糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

砂糖がもたらすリフレッシュ効果について

リフレッシュという言葉の意味についてです。

「元気を回復させること。気分を一新すること。 「気分を-する」」

とあります。

 

ネットを覗いてみると、リフレッシュの方法として様々なものが挙げられています。

深呼吸
疲労回復
運動
旅・旅行
音楽
大声でシャウト
マッサージ(アロマテラピー・ツボ押し)
買い物
泣く
寝る
ぼやく
栄養のあるものを食べる(好きなものを好きなだけ食べる)

こんな感じでしょうか?


砂糖推進派である農畜産業振興機構では、このような主張をしています。

 

心身ともに満足させる効果がありますので、速やかにブドウ糖に変わる砂糖をうまく取り入れることで、効果をより発揮できるといえるでしょう。

 

一言で言えば、砂糖を摂れば、心にも体にも満足感を与えて、QOL(クオリティーオブライフ:生活の質)の向上にもつながるという事のようです。

「摂取する量と、摂る時間と、種類を考える事は必要ですけどね」というような、よくわからない注釈はあるのですが。


さて、前回までは、

・必須と呼ばれる糖質は無い
・糖質を摂取しなくても、例え空腹状態(絶食が数日以上続くような状態は除く)でも、脳に必要な血糖値は確保できる
・健康診断の数値にあてはめるのであれば、一回の食事で摂取出来る糖質量は10g程度
・薬物を利用したら簡単に低血糖になるが、日常生活では特殊な例を除いて簡単に低血糖状態にはならない
・脳はあくまでも中枢神経の一部に属し、配分割合は多めではあるが、脳だけに糖質が最優先で与えられるわけではない(?)。

というような話をしました。

前置きが長くなりましたが、その続きのリフレッシュに関しての話です。

 

疲れたときやイライラした時に甘いものが欲しくなるのは、脳が早急にエネルギーを必要としている場合が多いので、理にかなっているのです。
そのほか、ブドウ糖には精神安定に関わる効果もあります。
少量であっても甘いものをとるとなんとなく満足感や幸せな気分になりませんか?
これは、精神を安定させる神経物質であるセロトニンという物質を多く作り出すのに一役買っているからです。
セロトニンの材料となるのは、肉類や牛乳などに含まれているトリプトファンというアミノ酸
そのトリプトファンインスリンが血液中に分泌されているときに、脳内に取り込みやすくなりますので、砂糖や炭水化物をきちんと摂る必要があるのです。


と、推進派は、こんな感じの話を取り上げます。

皆さんも一度は聞いた事があると思います。

 

この文章には、気になる部分があります。

「疲れたときや「イライラした時」に甘いものが欲しくなる」

 

なぜ、イライラした時に甘い物が欲しくなるのでしょうか?

いや、

 

「なぜ疲れやイライラが、甘い物で改善(治まる?)するのでしょうか?」

 

推進派が言うように、「脳が早急にエネルギーを必要としている」のでしょうか?

ちなみに、イライラしたらアドレナリン等の働きで、血糖値は上昇するよう働きます。

特に経口摂取しなくてもいいと思いますが・・・。

 


これまでは推進派の話をしたので、反対派の話を取り上げます。

 

・糖は内臓脂肪となる
・糖は身体を糖尿病へとむしばんでいく
・糖は血管を収縮させる
・糖はコレステロールの乱れにつながる
・糖は「3型糖尿病」をもたらす
・砂糖は中毒になる
・糖はあなたを貪欲に(満腹中枢の乱れ)
・糖はあなたをエネルギーに飢えたゾンビにする(糖の急上昇と急降下は、糖をほしくなる気持ちを強めてしまう悪循環に)
・糖は笑顔を奪っていく(うつ病のリスクが約40%も上昇していたのです。インスリン抵抗性のある人の脳では、気分を高めるドーパミンの放出量を低下させてしまいました)
・糖は表情にもよくない影響(糖が多すぎると、たんぱく質の線維は乾いて、もろくなり、肌にシワやたるみを作ります。)

 

こんな感じでしょうか?

当然ですが、推進派とは、まったく異なる主張です

 

次回に続けます。

反対派の主張を掘り下げていきます。