糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

食物繊維が食後高血糖を抑えるのかという部分についての検証

前回からの続きで、食物繊維を摂取する事で健康になりやすいのか?食物繊維はヘルシーだから積極的に摂らないといけないのか?という話の続きです。
引き続きお伝えしますが、この内容をもって「野菜を食べなくてもいいぞ」と断言するつもりはありません。
ただ「野菜を食べたらヘルシーという根拠部分について、過剰に表現されているのではないか?」という所に対しての根拠部分を羅列しているものになります。(ここまでコピペ)
 
今回は「血糖値の上昇を遅らせる」という部分を掘り下げていきたいと思います。
前回は「食べ順で血糖値上昇が緩やかになる」という話に触れていきました。
食べ順を変えれば血糖値上昇ピークを1割程度低くする事が出来るという話です。
ただ、この検証が「最初にご飯のみを食べている」部分と「ご飯→おかず→サラダ」そのような食べ方をする状況は少ないという事と、「おかずやサラダの内容がわからない」という部分に違和感を感じます。
そして、この食べ方をしたとしても1割程度の減少しか得られないので、「結局上昇するからあんまり変わらない」という結論としました。
 
前置きが長くなりましたが「セカンドミール効果」についてです。
朝食で糖質が少なく食物繊維が豊富なメニューを選ぶと、食後高血糖が抑えられるだけでなく、昼食後でも血糖値を抑える効果があるという理論
 
食事の最初に野菜を食べると食後の血糖値が上がりにくくなるとされています。野菜を最初に食べ、次にたんぱく質が豊富な魚や肉、卵類、そして最後に炭水化物を摂るベジファースト(食べる順番ダイエット)なども、そうした効果を活用したものといえるでしょう。

1度の食事に対する考え方はそのとおりです。それに対して「セカンドミール効果」は、1回目の食事が2回目の食事(セカンドミール)にも影響を与えるという考え方です。セカンドミール効果は、1982年にカナダ・トロント大学ジェンキンス博士によって発表されました。1日のうちで最初に摂った食事が、2回目の食後血糖値にも影響を及ぼすという理論です
セカンドミール効果に関しては、まだ明らかになっていないことも多いのですが、最初の食事で血糖値やインスリン濃度の上昇を抑制すると、2回目の食事で摂取した後の反応も改善することが、世界中で数多く報告されています

 

という事のようです。
これは上記のジェンキンス博士が発表した素晴らしい内容のようです。
そもそも、この食べ順ダイエット(食べる順番療法?)に関しても提唱している博士で、GI値の考え方も生み出した人物です。
ただ、食べ順ダイエットに関しては色々な所で用いられやすいのですが、ほとんどのサイトではこの「セカンドミール」という内容に触れていないように感じます。
これ程効果的なら、何故浸透しないのでしょうか?
色々調べるんですけど、サイトによってまちまちに感じます。
 

1.白< 茶色い主食を選ぶ
2.野菜→タンパク質→主食
3.良質な油を摂る

 

食物繊維が豊富な野菜が無難だと考える方も少なくないでしょう。野菜は確かに1日の始まりに食べる食品としてふさわしいものですが、それだけでは次の食事、つまりセカンドミールの血糖値にまでは影響しないようです。
多くの機関が注目するようになったのが「大豆製品」です
朝食に大豆製品をいただくことで、大豆製品に含まれる大豆オリゴ糖などがインスリン分泌の乱れを少なくし、血糖値の上昇を抑制、その状態が食後3~4時間以上(おおむねランチの時間帯まで)続くと考えられているからです

 

1日の最初に発酵性の食物繊維を摂ることで、その食事だけではなく次の食事をとった後の血糖値の上昇を抑えることができるのです

 

という感じでただ単に「食物繊維」としている所と「大豆製品」とする所であったり「発酵性の食物繊維」と言ったりしています。
細分化しないといけないのか?食物繊維なら何でもいいのか?よく分からないですね。
 
一体どれが有効的なものなのでしょうか??
 
あと、このくくり方だと「大豆」と「野菜」は範囲が変わってきます。
べジファーストという話だと「野菜を最初に」という事なので細分化すると豆類は野菜に含まれないですが、含まれているのでしょうか?
その部分では誤解を招きやすい表現だと感じます
あとは「低GI値の食品」と表現している所もあります。
 
一言で言うと「低GI値の食品」ということになりますが、具体的には以下のようなものがお勧めです。
■水溶性食物繊維が多い野菜(きのこ類、海藻類、りんごなど)
■大豆製品(豆腐、納豆、味噌、大豆焼き菓子など)
■水溶性食物繊維が多い穀物類(大麦、もち麦、玄米など)
要は、一食の中の「食べる順番」を、一日の食事の中でも実践していく、ということですね。
ダイエットのみならず、生活習慣病で血糖値が気になる方なども、ぜひやってみて下さい

 

ちなみに低GI値の食品とするのであれば、
 

血糖値を上げにくい食品(低GI食)には、「肉・魚などのタンパク質」「乳製品」「デンプン質以外の野菜」などが挙げられます。 逆に高GIな食品の代表はというと「炭水化物」。ご飯やパン、麺類などの主食と呼ばれる食べ物です。

 

という事なのでこれだと「食物繊維」に限らない事になりますし、炭水化物という言い方をすると「糖質+食物繊維」なので「食物繊維」を否定するが肯定もしているような感じになってしまいます。
 
GI値の話に触れるとより長くなるのでここでは割愛します。
 
で、セカンドミール効果の実験の話になるのですが、グラフを見て欲しいのですが、なぜか「朝食・昼食・夕食の3食」「昼食・夕食のみ」「夕食のみ」という感じで条件が一定ではないような印象があります。
 
メインはカロリーに着目していて、糖質量には何も触れていないんですね。
そして後半のグラフに関しても、朝は食べずに昼夜は食べる物と3食食べているのとの比較の様に感じます。
なぜ「純粋に食物繊維が存在しているものとしていないものの比較」ではないか?不思議です。
散々「絶食後の食事は血糖値が上がりやすい」という論調をしているにもかかわらずです。
 
こんなデータをもとに「セカンドミールに有効」とか「食物繊維が血糖値を~」という感じで主張している根拠にしているのでしょうか?
それでいいのかなぁ?と感じてしまいます。
 
長くなってきましたのでここで抑えますが、もう少し続けて別の話をしていきます。