糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

炭水化物抜きダイエットで命の危機という個人的な感想について

前回の続きです。
前回は江部先生の話を引用していきましたが、別の視点から話をしたいと思います。
他にもこの放送に否定的な考えを持つ人のブログを見つけたので、それに触れていきます。
この中でも触れていますが、検証データといいますか、研究データが紹介されていましたね。
私はその番組を観てないので知りませんでしたが、データの内容が薄い検証ですね。
一部を抜粋しますが、25年間で全部で5回に渡って対象を訪問(5年に一度)し、生活状態の把握と毎年の生存確認をしたもの
これで、かなり念入りなコホート研究としているのですが、本当に念入りと言えるか、甚だ疑問ですね。
コホート研究(コホートけんきゅう、英語: cohort study)とは分析疫学における手法の1つであり、特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究である。
要因対照研究(factor-control study)とも呼ばれる。
ある基盤(地域、職業など)を元に行なう研究では実験的な介入は行なわない。
主に一回の調査を行なう「横断研究」と、二回以上にわたり調査を行なう「縦断研究」があり、後者の中で特に最初の調査の対象者集団をコホートと呼ぶ。
コホート研究はこの集団を前向きに追跡しているので、曝露から疾病発生までの過程を時間を追って観察することができる。
したがって、疾病の自然史を調べることができる、観察の時間的な順序や論理の流れが実験に近い、複数の疾病についての調査が可能である(特定の曝露の広範な健康影響を調べることができる)、という利点がある一方で、対象としている疾病の発生が稀である場合には、大規模なコホートを長期間追跡する必要があり、時間とコストがかかるという欠点がある。

ja.wikipedia.org

しかも自己申告のため、過小評価や過大評価を申告者が行う事を視野に入れていないものです。
 
私が行っているダイエットサービスでも、必ず食べるものを写真に毎回取るように案内をしています。
そして、日々の体重変化も当然報告です。
それをチェックしないと、効率良く結果に繋がらない場合があるわけです。
これは人間が「少しでも良く見せたい」と、もともと持っているものなので、仕方がないです。
このシステムを使ってもごまかす人はごまかします(笑)。
ただ、メインの食事はおさえているので、よほどの事が無ければ流しています。
そこまでガチガチに管理しようとした所で、大勢に影響しないですし、楽しく出来ないですからね。
 
ホントは20%しか食べてないとするグループも、それ以外の時は50%を食べているかもしれないですし、50%を摂っているとしても70%食べていたりもするわけです。
対象者の体重変化も管理していない訳で、非常に信憑性の低いものであります。
 
だから何?というようなデータでしかないです。
 
このサイトでも語られていますが、

糖質を摂っていないのにケトフルの症状が出る
ケトン臭が出るほどにカロリー不足に陥っている
糖質を摂っていないのに高脂血症になる

 

という3点も含めて、糖質制限を行っていれば起こりにくいものとなります。
前回も紹介しましたが、基本的に糖質制限を行なうと中性脂肪は減少し、基準値内に収まります。
にも拘らず増えているという事は、糖質制限のような内容の食事を行ってなかったとしか考えられない結果になります。
 
少し前の話ですが、「おやじダイエット部の奇跡」で有名になった故桐山氏ですが、晩年は糖質制限を実施せず、心不全で亡くなられました。
で、メディアは関連付けて糖質制限は悪いものだとはやし立てるのですが、ただの印象操作でしかありません。
実践し続けていれば、もっと異なった結果になったかもしれません。
この女性医師も、数字結果が「糖質制限を止めました」と顕著に出ている事に気付かないのでしょうか?
前回も話しましたが、食事データがまるで出てこないため、個人の感想でしかありません。
このようなケースを、わざわざテレビで放送するので困ったものです。
そんな程度の検証レベルで公平性が保たれないといけないテレビで放送できるのであれば、ぜひ、このブログを取り上げて欲しいものです。
よっぽど多くの人の健康に貢献出来ますから。
 
これまでにも話してきましたが、信憑性を高めるためには、データが必要です。
そういったデータがないものが、印象操作で広められているのが、非常に残念です。
最新の研究で分かったというのは、何のデータなのでしょうか?
それは2018年時点のものなのでしょうか?2019年時点のものなのでしょうか??
「分かってきた」とか「最新の研究結果」とか簡単にテレビで流れていますが、そのデータ引用元を紹介している事は、ほぼ無いです。
私自身も、そういった部分を大事にしながら話をしていきたいなと改めて思いました。
 
以上です。