糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

健康食品に対して思う事

前回の続きです。
 
皆さんは健康食品を摂取して(食べて)いますか?
摂取する事を否定はしませんが、私は率先して摂取しなくても良いと思っていて、それにお金をかけるのであれば、他の事にお金を使う方がいいのではないかと考えています。
そんな立ち位置で話を進めていきます。
 
健康食品を購入するきっかけとして、口コミやイメージ戦略を受けてというのは非常に大きなものであると感じています。
知人に勧められたというものもあるかもしれませんが、例えばモデルが使っているという商品紹介もあるでしょうし、好きなボディビルダーの動画をみてその人が使っているというのであれば「同じものを使ってみよう」という影響を受けやすいとも思います。
 
人間だもの。
 
私もその影響を強く受けてきました。
で、何となくで始めたのが亜鉛のサプリでしたが、結局は続きませんでした。
 
それはともかく。
 
商品紹介として「これを毎日飲んでいたら悩みが消えました」とかいう感じで、痩せたとか体調が良くなったという話を「個人の感想です」というテロップと共に紹介されています。
でも実際に実感出来る事は少なく、問い合わせをしたとしても「あなたが悪い」「もっと続けなよ」という感じでけむに巻かれるという話を前回まででしてきました。
 
さて、健康食品はこんな感じで「効能・効果は表示できないが、ぼんやりとした個人の感想はOK」というよく分からないルールがあります。
効果・効能等について誇大な広告・勧誘をしている疑いがあると行政から指摘された場合、広告を行った事業者は合理的な根拠資料を提出することが求められます。資料が提出されない場合、または提出された資料が合理的な根拠に乏しい場合は、不当表示とみなされ、訂正広告や再発防止措置の立案(景品表示法違反)、または業務停止命令(特定商取引法違反)などの罰則が科せられます。
 
具体的な効用を表現しなくても、体験談や成功事例、権威者の推薦などで、表示全体として一般消費者に著しい優良性を認識されるような表現になっている場合も、誇大広告とみなされる恐れがあります。

 

という感じで罰則規定はあるのですが、法をすり抜けようという感じの業者は後を絶たず、少しでも他の類似商品との差別化を「広告によって」行おうという所は多いです。
それが誇大広告に繋がりやすくなるわけです。
消費者庁も動いていて、最近であれば「ガリガリの体型を約2カ月で克服した」というような記載をしたよく分からない商品が景品表示法違反で課徴金納付命令を受けています。
1年前くらいには「白髪を黒くする」というよく分からない健康食品が措置命令対象となりました。
このような感じであの手この手で商品を購入してもらおうとアプローチしてきます。
 
サイトの広告でよく見かけているのですが、ダイエット関連の健康食品を販売させるために、2人の女性の首から下の細くてバストも豊満なスタイルをしている姿を乗せて「韓国人に肥満の人がいない理由」といったタイトルを載せてクリックしてもらおうとしているものを見かけました。
それはいつの間にか「キャバ嬢に肥満の人がいない理由」に同じ画像の同じ会社の所が出していた広告ですが、文言が変わっていました。
 
この広告に一番言いたいのは、
「韓国人にも、キャバ嬢にも、肥満体の人はいますけど?」
という事ですね。
その腕や足がほっそい画像を載せてますけど、多くの人にとっては理想の姿なのかもしれませんが、私からみたら「栄養状態大丈夫?」「もっと太るか筋肉つけて太くた方が良くね?」と心配になってしまいます。
価値観の違いだと思いますが、ショービジネスで活躍したいという人にとっては耳寄りな情報に感じやすくなってしまうのかなと思います。
 
で、今回一番言いたいのは美容系・ダイエット系の話ではなく、流行しているウイルスについての話です。
これについてもあの手この手を使ってアプローチをしてきています。
 
詳細は上記の消費者庁のリンクを見てもらいたいのですが、「健康に良さそうなイメージの成分」をさもコロナウイルス対策・活動抑制に働くとよく分からない理由をつけて紹介している訳です。
声を大にして言いたいのですが、
 
「んなわけない」
 
という事なんです。
不安につけこんでの商品販売なので、平時だったら見向きもしない商品が「ウイルス」という言葉をつけるだけで購入されていくわけです。
効果が実感出来ないし、科学的にも証明されてないにもかかわらずです。
これによって、さらに「健康食品に対してのイメージや価値」が低下するのではないかと危惧しています。
 
そもそも「健康食品で手に入れる事が出来るのはフラシーボ効果程度」という認識しか私には無いです。
意識高い系のような存在になりたいのであれば摂取すれば良いと思います。
 
「こんなに高価で(イメージとして)良い食品を食べているのだから、私は身体に気を遣っていますよ」
 
これは偏見ですが、このような感じをアピールする人になりたいのであれば、利用すれば良いと思います。
ただ、その気持ちはいつまでも続かないと思うんですよね。
効果を実感出来ない(感じにくい)ですから。
 
そもそも「効果・効能を表示できない」商品が身体に大きな変化を与える事が出来る訳が無いんですよね。
そして、今の姿はこれまでの生活習慣が基になっている訳なので、その部分を変えない限りは大きな変化など起こる訳がないんですよね。
生活習慣を変えないまま何かを加えたとしても、健康食品程度で身体に変化を与える事は基本的には無理です。
せっかく身体に取り入れるのであれば、健康食品よりも医薬品の方がまだ効果を実感しやすいでしょうね。
副作用はありますけど。
 
そんな感じです。
 
興味をもって試してみるというのは否定はしないですが、多分実感出来ないですよ。
それだったらその分の予算を生活習慣・食習慣を変える方につかうのが良いと思います。
 
今回言いたかったのは「健康食品に依存し過ぎないようにした方が良い」という事と「不安に付け込まれて正常な判断を失わないようにしてね」という事です。
 
私は人を欺こうとしている企業が嫌いなので、健康食品に関してはその傾向も強い所が多いので厳しめの目で見ています。
全否定はしませんが、科学的によく分からないものが多すぎます。
皆さんも気を付けて下さいね。