糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

野菜「は」ヘルシーなのか?野菜「が」ヘルシーなのか?

さて、新年最初のテーマですが「野菜ってヘルシーなのでしょうか?」という事についてです。
 
少し前の話ですが、アメリカで痛ましい事件がありました。
母乳で栄養は足りていると思い、果物と野菜しか与えていなかった
 
父親が異なる子も含めて他に3人の子を育てていた。うち3歳と5歳の子供はきわめて体重が少なく、虫歯も放置。黄色い肌で重度の栄養失調状態にあることは明白だった
 
脱水症状、栄養不良が原因となるタイプの脂肪肝、手足のむくみなどが確認され、体重は7,620グラムと同じ月例の赤ちゃんの標準体重の半分以下しかなく、歯も生えていなかったことを指摘

 


他にはオーストラリアでもヴィーガン食を強要して自身の娘を栄養失調状態に陥らせたとして社会貢献活動命令が下されています。
赤ちゃんは現在3歳だが、1歳7ヶ月で保護された当時は歯が生えておらず、生後3カ月のような見た目で、唇は青く手足は冷たくなっており、低血糖や筋緊張低下症の症状も散見された
 
1歳7ヶ月の栄養失調状態の中での赤ん坊の体重がわずか4.9キロしかなかったことを当局が明らかにした

 


とあります。
前者では引用したように「果物と野菜と母乳」を与えていたようです。
そして後者でも

肉や魚をはじめ、卵・牛乳・チーズなどの乳製品を含めた動物性食品を食べない「完全菜食主義」を意味する“ヴィーガニズム”を強要したことが、栄養失調の原因とみられる

 

という事から、果物・野菜をメインで与えていたと考えられます。
 
以前の投稿で「果物を食べ続けたらむしろ健康になる」という話をしている健康コンサルタントのようなメルマガを取り上げて指摘をしました。
 
 
健康になり続けるのであれば、なぜ子供に栄養失調・死亡例が生まれるんでしょうか??
もし健康に良いと、それでも主張するのであれば、何が原因だったのでしょうか?
ですが、健康に良いとされる野菜・果物のはずなのに、ちょっとアプローチが変わるだけで健康にもなれば栄養失調にもなるというのは、奇妙な話に思えますね。
 
一般論としてですが
「野菜を食べるとヘルシー」
というイメージが皆さんの中にもあると思います。
否定はしないですが、少し表現がおかしいと感じる訳です。
どういう部分かと言うと、食材の種類によって、色々な褒め言葉・
評価の基準があると思います。
 
わかりにくいと思うので例を挙げると、
肉:ジューシー(肉汁・脂分)
魚:フレッシュ(鮮度)
脂:オイリー(?あまり聞かないですね)ジューシー?コクがある?
穀類:柔らかい・もっちり・ふっくら
乳製品:コクがある 口当たりがよい(なめらか)
という感じのものがあると思います。
 
他にも表現の方法や基準はあると思うんですが、何故か野菜は「ヘルシー」「フレッシュ」「フレッシュかつヘルシー」「ヘルシーでおいしい」という感じのワードが褒め言葉として用いられます。
 
不思議ですね。
 
なぜ「野菜はヘルシー」なのでしょうか?
新鮮さをアピールするのであれば分かりますし、野菜にもでんぷん質・糖質を含んでいたりするので、「スイーティー」「ホクホク」あとは「みずみずしい」というのは分かるんですけど、何故かヘルシーという事を用いられやすいのが「野菜」です。
「果物」でも「スイーティー」(甘い)「みずみずしい」という表現を用いられますが、逆に「甘くない」が評価になったりもします。
 
そもそもですが、肉も魚も脂質も穀類も乳製品も、食べたら身体の糧となって「ヘルシー」になっていきます。
言ってしまえば、物を食べる事で生命を維持していく事が可能になるため、そして栄養を送りこむ事が出来るようになるため、ほぼ全ての食材が「ヘルシーなもの」となります。
あとは比較して効率が良いかどうかの話です。
食事をする事で「ヘルシー」に繋がるという考え方です。
 
なぜ、野菜を食べたらヘルシーとなるようなイメージがついてしまっているのでしょうか?
 
次回に続けます。