を供給するために膨大な数の赤血球が存在する。骨髄では毎日2000億個弱程度の赤血球が作られているが、その寿命は約120日で、120日の間におよそ20-30万回に渡って体を循環して酸素を供給し、古くなると脾臓や肝臓などのマクロファージに捕捉され分解される。

 

それぞれの血球は見た目や働きが全く異なりますが、元はどれも『造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)』と呼ばれる一つの細胞からできているのです。
これが「サイトカイン」という血球が出すタンパク質の刺激を受け、赤血球や白血球、血小板へと変化していきます。

 

という前提があるのですが、なぜか「細胞と赤血球は不要時には変化をする事が出来る」としています。
まず、ここがわからない。
ほぼ同様ですが、成人の造血器官は骨髄です。
そこで生まれた細胞がタンパク質の一種であるサイトカイン(エリスロポエチン)他の影響を受けてから赤血球に変わります。

5.造血器官は小腸絨毛である
骨髄を造血器官として認めない(骨髄造血説には矛盾があり、造血器官は小腸の絨毛である)との主張。

 

不要な細胞が赤血球に逆戻りをするとありますが、これも赤血球が体細胞の母体だからという考え方にあるようですが、とても考えにくい内容です。
 
不要かどうかは、どのようにして身体は判断しているのでしょうか?
 
基準は何なのでしょうか?
 
血液検査等で、どの項目の数値がどれくらいになったら、どんどん亢進するものなのでしょうか?
そこの部分を探し出す事が出来ないので、データを参照することが出来ないんですね。
この考え方を推奨しているのは「マクロビ」界隈のようです。
それが一部なのか、ほぼ全てなのかは、私は知らないですし興味もないです。
ただ、あるサイトでは、この説を「理解できる」として紹介しているものがありました。
ご紹介した千島学説の本は、現代医療とは異なる考え方ですが、人間の体を見つめれば見つめるほど腑に落ちることが多く書かれています。
(中略)
私は医療従事者ではありませんが、食べ物を通じて多くの人の体調を観察していますので、腸管が血液を造るということをいつも身近に感じています。
「You are what you eat.」
(あなたはあなたが何を食べているかで決まる)。
この格言が我が身にも、そして周りの人にも確認できる現状において、これらの本に書かれている内容はいつも追認しながら生きているような気がします。

 

この方は、自身は医療従事者でないと主張していますが、どういった視点で話をしているのでしょうか?
医師という資格がないからという意味でしょうか?病院のような施設に所属してないという意味でしょうか?
 

医療者という職種は、病気や障害を持った人に、専門的知識と技術を行使し、その人がその人として生活できるよう手助けする職種だと考えられる。某医科大学の「病気を診ずして、病人を診よ」という理念になぞらえて、病をもった人の生活を支援することが医療者の仕事、と定義することもできるであろう。

 

私は管理栄養士の資格をもっているので、医療従事者です。
健康に貢献すべく活動をしているので、体調が良くない人への改善のサービスを行なう事も、医療に繋がると考えます。
この人はマクロビという食事方法で人を元気にする事も指導・情報提供し、代金もいただいている訳です。
業として行っている訳です。(年間12回の講義で43万って・・・)
だのになぜ自身を「医療従事者ではない」という位置づけにしているのでしょうか?
無責任であるという話をしだすと長くなるので止めますが、怖いですね。
人の体調を観察しただけで、腸管が血液を造っていると感じる事が出来るという事です。
その根拠は何でしょうか?
外見で、細胞の働きを見る事が出来るのでしょうか?
客観的なデータ(数値)が無いため、何を根拠に話をしているのか、よく分からないです。
 
不思議な世界です。
「マクロビ」って。
 
次回は、この宿便のテーマを書こうと思ったきっかけとなった、ユーチューブでのCMについて話をします。
 
今回は、ここまで。