糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

栄養満点とする基準は何なのか?

それでは、前回の続きです。
何だかふんわりとしたまま終わりそうな気がしなくもない投稿になりそうですが、書いていきます。
 
言葉の定義から取り上げていきます。
 
栄養満点
読み方:えいようまんてん
たいへん栄養があるさま、栄養に満ちているさまなどを意味する表現。 「栄養たっぷり」などとも言う。

 

www.weblio.jp

 

 とあります。

この言葉は、「栄養」と「満点」に分けられると思うので、合わせて拾っていきます。

えい よう -やう [0] 【栄養・営養】
①  〘生〙 生物が生命を維持し、生活してゆくために、体外から適当な物質を取り入れて、からだを成長させ、機能を保ち、エネルギーを得ること。
②  ① のために必要な成分・物質。滋養。 「 -をとる」 「 -がある」 「 -にならない」 〔幕末につくられた語〕

 

まん てん [3] 【満点】
①  試験などで、想定された最高の点数。誤りや失敗が全くない状態。 「 -をとる」
②  満足できる状態であること。非常に良いこと。 「サービス-」

 

さて、ここまで書いてきたのですが、私は「栄養満点な食材」というのが意味が分からないのです。
 
「何の視点・基準で栄養満点なのか?」
「栄養満点である食材」と「栄養満点でない食材」の違いが分からないからです。
 
前回のサイトの中で例として挙げられていたのは
キャベツ
アボカド
サツマイモ
ブロッコリー
高カカオチョコレート
コーヒー
 
安価な割に高い栄養価のものとして
卵 
もやし
えのき
豆苗
じゃがいも
たまねぎ
鶏むね肉・ささみ
ちくわ
塩サバ・鯖缶
納豆
豆腐・油揚げ・厚揚げ
 
というのが挙げられました。
共通点が良く分からないです。
 
栄養価が高いかどうかの目安の一つとして、アミノ酸価(アミノ酸スコア)というのがあります。
アミノさんか
アミノ酸価 amino acid score
人体がその主要構成物質であるたんぱく質を合成するためには20種類のアミノ酸を必要とするが、そのうち9種類のアミノ酸は体内で合成されないので、食物として摂取しなければならず、これを必須アミノ酸という。必須アミノ酸の量とバランスが良い食品が良質たんぱく質を含む食品といえる。人体に理想的なアミノ酸量を100としたとき、それぞれの食品に含まれるアミノ酸の量をアミノ酸価という。ちなみに食肉のアミノ酸価は100、大豆、精白米はそれぞれ86、65である。

 

大豆は、何か基準が変わったようで、スコアはめでたく100になりました。
私は何かしらの動きがあったという憶測を抱いてますが、それはまた別の話。
 
この観点から見ると、上記の中で「栄養価が高い」と出来るのは、「卵」「鶏肉」「サバ」くらいですね。
植物は基本的にたんぱく質含有量自体が少ないですから。
これはアミノ酸スコア視点での話となりますが、それを差し置いて、「野菜」を上げられているので、他に何かしらの基準があるのでしょう。
 
次にキャベツの紹介では
 

脇役になりがちなキャベツですが、実は栄養たっぷりの優秀食材。豊富に含まれているビタミンには胃腸を守り、免疫力を高める効果があるので、疲れている時や風邪をひいた時には特におすすめの野菜なんです!

 

とありました。
よくキャベツの紹介で「胃腸にやさしい」「胃腸を守る」という事が挙げられているのがほとんどです。
含有している「ビタミンU」「塩化メチルメチオニンスルホニウム(MMSC)」のためだと思われます。
 
ですが
 

戦後アメリカでガーネット・チェニーらによりキャベツの絞り汁より発見された。
そのためキャベジンとも呼ばれ、興和の同名の薬品他、様々な胃腸薬の成分となっている。
水溶性の化合物であり、熱に弱い。
胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の修復を助けて胃潰瘍を防止する作用があるため、潰瘍を意味する英語ulcerの頭文字をとってビタミンUと命名された。
名称に「ビタミン」と書かれてはいるが、生体にとって必須な栄養成分ではないことから正式なビタミンではないと考えられている。
アブラナ科の植物に特に多く含まれる。

 

このように記載されています。
着目点は当然、最後の所です。
 
「生体にとって必須な栄養成分ではないことから正式なビタミンではないと考えられている」という事で、考えられているという表記にはなっていますが、生体には必須ではないという事です。
 
また「熱に弱い」という事ですが、紹介レシピでは、ガンガン炒める・蒸すという調理法で紹介されています。
 
そもそも、キャベツにはMMSCが多く含まれているという事なのですが、どれくらいの量を含んでいるのでしょうか?
 
調べるんですけど、中々資料が見当たらないのです。
口々に「ビタミンUが豊富に含まれている」と表現しているのですが、どのくらいの量が含まれているかについて言及しているサイトが無いのです。
 
キャベジンでおなじみの「興和株式会社」のサイトを見ても、「キャベジンはMMSCを150mg配合」とありますが、よくあるような「レモン〇〇個分のビタミンC」とか「レタス〇〇個分の食物繊維」というような表記はありません。
 
ちなみに、薬を作る時は、「加熱処理」であったり、錠剤にするための「圧縮処理」をすると思います。
加熱のためには、当然、熱を加えるのですが、圧力を加える事でも熱は生まれます。
 
熱に弱いとされるMMSCの効果は期待できるのでしょうか?
 
ここら辺は、私は薬剤メーカーではないので分かりませんが、そんな邪推をしてしまいました。
 
「キャベツ〇個分」というような表記が無いのでイメージをしにくいのですが、恐らく含まれているのは、100gあたりでも、極わずかであると考えます。
そうすると、食事で大量に食べたところで、1玉も生で食べれないと思います。(加熱すれば何とかいけるかもしれないが、MMSCが壊れる・・・)
 
本当に「胃粘膜修復」の効果を実感出来るのでしょうか?
疲れた胃に、そんなに大量のものを押し込んだとしても、効果を実感出来るのでしょうか?
 
こう考えるのは、以前にも投稿しましたが、「エノキががんに効く」というようになるにはどんな過程が必要なのか?という事に由来します。
医師である高須克弥氏の発言として、
 

例えばガンにエノキダケが効くとしたら、四畳半分のエノキを毎日くわにゃならんのだ。それを一錠の薬に精製したのが現在の西洋医学

 

と話しています。
 
恐らく、上記のような量を食べなくても効果は得られやすいと思いますが、これに近いイメージで精製して得られるのが、キャベジンに含まれる「MMSC150mg」だと感じます。
 
そもそも、「1食分に食べるキャベツ量」程度で「胃粘膜修復」となるのであれば、キャベツを食べれば食べる程、胃が良くなるのが実感出来ると思いますし、薬としてもあまり売れないと思います。
 
付け合わせ程度の量のキャベツを食べて済むなら、わざわざ高価な薬を買わないという事です。
 
ビタミンUはアブラナ科の野菜に含まれているとの事。
 
ブロッコリー芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、カラードグリーン、ケール、コールラビカラシナ、ルタバガ、カブ、パクチョイ、およびハクサイなどを含む
ルッコラ、セイヨウワサビ、ダイコン、ワサビ、およびクレソンもアブラナ科野菜である。

 

lpi.oregonstate.edu

 
キャベツでないといけない理由は無いのです。 
 
おっと、話しが逸れてきてます。
長くなったので、続きます。