糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

粗食やマクロビやベジタリアン・ビーガンを推奨している人への質問

 
皆さん、こんにちは。
 
以前、上記リンクのように粗食・マクロビについての話を過去にしてきました。
マクロビに関しては「宗教」という意味合いが強いという話もしてきました。
ビーガンについては、狂信者のようなイメージを持っていますが、皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか?
色々と「健康的」とか「ヘルシー」とか「環境に優しい」とか「家畜を殺して食べるなんて狂ってる」とかいう感じで色々な評価をされています。
 
基本的に、こういった基準は「メリット部分」になります。
こんなに良いですよというアプローチですね。
 
で、こういう話でよくみられるのですが、ほとんど「デメリット部分」というのが紹介されていないのにお気付きでしょうか?
タイトルにあるような食事方法を継続・徹底すると、動物性たんぱく質を避けるような食生活となっていきます。
そうすると「鉄分」「たんぱく質」は吸収効率の悪い状態での摂取になりますし総摂取量も少なくなります。
他にも「ビタミンB12」の摂取が微量になりがちなので、「貧血」に悩まされやすくなります。
 
それと同じくらいデメリットであると感じるのは「身長」です。
明治33年(1900年)の調査では、17歳の男の平均は157.0cm、女に至っては147.0cmしかなかった。現代日本人の平均が男で170.6cm、女で157.8cmなので、それと比べると10センチ以上差があったんですね。
日本人の平均身長の推移というのがあるんですけど、明治33年時点で17歳男性平均身長は157cmと記録が残っています。

 

もっと前の時代ではどうかというと、
平安時代初期の男性平均身長は161cmでしたが、末期には157cmに。更に時代下って江戸時代になると、人々の平均身長は男性で155cm~156cm、女性で143~145cmと日本史上最も低い値をマークします。
男性に限って言えば、江戸時代はピークの古墳時代に比べて8cm以上小さくなっているというわけです。

 

という感じです。
粗食であったりマクロビの考え方だと、この江戸時代の食生活のようなスタイルを推奨しています。
ベジタリアン・ビーガンも動物性たんぱく質を摂取しない傾向にあるので、ほぼ同様だと思います。
推奨者は「自身の子供にも」乳幼児のころからその食事方法での提供をしているのですが、一部報道で「栄養不足で両親が逮捕」というようなものが聞こえてきます。
仮に栄養失調にならなかったとしても、その食事方法で育っていくと、平均身長が155㎝程度の体格になりやすいという事になると感じます。
そのような姿になる可能性が高くなるというのを知ってて子供にも推奨しているのかどうなのか?
その部分が気になるわけです。
 
身長に関しては、デメリットかどうかというのは価値観によるのですが、男性の理想像の中に高身長の姿を求める女性というのは少なくないのではないでしょうか?
「(女性でも)160㎝以上は欲しいよね。出来れば165くらい」と発言する女性が近くにいたので、印象は強いのですが、女性の身長は男性以上に価値観に左右されやすいと思います。
 
粗食・マクロビ・ベジタリアン・ビーガン等の食事方法を「ヘルシー」とか「健康的」とか言うのは勝手ですが、そういった事は成人してから始めた方がいいのかなと感じます。
子供のころからそういう食事を与えないのは、宗教のような「価値観のゴリ押し」であると感じます。
幼少期に「身体に悪いから」と駄菓子屋に通わせなかった家庭で育った人が、大人になってから抑圧から解放されてジャンキーな食事ばかりするような感じと同じ事だと思います。
子供が低身長を悩みにしていたら、親はどう弁明するのでしょうか?
低身長になるのが親の子供に対しての理想の姿なのでしょうか?
そういった「デメリット」になりやすい部分というのも紹介しないと、多くの人は判断できにくいと思います。
 
思想を広めたい立場の人が、自らデメリットをアナウンスする訳は無いんですけどね。
 
身体への色々な影響はやってみないと分からない部分も多いですが、過去のデータも参照にしないといけないです。
色々な新しい事に飛びつくのは良いですが、一度立ち止まってから思考を巡らせる事を癖付けした方が、良い方向に進みやすいと思いますよ。
 
今回は以上です。