糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

サーチュイン遺伝子と血糖値について

前回、サーチュイン遺伝子が活性化するための方法に触れ、仮説を立てました。

 

「糖質量の摂取量しだいによって、働くのかどうかが決まるのではないのだろうか?」
「摂取カロリーの増減には、影響しないのではないのだろうか?」
「糖質を制限した食事であれば、カロリーを制限しなくてもいいのではないか?」

 

という事です。

掘り下げながら話を進めていきます。

 

色々とサーチュイン遺伝子を紹介したサイトを見ていますが、

 

「カロリーを制限する事」

「空腹を我慢する事」

レスベラトロールの摂取」
レスベラトロールとは強力な抗酸化作用を持つ、ポリフェノールの一種。
サーチュイン遺伝子に直接働きかけ、活性化を促してくれる成分で、ぶどうの皮やピーナッツの皮、イタドリ多年草植物)などに含まれる。

 

というものが多いです。


中には、

 

1日の摂取カロリーを800kcalにおさえます。
そんなのいちいちわからないよーって感じですよね。
だいたいの目安としては、いつもの量から腹7分目くらいに減らすくらいです。
あまりにも減りすぎると逆に寿命は縮まってしまいます。

そうならないためには栄養バランスのとれた食事を心がけなくてはなりません。
そしてこの食事を最低でも7週間続けます。
しかも、せっかくのカロリー制限も1日でもオーバーしてしまえばサーチュイン遺伝子はすぐ眠ってしまうんです。
なんてやっかいな遺伝子なんでしょう。

 

というものもありました。
最初に見た時、1日800㎉を7週間??と、目を疑いましたが、多分1800㎉の誤字でしょう。
この文章の誤字の方が誤解を招くからやっかいだと思ったのは秘密です。

 


基本的には、

「飢餓」が遺伝子を呼び覚ますために、1日2食にする、カロリー摂取を抑えるという事からスタートしています。
空腹状態が大前提となっています。

 


でも、本当でしょうか???

 

 

前回記載した内容ですが、

 

1糖が少ない食事
カロリーを制限した食事をすると、体内に取り込まれる糖の量がすくなくなる

2NADの放出
摂取する糖が少ないと、細胞内のミトコンドリアは、体内の脂肪を使って、ATPを産生。
その過程で「NAD」という酸化還元酵素補酵素が出来る

サーチュイン遺伝子の活性化
NADが増えると、サーチュイン遺伝子が活性化し、サーチュインと呼ばれるたんぱく質ヒストン脱アセチル化酵素)が作られる


という部分をさらに掘り下げていきたいと思います。

まず、「糖が少ない食事により、体内に取り込まれる糖の量が少なくなる」ですが、

「糖が少ない食事」というものが、カロリー制限食だけを指すのでしょうか?

続いて2の所に触れます。

「摂取する糖が少ないと、細胞内のミトコンドリアは、体内の脂肪を使って、ATPを産生。」

ここでは、摂取する「糖の総量」を指します。

 

高糖質の食事をすると、必然的に血糖値も上昇します。

それを平常値にしようとインスリンが働くのですが、これは、身体全体的な視点です。

細胞一つ一つについてですが、活動するためのエネルギーは血液から摂取します。

栄養素であったり、酸素であったり。

 

エネルギーを取り込む時の「血液の栄養状態」によって、働き方が変わるのではないか?

 

という視点でみてみます。

血液も、その時々によって成分の割合が変わります。

健康診断時や検査時に、血液検査で、例えば10mlあたりの血液に含まれている成分を確認する事が出来ます。

当然ですが、身体の状態により、刻々と変化し、その変化で身体の健康状態を確認するための手段の一つとしています。

 

同様に、細胞一つ一つにとって、血液がどのような状態かによって、健康でいられるか?不健康になってしまうか?は、大きく左右されると考えます。

指を輪ゴムで縛ると紫色に変化するように、十分な血液が送り込まれなくなれば、血行不良で感覚が無くなったり、壊死したりしてしまいます。

顔色が悪い、顔が青いというような表現もありますが、その時は貧血・栄養不足・体調不良のサインにもなります。

 

続きます。