糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

同じエネルギーなのに、全く触れられない「脂質」

砂糖推進派の人たちの理論として、「即効性のあるエネルギー」だから、空腹(飢餓)状態から健全な状態に速やかに変えてくれるという様な話をしています。

 

そもそもエネルギーで、即効性の必要な状態とは、どいういう時なのでしょうか?

 

アスリートは分かります。

ボディメイクのためにというのも、理解はできます。

ですが、運動を特に必要としない日常生活を送るうえで、「即効性」を求めるような時というのは、あるのでしょうか?


少し話は変わりますが、3大栄養素として、脂質・たんぱく質・炭水化物という表記がされます。

それぞれに対し一言が添えられている事もあるのですが、あるサイトでは、

たんぱく質:筋肉などの身体を作る材料、ホルモンや酵素の原料
炭水化物:身体のエネルギー源
脂質:身体のエネルギー源(長時間の運動)

とありました。

別のサイトでは、

たんぱく質:血や肉を作る栄養素
炭水化物:人間が生きていくための主なエネルギー源
脂質:細胞の膜やホルモンの材料になる。非常用のエネルギーでもある


と、サイトによりまちまちな表記が、何故かされています。

で、炭水化物、「糖質」の事ですが、「人間が生きていくため」の身体のエネルギー源という表記がされています。

 

間違いではないと思います。

 

これまでの歴史で、米や小麦といった穀物が、人間の寿命を延命する事に貢献してきたのを知っていますから。

 

ですが・・・。

 

なぜ、「人間に必要な」という強調をつけるのか?が意味が分からないです。

ただ単に、現状で摂取割合・頻度が多いという事だけであるのに、「人間に必要な」という言葉をつけるのでしょうか?

 

エネルギーは、エネルギーです。

 

同様に脂質もエネルギーの役割をします。

むしろ、少量で効率の良いエネルギ-なので、脂質の方が優秀です。

しかも、必須という言葉があるように、脂質・たんぱく質は絶対に必要ですが、糖質にはありません。

にもかかわらず、なぜ、「人間に必要な」「人間がいきていくために」というような、生命の存亡をにおわせるような言葉を使うのでしょうか?

 

また、脂質に対しても、「非常用」のエネルギーといった言葉を使うのは何故でしょうか?

 

脂質を摂取すると、効率の良いエネルギーにもなるし、細胞膜・ホルモン・コレステロール・胆汁酸等々、生命を維持するためにも必要なものを供給する事が出来ます。

 

ですが、糖質は「単に血糖値を上げるだけ」です。

 

高血糖状態が続けば続くほど、身体に炎症作用をもたらし、精神的にも肉体的にもダメージを与え続けていきます。

そんなものが、「人間が生きていくため」のエネルギーと言えるのでしょうか?

どちらかと言えば、「非常用」なのは、糖質の方だと感じて仕方が無いのですが、どうなのでしょうか?

穀物は年単位で保管も出来るし、安価で大量に作れるし。

必要な脂質を摂取出来ない時に、災害時とかで糖質を摂取する方が、人間としては自然な姿では無いのでしょうか?

デメリットはあるが、エネルギー確保の手段として摂取せざるを得ないという事です。

糖質は、生命維持としては有効であるという感じです。


というような事を考えてしまいますが、皆さんは、どのように感じるでしょうか?


これまでにずっと砂糖(糖質)についての話をしてきましたが、書けば書くほど、どうしても砂糖にメリットを感じる事がほとんど出来なくなってしまいます。


今回は、ここまで。

 

糖質摂取の「適量」とは、どれくらいの量なのか?

それでは、反対派の意見を取り入れながら、推進派の主張を見直したいと思います。


砂糖は、重要なエネルギー源であり、心身ともに満足感を与えてくれるだけでなく、料理の味付け、嗜好品に使われており、私たちの食習慣を豊かにする重要な食材の一つです。
ところが、何時のころからか「糖尿病の原因になるから」、「砂糖を摂ると太る」といった誤った情報が氾濫し、やみくもに砂糖を控える風潮になってきたようです。
確かに、どのような食品でも摂り方を誤れば、健康に好影響を与えるはずはありません。
砂糖も然りです。
それゆえ、砂糖はもちろんのこと、砂糖を含めた糖質の正しい知識と上手な摂り方を知り、身も心も健康的な生活を送れるようにしたいものです。


基本的に、砂糖推進派(砂糖だけではないですが)基本情報から目を背けようとする時は、数値によるデータや不都合な事実を述べないようにします。
書いてあったとしても、「でも、〇〇というメリットがありますよ」という様な感じで、「大きなリターンがあるから、小さいリスクは気にするな」と言いたげな理論展開をします。

 

大前提ですが、砂糖(糖質)は、糖尿病の原因になりえますし、太る(体重増)原因になります。

これは、誤った情報ではなく事実です。
何でもそうですが、糖質摂取で、リスクは多少にかかわらず必ず生まれます。


次に、糖質摂取は、一日にどれくらいにすればいいのか?という話です。


“ショ糖は等カロリーのでんぷんに比べ血糖をより上昇させることはないので、糖尿病患者にショ糖やショ糖を含む食品を制限する必要はない”といったものでした。
しかし、余分に摂ることは栄養状態のアンバランスになりますが、1日50g程度なら問題が無いわけです。
これはちょうど、和菓子1つ分程度と調味料に使う程度の量に相当します。
すなわち、ショ糖とでんぷんは、血糖値への影響が変わらないので総量を制限する必要はあるが、区別してはいけないという提唱でした。
このことは欧州も同じで、“糖尿病の患者さんに砂糖がいけないなどというあなたは栄養士ではない!”などといった栄養教育を行う側の理解不足を戒める提唱をしています。


「砂糖の1日50gの摂取」というのは、WHOの発表に準じているのだと思われます。


世界保健機関(WHO)は4日、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針を発表した。平均的な成人で25グラム(ティースプーン6杯分)程度。
従来は10%までと推奨していたが、各種の研究結果から基準を引き下げた。
WHOが摂取量の制限を推奨するのは、糖類のうち単糖類と2糖類のショ糖(砂糖)に限る。
主に加工食品や清涼飲料に加えられる砂糖のほか、蜂蜜や果汁飲料などに含まれる。
未加工の青果類や牛乳に含まれる糖分は対象外だ。
新指針では引き続き「10%までを推奨する」としつつも、「5%より低ければ、さらに健康増進効果を得られる」と追加した。

 

普段の食生活の中で、砂糖(単糖類・2糖類のショ糖限定)摂取が、1日50g以下で、さらに低ければ低いほど、健康増進に繋がるという訳です。

普段、高糖質の食事だとしても、低糖質の食事だとしても、追加で摂取する砂糖は50グラム以下/日という事のようです。

よくわからない基準です。

糖質の一日摂取量ではなく、砂糖の摂取を50g以下なら健康に繋がるよという事のようです。

基準がめちゃくちゃです。

これでは、個人差の幅が大きくなって、検証のしようもありませんね。


また、前回までに書きましたが、脳への影響についてです。

 


砂糖は、セロトニンの作用に関係している。
セロトニンは、精神的安定をもたらす神経伝達物質だが、学習能力、記憶能力の向上効果も報告されている。
セロトニンは、脳において必須アミノ酸の一つであるトリプトファンから合成されるが、脳内にトリプトファンが取り込まれる際、ブドウ糖が存在することで、他のアミノ酸より優先的に取り込むことができる。
夜遅くまでの勉強や仕事で疲れた脳のリラックスには、トリプトファンを含む卵や牛乳を使った砂糖入りのホットミルクや、ミルクゼリー、プリンがお勧めである。


不思議な文章です。
セロトニンは、たんぱく質であるトリプトファンから合成されます。
それにより、学習能力・記憶能力の向上に繋がります。
それは良いのですが、
ブドウ糖が存在する事で、他のアミノ酸よりも優先的に取り込む」
事になります。

 

糖質は即効性があるのは知られています。
恐らく、脳へも同じように取り込まれると思います。
そうなると、せっかく学習能力を高めるものがあるにもかかわらず、「優先的に」糖質が取り込まれる事になります。
それは、逆に学習効率を上げるための妨げになっているのではないでしょうか??
それなら、糖質を摂らずに、たんぱく質だけを取り入れた方が、効率が上がるとも言えるのではないでしょうか?

また、糖質たっぷりの食材を「お勧め」としています。

ですが、糖質を摂取する事で、血糖値が上昇します。

それにより血糖値の下降も引き起こし、イライラや不安感、空腹感といった、集中力を乱すような感情・感覚も、食後の強い眠気も生まれます。

糖質を摂取する事で、ダブルで学習効率を低下させているのではないでしょうか?

 

おわりに
近年、砂糖に代わる甘味料が生産、販売されているが、砂糖は、調理性に優れ、また、栄養学的にも重要な食品である。
日本には、和三盆など伝統的な砂糖もあり、食文化的にも意義のある食品である。
砂糖を大量に摂取するのは良くないが、食生活に上手く取り入れることで、心豊かな日々を過ごしたいものである。

 


最後のまとめなので、凄くもっともらしく書いてあります。

確かに、日本の文化は、「米」を中心に栄えてきました。
食文化でも、「いかに米を美味しく食べるか?」に特化したような進化を続けています。
私自身は、この文化を肯定的に捉えてますし、育まれていけば良いと思っています。

 

私が嫌悪感を感じるのは、「事実をベースとして、自分の都合の良い事を捻じ曲げてまでも、自分の利益を優先して相手に押し付けようとする姿」です。
それが相手の不利益につながるのであれば、なおさらです。

 

砂糖の大量摂取はいけないといいますが、WHOでの基準でも、1日50gが目安で、少なければ少ないほどいいとされています。
その話はどこに行ったのでしょうか?

普段の料理に使うだけで、簡単にこの量は超えてしまうのではないでしょうか?

それに加えて、「心の栄養」という、根拠が良くわからない言葉を用いて、

 

「たまにお菓子を食べても、影響はないですよ」
「ケーキよりも、和菓子を食べましょう」
「小豆のような食物繊維と砂糖を一緒に摂る事で、血糖値の上昇を緩やかにしますよ」

と言われても、困ります。

 

砂糖は砂糖です。

 

緩やかだろうが何だろうが、砂糖摂取で、必ず血糖値を上昇させます。

その事実には、出来るだけ触れようとしない形で、砂糖のメリットを強調する文章になっています。


少し長くなってきたので、ここまでにします。

続きます。

 

糖質(砂糖)の依存症について、もう少し詳しく

前回の続きで、糖質(砂糖と言わず、以下、糖質に置き換えます)がもつ依存性についてです。

 

糖質もたんぱく質も、摂取する事で体内のドーパミンを増加させる事は出来ます。

ですが、糖質には強い依存性(依存症)が伴うという事が分かっています。

 

その違いは何かと考えてみましたが、厳密に言うと違うのだろうと思いますが、イメージとして

たんぱく質は、材料を与えて作り出すもの」

「糖質は、あるものから引き出すもの」

の違いでは無いかと考えます。

 

以前までに書いてきましたが、たんぱく質には多くの必須アミノ酸を含んでいます。

体内では作る事が出来ないため、「必須」の文字が付いているのですが、ドーパミンを作り出すためにチロシンが必要ですが、そのチロシンの材料となるのが、必須アミノ酸である「フェニルアラニン」です。

 

何度も言いますが、これらはアミノ酸であり、たんぱく質です。

たんぱく質を多く摂取する事で、必要な量のドーパミンを作り出す事が出来ます。

 

ですが、糖質は少し異なります。

糖質を摂取すると、「脳内報酬系」を刺激していきます。


脳内報酬系は、人や動物の脳において欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快感の感覚を与える神経系です。

脳の腹側被蓋野から側坐核および前頭前野などに投射されているA10神経系(中脳皮質ドーパミン作動性神経系)と呼ばれる神経系が脳の快楽を誘導する「脳内報酬系」の経路として知られています。


ラットの実験で、この神経系に電極を埋め込んで電気刺激をするとラットは盛んにレバーを押して電気刺激を求めたことから、この神経系が活性化すると快感を感じることが発見されました。
A10神経系で主要な役割を果たす神経伝達物質ドーパミンです。ドーパミンアミノ酸チロシンから作られるアミンの一種で、人間の脳機能を活発化させ、快感を作り出し、意欲的な活動を作り出す神経伝達物質です。
A10神経系が刺激されると、ドーパミンが放出され、脳内に心地良い感情が生ずると考えられています。
このシステムは、正常な快感とともに、麻薬や覚せい剤のような薬物による快感や、そのような薬物への依存の形成にも関わることが知られています。
脳内報酬系においてドーパミン放出を促進し快感を生じると、それが条件付け刺激になって依存症や中毒という状態になります。
コカインのような覚せい剤モルヒネなどの麻薬のように依存性をもつ物質は、ドーパミン神経系(脳内報酬系)を賦活します。


このような依存性のある薬物は連用すると、同じ量を摂取しても快感の度合いが次第に小さくなります。
そのため、快感を得るためにさらに摂取量を増やすようになります。
さらに、その薬物が入ってこなくなると、ドーパミン神経系が低下し、不安症状やイライラ感などの不快な気分が生じます。
これが禁断症状(離脱症状)です。
このように、脳内報酬系を活性化して依存性になる薬物では、次第に摂取量が増えることや離脱症状の存在、その薬物の摂取を渇望することなどが特徴です。

 

糖質も甘味も薬物依存と同じ作用をすることが動物実験などで明らかになっています。
快感を求めて甘味や糖質の摂取を求め、次第に摂取量が増え、摂取しないとイライラなどの禁断症状が出てきます。
ラットの実験で、コカインよりも甘味の方がより脳内報酬系を刺激するという結果が報告されています。つまり、甘味はコカインよりも中毒(依存性)になりやすいという実験結果です。
砂糖の多い食品や飲料の過剰摂取は甘味による快感によって引き起こされ、これは薬物依存との共通性が指摘されています。
そこで、甘味による依存性(甘味中毒)と薬物に対する依存性(薬物中毒)のどちらが強いかを比較する目的で実験が行われています。


といった感じのものを抜粋しておきます。

 

簡単に言うと、

・糖質を摂り続けると、「快感」のような「脳内報酬系」が活発になる
・同じ量を摂っていると、だんだん「快感」を得られにくくなる
・より多くの糖質を摂る様な要求が強くなる
・その要求は、コカイン(薬物)よりも強いものになる

これが繰り返され、糖質摂取が止められなくなる「依存症」へとつながるという事です。

 

この作用は、たんぱく質の時と違って、現状から「ドーパミン」を引き出すからであると考えています。

たんぱく質は、現状にドーパミンを生み出すのに必要な材料を与える事で、その過剰分(プラス)が多くなるほど快感を引き出すように作用します。

その過剰分が無くなると、通常の状態に戻るという事です。

 

ですが、糖質は、現状から強引にドーパミンを引き出します。

そのため、現状から不足状態(マイナス)になっていきます。

それをしっかりと補って現状に持っていければまだ良いと思いますが、糖質を日常的に摂取するとします。

すると、現状(正常な状態)から不足状態が続き、さらに引き出されるように働くと、枯渇していきます。

その枯渇した状態からさらに引き出そうとするため、今まで以上の糖質を摂取して快楽を得ようとします。

それが繰り返され、「日常 → 常習 → 依存(中毒)」へと繋がっていくわけです。

 

この作用は、依存症と言われるものに見られる作用の順番であると考えています。

経口摂取による依存症には、例えば酒(アルコール中毒)、タバコ(ニコチン中毒)、コーヒー(カフェイン中毒)、薬物中毒、少し色が変わりますが、鉛中毒・重金属中毒といったものがあります。


その変化の速さが、「糖質はコカインよりも早い(強い)」という研究結果として発表されています。


そのため反対派は、糖質の過剰摂取は良くないと警鐘を鳴らしている訳です。


続きます。

 

砂糖依存症という言葉について

前回、「なぜ疲れやイライラが、甘い物で改善するのでしょうか?」という疑問を投げかけてみましたが、それについての所感を記したいと思います。

 

砂糖反対派の話を取り上げます。

常に甘いものがそばにないと落ち着かず、疲れたりストレスを感じたりすると甘いものが欲しくなることはありませんか?
「甘いものを手放せない!」というあなたは「砂糖依存症」かもしれません。
毎日のようについ口にする「砂糖」には、依存性があり、うつ病骨粗しょう症などといった、様々な恐ろしい状態を引き起こす原因になりえるのです。

糖の中でも砂糖は分子が小さいために体内でブドウ糖に分解されやすく、特に空腹時に砂糖を摂取すると血糖値が急激に上昇します。
その結果、血糖値を下げる働きを持つインスリンが一度に大量に分泌されて血糖値が急低下し、「低血糖」状態を引き起こします。
そして、体内が「低血糖」状態になると、脳がエネルギー不足で「空腹だ」と勘違いし、「甘いもの(糖分)を摂取して血糖値を上げろ」と信号を出してしまうのです。
このため、砂糖を摂取した後、空腹でないにも関わらず繰り返し砂糖を欲するようになります。

砂糖を摂取すると脳の中でドーパミンセロトニンノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質が分泌されます。
これらはそれ自体、もちろん危険な物ではないのですが、人に幸福感や癒やしを与える麻薬のような性質を持っています。
身体が疲れたときや、ストレスを感じるたびに甘いものを食べて幸福感や癒しを得るようになると、この快感がクセになり、やがては中毒のように「砂糖を取ること=幸せになる」と無意識に脳が感じるようになってしまいます。
快感を得るために砂糖を摂る、この状態に陥るのが砂糖依存症です。

 


皆さんは、このような話を聞いた事があるでしょうか?

私は、砂糖(糖質)に対して、上記文章に近いイメージを持っています。

 

ここでの「低血糖」というのは、急激に血糖値が上昇し、普段が110mg/dlだとして、例えば糖質を多く摂取して200mg/dl前後まで上昇するとします。
その後、正常値である110mg/dlまで低下すると、その差は90mg/dl。
血糖値の落差による低血糖という意味で、本来の低血糖の意味である70mg/dlを下回るような数値ではないという事を注釈しておきます。(そういう意味で捉えていた方が、誤解が少ないと思います。)

 

上記されているように、砂糖には「幸福感や癒し」を与える力があります。

これにより推進派は、イライラが改善するという事を言いたいと思います。

 

食べ物の中には、セロトニンを産みだすのに必要なトリプトファンを多く含むものがあります。

トリプトファンは、アミノ酸たんぱく質)です。

ヒレ肉、鶏胸肉、牛モモ肉部分に多く含まれています。

肉を食べると、幸せな気分になりませんか?

それにはこういった理由があります。

そして魚類・鶏卵・チーズ・大豆製品が続きます。


ここで注目したい部分があります。

砂糖を摂取しても、肉・魚・チーズ・大豆といったたんぱく質を摂取しても、セロトニンドーパミンが生まれます。
ドーパミンはやる気や快楽を、セロトニンは精神の安定や安らぎを与えてくれます。

ですが、砂糖には依存症と呼ばれるような言い方をされますが、たんぱく質をとっても依存症だと主張するサイトは、見た事がありません。

砂糖が大好きで、毎日食べているというのと、肉が大好きで、毎日食べているというのは、何が違うのでしょうか?


「血糖値の大きな変動」です。

 

砂糖のような糖質は、血糖値を上昇させます(糖質1gあたり、3mg/dl上昇)。
よく例に出される「角砂糖」ですが、だいたい一個3~4gです。
これだけで、血糖値が10mg/dl前後上昇します。

 

例として、パウンドケーキを挙げます。
レシピを見ると、
マーガリン 100g
白砂糖 100g
薄力粉100g
ペーキングパウダー小さじ1
卵2個
バニラエッセンス 4滴

白砂糖100gで、糖質量99.2g
薄力粉100gで、糖質量73.4g

と、これだけで172.6gの糖質量となります。

一人で全部を一気に食べる訳ではないので(そういう人もいるかもしれませんが)、単純には計算できませんが、10等分したら、約17g、8等分でも、約21gの糖質を摂取する事になります。
その分血糖値が上昇するため、低下させるためにもインスリンが分泌されてしまいます。

 

それでは、肉はどうでしょうか?

肉・鶏卵には、糖質は、ほぼ含まれていません。

100gあたり、糖質量が0.5gを超えるものは、ほぼ無いです。

牛乳には、糖質が5g程度、大豆は水煮状態で、糖質が1g程度でしょうか?(100gあたりの含有量)

そのため、肉・鶏卵、魚もですが、それだけを食べても、この糖質含有量では血糖値がほぼ上昇しません。

血糖値を下げるために必要なインスリンも(ほぼ)分泌されないです。

ここに違いがあります。

血糖値の大きな変動や、インスリンが多く分泌する事で、かなりの影響を身体に与えてしまいます。


長くなってきたので、今回はここまで。

 

次回は、血糖値の変動がもたらす常習性・依存性についての話になると思います。

 多分。

砂糖がもたらすリフレッシュ効果について

リフレッシュという言葉の意味についてです。

「元気を回復させること。気分を一新すること。 「気分を-する」」

とあります。

 

ネットを覗いてみると、リフレッシュの方法として様々なものが挙げられています。

深呼吸
疲労回復
運動
旅・旅行
音楽
大声でシャウト
マッサージ(アロマテラピー・ツボ押し)
買い物
泣く
寝る
ぼやく
栄養のあるものを食べる(好きなものを好きなだけ食べる)

こんな感じでしょうか?


砂糖推進派である農畜産業振興機構では、このような主張をしています。

 

心身ともに満足させる効果がありますので、速やかにブドウ糖に変わる砂糖をうまく取り入れることで、効果をより発揮できるといえるでしょう。

 

一言で言えば、砂糖を摂れば、心にも体にも満足感を与えて、QOL(クオリティーオブライフ:生活の質)の向上にもつながるという事のようです。

「摂取する量と、摂る時間と、種類を考える事は必要ですけどね」というような、よくわからない注釈はあるのですが。


さて、前回までは、

・必須と呼ばれる糖質は無い
・糖質を摂取しなくても、例え空腹状態(絶食が数日以上続くような状態は除く)でも、脳に必要な血糖値は確保できる
・健康診断の数値にあてはめるのであれば、一回の食事で摂取出来る糖質量は10g程度
・薬物を利用したら簡単に低血糖になるが、日常生活では特殊な例を除いて簡単に低血糖状態にはならない
・脳はあくまでも中枢神経の一部に属し、配分割合は多めではあるが、脳だけに糖質が最優先で与えられるわけではない(?)。

というような話をしました。

前置きが長くなりましたが、その続きのリフレッシュに関しての話です。

 

疲れたときやイライラした時に甘いものが欲しくなるのは、脳が早急にエネルギーを必要としている場合が多いので、理にかなっているのです。
そのほか、ブドウ糖には精神安定に関わる効果もあります。
少量であっても甘いものをとるとなんとなく満足感や幸せな気分になりませんか?
これは、精神を安定させる神経物質であるセロトニンという物質を多く作り出すのに一役買っているからです。
セロトニンの材料となるのは、肉類や牛乳などに含まれているトリプトファンというアミノ酸
そのトリプトファンインスリンが血液中に分泌されているときに、脳内に取り込みやすくなりますので、砂糖や炭水化物をきちんと摂る必要があるのです。


と、推進派は、こんな感じの話を取り上げます。

皆さんも一度は聞いた事があると思います。

 

この文章には、気になる部分があります。

「疲れたときや「イライラした時」に甘いものが欲しくなる」

 

なぜ、イライラした時に甘い物が欲しくなるのでしょうか?

いや、

 

「なぜ疲れやイライラが、甘い物で改善(治まる?)するのでしょうか?」

 

推進派が言うように、「脳が早急にエネルギーを必要としている」のでしょうか?

ちなみに、イライラしたらアドレナリン等の働きで、血糖値は上昇するよう働きます。

特に経口摂取しなくてもいいと思いますが・・・。

 


これまでは推進派の話をしたので、反対派の話を取り上げます。

 

・糖は内臓脂肪となる
・糖は身体を糖尿病へとむしばんでいく
・糖は血管を収縮させる
・糖はコレステロールの乱れにつながる
・糖は「3型糖尿病」をもたらす
・砂糖は中毒になる
・糖はあなたを貪欲に(満腹中枢の乱れ)
・糖はあなたをエネルギーに飢えたゾンビにする(糖の急上昇と急降下は、糖をほしくなる気持ちを強めてしまう悪循環に)
・糖は笑顔を奪っていく(うつ病のリスクが約40%も上昇していたのです。インスリン抵抗性のある人の脳では、気分を高めるドーパミンの放出量を低下させてしまいました)
・糖は表情にもよくない影響(糖が多すぎると、たんぱく質の線維は乾いて、もろくなり、肌にシワやたるみを作ります。)

 

こんな感じでしょうか?

当然ですが、推進派とは、まったく異なる主張です

 

次回に続けます。

反対派の主張を掘り下げていきます。

 

甘い物は、健康を維持するために必要なものなのか?

今回は、少し意見をまとめたいと思います。

 

長々と書いてきていますが、糖質が良いですよと主張しているサイトは色々ありますが、少し矛盾というか、数値データを用いずに「都合の良いイメージ」を多用して文章を構築しているのが多々存在しています。

色々見た中で、

「糖質はエネルギーとなり、人間にとても大事なものですよ~」

と主張している所ほど、数値データが存在しないように見受けられます。

前回も書きましたが、血糖値の話を交えて、話しをしていきます。

 

脳は、安静にしていても1日120g、1時間に5gものブドウ糖を消費する、驚くべき大食いの臓器です。
しかも、少量しかブドウ糖を蓄積することができないので、常にエネルギーを補給しなければなりません。
脳が消費するエネルギーを安定して供給するには、全身の血中ブドウ糖濃度を血液1dl当たり約100mgに保つ必要があります。

空腹時血糖の正常値は110mg/dl未満。
これが110~125mg/dlだと糖尿病予備軍、126mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。

そして、血糖値の測定のもう一種類として

食事を摂ったあとに測る「食後血糖値」です。
これの正常値は140mg/dl未満で、140~199mg/dlだと糖尿病予備軍、200mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。

  

まず、「全身の血中ブドウ糖濃度を血液1dl当たり約100mgに保つ必要があります。」という部分についてです。

 

話は少し飛びますが、皆さんは健康診断の時、前日の夜から何も食べないで水だけで検査を受けると思います。

その時に採血も行ない、血液検査から血糖値を測定し、「少し、糖尿の気があるね~」とか言われたりもします。

皆さんは、血糖値はどれくらいだったでしょうか?

空腹時血糖の正常値は110mg/dl未満。
これが110~125mg/dlだと糖尿病予備軍、126mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。

 

空腹時の血糖値の正常値は、「110mg/dl未満」です。

これは、絶食(?)に近い状態です。

絶食をしていたとしても、空腹の状態でも、血糖値は健康(正常)であれば、「脳が消費するエネルギーを安定して供給されるのに必要な」約100mg未満に保たれているという事になります。

人間の身体は、一定の血糖値を維持する仕組みが備わっているので、そう簡単には低血糖状態にはなりません。

 

そして、食後血糖値についてです。

「正常値は140mg/dl未満で、140~199mg/dlだと糖尿病予備軍、200mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。」

食後血糖値で、140mg/dl未満が正常値とありますが、例として、140mg/dlになったとします。

そうすると、脳にとっては、40mg/dl分が、不必要なものとなるのではないかと感じます。

理由は以前に引用した


食べた糖質が脳に作用してくれるのはほんの一部で、食べたチョコレートが全部脳で利用されることはないからです。
今後、健康に大変重要な糖代謝をコラムで説明する予定ですが、甘いものばかり接種するとこの糖代謝を悪くしてしまいます。


という所とか、他にも多々あります。

ここまでのまとめですが、


治療や血糖値を下げるような医薬品の服用をしておらず、健康な状態が前提で話を進めますが、

・血糖値は、空腹時の状態でも、脳に必要な血糖値は維持できている。

・満腹時でも、血糖値の正常値は「正常値は140mg/dl未満」であるため、糖質を意識的にとらなくても良い。

・十分に脳が消費するエネルギーを人体は供給できる。

 

ちなみに、血糖値を100mg/dlから140mg/dlへと上昇させるのに必要な糖質量は、体重65㎏の成人男性(健康な人)で、約13gであり、ご飯(米飯)で例えるなら、約30~40g程度です。(目安として糖質1gあたり、血糖値を3mg/dl上昇させるという計算で、大丈夫です)

ご飯を例に出しましたが、おかずにも大量の糖質が含まれている場合もあります。

根菜類・練り物、調味料としての甘味成分(砂糖・みりん・料理酒等)、果実類。

それを米飯と共に摂取すると、簡単に正常値をオーバーします。

普段の食事の中で、これだけ血糖値を上昇させるものがあるのに、これに加えて「甘いもの」を食べようものなら、簡単に「糖質摂取過剰状態」になってしまいます。

上白糖1gで糖質量は約1gです。
それだけで血糖値を3上昇させます。
間食として「甘いもの」を摂取したいというのであれば、10g程度の砂糖でも十分すぎる量だと思います。


余程の絶食中(数日とか数週間とか)を行なわざるを得ない状況でない限り、人間の身体に「飢餓状態」は起こりません。
朝飯や昼飯を一食抜いたところで、「飢えて死んでしまう・・・」という事にはなりません。
(そのように思い込む人はいるかもしれませんが、身体にとって大きな危機を与えません)

それで簡単に「生命の危機」となるのであれば、ファスティングダイエット自体が成り立ちませんから。

 


これくらいにしておきます。

 

次回は、砂糖摂取による「リフレッシュ効果」というものについてです。

甘い物を食べると、本当に疲労が回復するのか?

前回からの続きです。

皆さんは、疲れた時に甘い物が食べたくなりますか?

 

仕事やスポーツで疲れると甘いものが欲しくなります。
これは私たちの体が不足したものを早く取り戻そうとする自然な欲求です。
体が疲労した状態ではエネルギーを消耗しすぎて、肝臓に蓄積されていたグリコーゲンが底をつき、血液に糖分を補給できなくなり、血液中の糖濃度(血糖値)が著しく低下します。
私たちの体は血液中の糖、脂肪酸をエネルギー源としているため、血糖値が低下するとエネルギーの補給が出来なくなり、動くこともできない疲労状態となります。
通常、脳はブドウ糖だけをエネルギーとしていますので、血糖値の低下は思考力、集中力の低下につながります。
私たちの体はこのような疲労状態から早く回復するために、甘いものを自然の欲求として求めます。
他の一般の食品でもエネルギーの補給は出来ますが、一般の食品は摂取されてから体内に吸収されエネルギーに変換されるまでに時間がかかります。それに比べると、お砂糖は摂取するとすぐにブドウ糖と果糖に分解され、ブドウ糖は血液に入り、数分の内に血糖値を回復させ、疲労が回復します。


と、製糖工業会という、砂糖メーカーが主張しています。

また、

・疲れたときの特効薬
疲れた時、甘いものが欲しくなる時はありませんか?それは脳からの「甘いものを食べたい」という指令です。
疲労というのは、エネルギーを消費しすぎて、肝臓に貯蔵していたグリコーゲンが底をつき血液に糖分を補給できなくなり、血糖値が著しく下がった状態です。
ひどい疲れをなおすには、まず血糖値を正常に戻す必要があります。
ところが、一般の食品では食べてから血糖値が上がるまでに時間がかかります。

砂糖なら消化吸収が早く、素早くブドウ糖と果糖となり血液中に取り込まれます。
取り込まれたブドウ糖と供に果糖もブドウ糖となって全身の筋肉に運ばれ、エネルギー源となります。
こうして、食べて数分のうちに血糖値を上げられるので、疲れはすぐに回復します。

 

・砂糖でリラックス
砂糖には、体のエネルギー源になるだけではなく、脳内の神経物質に働きかけることでリラックスさせる効果があります。
感情を調節する前頭葉では、セロトニンが精神を安定させる役割を果たします。
セロトニントリプトファンというアミノ酸から作られ、不安、緊張を緩和し、心の健康にもよい影響を与えます。
このトリプトファンを脳内に優先的に取り込まれるような働きをするのが、ブドウ糖です。
消化吸収の早い砂糖が、すばやくブドウ糖となって吸収されたトリプトファンを脳内に運ぶ助けをして、より効率的にセロトニンが作られるのです。
気分をリラックスさせたい時など、ミルクと砂糖の組み合わせがよいでしょう。

 

今回は、砂糖の効能を二つ紹介しました。健康のためには、バランスのとれた食事と運動による適切なエネルギー消費が何より大事です。
そこに砂糖を上手に取り入れていただきたいと思います。


と、農畜産業振興機構が、主張しています。


共通しているのは、

・脳はブドウ糖だけをエネルギーにする
・血糖値が低下すると動く事も出来ない疲労状態になる
・砂糖はいち早く血糖値を上げるので、疲労回復に繋がる
・甘いものを食べたいという欲求は、自然なもの
・砂糖が売れた(消費量が伸びた)方が利益に繋がりやすい側の主張である

という事でしょうか?

後は後半の方で「脳(気分)をリラックスさせる」とあります。

 

それだけ大量にブドウ糖を消費し、肝臓でもグリコーゲンが底をつくと、血糖値が低下し疲労状態になるため、私たちとってブドウ糖(砂糖)は必要であるという事ですが、

 

「健康のためにはバランスのとれた食事と運動による適切なエネルギー消費が何より大事です」

と、あります。

 

疲労回復のため、エネルギー補給をするため、血糖値を維持・上昇させるためにも、糖質はどんどんとった方がいいのではないのでしょうか?

糖質が枯渇しなければ、疲労など感じない、スーパーな身体になる事が出来るのではないのでしょうか?

運動などしてしまったら、大事な血糖を低下させてしまうので、脳へのエネルギー供給の邪魔になったり、不要では無いのでしょうか?

頭脳労働をしている人は、大量に血糖やエネルギーを消耗しているので、運動で消費する事なく、健康を維持できるのではないのでしょうか?


という風に考えてしまうのですが、その点についてはまるで解説をしてくれません。

砂糖を食べなさい。
でも、健康のためには「バランスのとれた」食事と運動が必要だよね?

という感じの話をしているのです。


この論調に、私は矛盾を感じてしまいます。


皆さんは、どう感じるでしょうか?


ちなみに、私は疲れたからといって、「甘い物」は食べません。

食べるんだったら、肉を食べます。


次回に続きます。

脳が緊急にブドウ糖を必要とするときは、いつなのか?

一つの仮説を立てたいと思います。

 

これまでに話してきましたが、体内の血糖値が低下する事で、様々な症状が起きます。

手指のふるえ・動悸・空腹感といったものから、頭痛・めまい・意識レベル低下等、最終的には死をもたらす事になります。

死の状態まで行く原因を挙げるとすると、「医薬品の影響」か「極度の栄養失調から餓死」が該当すると思います。

 

さて、ここで注目しているのですが、低血糖になると、上記のような様々な症状がでます。

それを引き起こしているのは、どこの部分なのか?という事です。

 

血糖値が急速に低下したときに起こる症状(「交感神経」刺激症状)として、
手指のふるえ・動悸・顔面蒼白・頻脈・発汗・不安等

「副交感神経」への働きによる症状として、強い空腹感

血糖値が50mg/dL程度まで低下したことで起こる症状:「中枢神経」のブドウ糖欠乏による症状(中枢神経症状)
頭痛・かすみ眼・めまい・眠気(生あくび)等

血糖値が50mg/dL以下で起こる症状:「中枢神経」のブドウ糖欠乏による症状(中枢神経症状)
意識レベル低下・せん妄・見当識障害・けいれん

 


というように、深刻な状況になっていくのですが(なぜ血糖低下ではなく、ブドウ糖欠乏という表現をするのは不思議なのですが)、全て、血糖値が低下する事で「中枢神経」「交換神経」「副交感神経」に影響を及ぼしています。

 

中枢神経系とは、神経系の中で多数の神経細胞が集まって大きなまとまりになっている領域である。逆に、全身に分散している部分は末梢神経系という。脊椎動物では脳と脊髄が中枢神経となる。

交感神経系は、自律神経系の一つ。
「闘争と逃走の神経(英語ではFight and Flight)」などとも呼ばれるように、激しい活動を行っている時に活性化する。

副交感神経系は、自律神経系の一部を構成する神経系であり、コリン作動性である。
交感神経系と対称的な存在であり、心身を鎮静状態に導く。

自律神経は、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。
体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。
その2つのバランスをそこなうのが「自律神経の乱れ」です。
不規則な生活やストレスによって自律神経の働きが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。

 
というように分類されています。

 

血糖・血糖維持は、生命を維持するうえで、とても重要なものです。

不足する事によって、色々な症状が生まれてしまうほどです。

ですが、これは脳に血糖が送られなかった事に起因するものなのでしょうか?

 

影響しているのは、中枢神経・自律神経系です。

中枢神経の中に、脳と脊椎が含まれています。

脳の中に中枢神経があるのではなく、中枢神経の中に脳が含まれるという事です。

つまり、中枢神経・自律神経で血糖不足を感じたからこそ、様々な影響が各所に現れるという事になります。

その中に脳や各種臓器に症状を感じるという事になります。

 

血糖値不足になったと言っても、すぐに脳だけに最優先に送られるわけではありません(割り当てられる量は多いかもしれないんでしょうが)。

当然ですが血糖は、一気に脳に集中してから分配されるわけでは無く、体全体に行き渡るように送られていきます。
各種臓器の供給血糖量が充足する事で、正常な機能を果たす事が出来るからです。

結果的には脳にも血糖値を安定させるために正常値には持って行かないといけないですが、その時には、他の臓器にも影響を与えています。

ですので、脳が緊急的に必要とするのではなく、神経系が正常に働くために、血糖値を維持する事が必要であるのではないかとも考えられます。

 

そもそも、消化器系の吸収の順番として、口に入ったものは、胃から小腸へ行き、そこから血液から門脈を通り肝臓へ運ばれ、そこから全身に栄養(糖質)が流れていきます。

小腸からダイレクトに脳に届けるためのルート(ホットライン)はありません。

脳が緊急的に必要となっている時は、身体全体が緊急的に必要とするくらいヤバい時であると考えられます。

 

これらの事から、身体は元気だが、脳だけが極端に血糖不足になっているという状態は、基本的に考えにくいと思います。

 

皆さんは、どのように考えるでしょうか?

 

もう少し続きます。

次回は、なぜ、「甘い物を食べると、疲れが取れる」という事につながるのか?という事についてです。

脳が疲れたから糖質を摂るという事について

話が飛び飛びになっている感がありますが、続きです。

 

皆さんは日々生活をするなかで、頭脳労働を行ない、疲労が蓄積する事は多いと思います。

難解な本を読んだり、勉強をしたり、授業を受けたり・・・。

色んな場面が想定されますが、そんな時に疲労回復として「甘いものを食べる」という手段を選ぶ人も多いと思います。

理由としては、

人間の体は、炭水化物、脂質、糖質という3大栄養素をエネルギーにすることができますが、脳の場合は「血液中の糖分だけ」をエネルギー源にしているのです。

脳のエネルギー源となるブドウ糖、カカオに含まれる香り成分が脳をリラックスさせることなどが、よく言われている効果に挙げられます。

 

当然だけど、食べすぎ注意です!
もっとも、頭を良くしようと、こればっかり食べればいい訳ではないし、賢い人は多く食べているという結論に至るのも早計。
当然ながら、「健康な食生活を全体的に考慮したうえでのチョコレート摂取」だと、クリシュトン博士は釘を刺します。

 

脳が栄養として利用できるものは、甘いものに多く含まれる糖質(ブドウ糖)だけだということ。そうなると糖質ばかり接種すればよさそうに思う人は多くいると思います。
例えば、試験前や勉強前に脳を活性化させるためにチョコレートをたくさん食べようという人がいたとします。
チョコレートを1個食べるより5個食べた方が脳がよく活性化し、頭がよく働くでしょうか?

→答えはノーです。
なぜかというと、食べた糖質が脳に作用してくれるのはほんの一部で、食べたチョコレートが全部脳で利用されることはないからです。
今後、健康に大変重要な糖代謝をコラムで説明する予定ですが、甘いものばかり接種するとこの糖代謝を悪くしてしまいます。

 

 


だいたいこんな感じです。

脳のエネルギーは、「ブドウ糖だけ」ですよ
チョコは、カカオの香り成分でリラックスできますよ
でも、食べ過ぎはダメですよ


脳のエネルギー源がブドウ糖のみという考え方自体を、どうしたものかと感じてしまいますが、これについては今まで何回も話してきたので省略します。

このような主張を見ると、私は、「あっ・・・(察し)」と思ってしまいます。
とても残念です。

こういう考えの人に聞きたいのですが、

 

脳のエネルギー源が「ブドウ糖のみ」とするのであれば、なぜ、「食べ過ぎはダメですよ」となるのでしょうか?

太るから?

いやいや、脳は、ブドウ糖やエネルギー源をキープし続ける事が出来ない臓器です。
それだったら、脳のためにも、ブドウ糖を供給し続けないといけないのではないでしょうか?
過剰になるくらいまで与えた方が脳がどんどん活性化され、疲労など感じない程のスーパーな脳になれるのではないでしょうか?
それなのに、なぜ摂り過ぎはダメと制限をかけるのでしょうか?

 

それに対する返答は、「適度に摂る事が大事ですよ」となるのでしょうか?

 

それでは、「適度」とはどれくらいなのでしょうか?

で、探してたら、こんな感じの文を見つけました。

 

脳は、安静にしていても1日120g、1時間に5gものブドウ糖を消費する、驚くべき大食いの臓器です。
しかも、少量しかブドウ糖を蓄積することができないので、常にエネルギーを補給しなければなりません。
脳が消費するエネルギーを安定して供給するには、全身の血中ブドウ糖濃度を血液1dl当たり約100mgに保つ必要があります。


ここで着目すべき所は、

「脳が消費するエネルギーを安定して供給するには、全身の血中ブドウ糖濃度を血液1dl当たり約100mgに保つ必要があります。」

でないかと考えます。

 

血糖値ですが、

空腹時血糖の正常値は110mg/dl未満。
これが110~125mg/dlだと糖尿病予備軍、126mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。

そして、血糖値の測定のもう一種類として

食事を摂ったあとに測る「食後血糖値」です。
これの正常値は140mg/dl未満で、140~199mg/dlだと糖尿病予備軍、200mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。

という事になります。

 

「空腹時」での正常値は110mg/dl未満となるので、特に甘い物を食べなくても、脳にエネルギーを安定して供給している事になります。

 

ここ大事です。

「空腹時」の血糖値です。

 

そして、余分な糖質が肝臓に蓄積され、必要に応じてブドウ糖に戻るという事なので、空腹とかで血糖値が下がったら、その時は70mg/dl程度まで下がっていると思うので、集中力低下やエネルギー供給不足に繋がっていると思います。

 

推進派(?)は、「今です!」と、甘いものを食べるようにアプローチしますが、でも、それなら食べなくても、肝臓が必要になっているタイミングなので、血糖値を上げるように調整するのではないでしょうか?

甘い物を食べたら当然血糖値は上昇するが、食べなくても、上昇させる事は可能であるという事になります。

もともと、人間には血糖値を上げるホルモンが4種類ありますから。
ちなみに下げるのは、インスリンの1種類だけです。

 

基本的には、甘い物を食べても食べなくても血糖値は上昇するので、「甘い物が必要だ」という理由とするのは弱いです。

では、なぜ甘いものを食べる事を勧めるのか?

 

脳にすばやくエネルギーを送る、「砂糖は脳のごはん」なのです。
脳が緊急にブドウ糖を必要とするとき、もっとも頼りになるのが砂糖です。
食べ物として摂取された砂糖は、小腸で消化吸収され、その後数10秒で血液中に現れます。
砂糖は、ごはんやパンに比べて吸収が速く、失われたエネルギーをすばやく回復させる速効性のエネルギー源なのです。
そのため、徹夜の試験勉強や長時間の会議に出る時には、甘いものを摂ると集中力が増して、頭がすっきりします。
また、マラソンなどのエネルギー消費が多いスポーツで疲れきった時や糖尿病患者が急激に血糖値を下げすぎて昏睡状態に陥った時、砂糖水を飲ませたり、アメをなめさせるのは、砂糖が緊急なエネルギー補給にもっとも有効だからです。

 

この文章には、少し矛盾した部分がありますが、こんな感じでしょう。

 

 

あと、ついでですが、これの転載しておきます。

 

砂糖は無駄のないエネルギー源!
砂糖はブドウ糖と果糖が結合したもので、小腸の上皮細胞にあるシュクラーゼという酵素によって、分解されます。
ブドウ糖はすみやかに小腸の壁から吸収され、血管を通して全身にいきわたり、体や脳のエネルギーになります。
そのうちの約25%は肝臓でグリコーゲンとして蓄えられ、必要な時にブドウ糖に戻ります。
果糖も約10%がブドウ糖に変えられ、残りの90%は果糖のまま吸収されますが、最終的にはすべてエネルギーとして使われます。
このように、砂糖は子供からお年寄りまで年齢に関係なく、99%以上が生体を維持するエネルギー源として利用される、まったく無駄のない食品です。

 

というような事を、砂糖消費推進派のサイトで発言しているのを見つけました。

シュガー占いって、何だろう?

と思いましたが、そっとしておきます。


砂糖の消費量を増やそうとしているようで、もっともらしい言葉を並べていますが、色々とツッコミどころがある内容です。


少し長くなるので、次回に続けます。

健康な人は、低血糖になるのか?

さて、朝食推進派の意見としてよく取り上げられるのですが、

 

朝ごはん抜きはNG
朝ごはんを抜くと、ランチの時間までずっと低血糖状態で過ごすことになります。
すると昼にブドウ糖が吸収される際、体が長時間飢餓状態であった反動で、血糖値が急上昇しやすくなると言われています。
朝ごはんを食べる時間がない朝でも、ジュースや加糖コーヒーなど糖質を含むドリンクを少しでも体内に入れておくようにしましょう。

 


低血糖状態とは、何でしょうか?

朝食を食べないと「低血糖状態」になるというのですが、本当でしょうか?


まず、言葉の定義をはっきりさせましょう。

 

低血糖とは、糖尿病を薬で治療されている方に高い頻度でみられる緊急の状態です。
一般に、血糖値が70mg/dL以下になると、人のからだは血糖値をあげようとします。
また、血糖値が50mg/dL未満になると、脳などの中枢神経がエネルギー(糖)不足の状態になります。
その時にでる特有の症状を、低血糖症状といいます。

血糖値(㎎/dL)
70 空腹感、あくび、悪心 自律神経の症状
60 発汗、動悸、手指の震え、熱感、不安感、悪寒
50 集中困難、脱力感、眠気、めまい、疲労感、ものがぼやけて見える
40 意識障害、異常行動
30 けいれん、昏睡

 


まず「低血糖」ですが、上記した通り、糖尿病の方へ処方される薬によって生まれやすい症状です。
食事によって高血糖になってしまうと、それを下げる手段が少ない状態なので、薬によって低下させようというものです。
薬によって、血糖値が80~100㎎/dLくらいになればいいのですが、毎回そうなるとは限りません。
薬の影響で、50~60㎎/dLになってしまったり、もっと低くなる場合があります。
それは死にも直結し、毎年多くの死者を出しています。

 

これが、低血糖です。

 

栄養失調等で、余程の危機的な状況でなければ、上記のように、70㎎/dL以下になると、血糖値を上げる仕組みが備わっています。

空腹を感じ、お腹が鳴る事があるのも、そのためです。

 

ですが、そのタイミングで何かを食べなくても、食べる事が出来ない状態が続いたとしても、気が付けば空腹感は減っていきます。

体が反応して血糖値が上昇し、空腹感を感じなくなった状態に変わったからです。

忙しくて昼ごはんを食べる暇もなかったという人は経験があると思いますが、昼食を抜いたとしても、結構元気に過ごす事が出来ます。

 

ただ、空腹状態の時に強い運動を強いられた場合は、手指の震え等は起きる人もいると思います。

低めの血糖値から、血糖をエネルギーとして使うと、より血糖が消費され、血糖値が低下する場合もあるからです。

これの原因としては、朝食推進派が進める

「朝ごはんを食べる時間がない朝でも、ジュースや加糖コーヒーなど糖質を含むドリンクを少しでも体内に入れておくようにしましょう。」

が、大きな要因になりかねないと考えています。

ラソントライアスロンのような強強度の運動をする人に発症(?)しやすい、ハンガーノックという状態です。

ハンガーノックは、激しく長時間に渡るスポーツの最中、極度の低血糖状態に陥ること。
日常生活中に発生することは稀である。

自動車に例えるならばガス欠であり、肉体がエネルギーを失った状態を意味する。
この時、自らの意志とは関係なく、体は動きを停止する。
脳へのエネルギー供給量も減少するため、意識の低下や思考の鈍化を生じる。

 

 

この話をしだすと、また長くなってしまうので、別の機会にしたいと思います。

 

続きます。