糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

朝食で食べてはいけないものという記事をみて

 
こういう記事をみていつも思うのですが、それぞれのサイトで主張が異なるという事が多く、統一見解が出ないという事です。
ある記事では良しとされ、別の記事では悪とされる。
読者はどちらを選んでいいか?と判断を迫られるという感じになります。
こういった事が起きるから、消費者・読者には混乱が起きるのです。
 
例えばですが、上記リンク先では、
全粒粉パン
最近の小麦は、皆さんの母親や祖母世代が食べていたものとはまったく違います。
今の小麦は、元々あった小麦の原形とは似ても似つかないものになっています。
アメリカでは穀物の収穫量を増やすため、1960年代~1970年代にかけて大規模な遺伝子操作を行ったためです。
「植物の基本特性を変えるには、遺伝子も変える必要があります。生化学ですね。それを食べる人間への影響にも変化が起きます」と小麦抜きダイエットを考案したウイリアムデイビス医師は言います。
として紹介する一方、
全粒粉パン、玄米、オーツ麦フレーク
小麦を丸ごと挽いた全粒粉や玄米には栄養価の高い食物繊維が豊富に含まれています。
腸を健康に保ち、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
しかし茶色いパンでも全粒風味のパンではなく全粒がきちんと入ったものを選ぶようにしてください。原材料をしっかりとチェックしてから購入する必要があります。
ラベルに全粒粉、全麦などと書かれたものを購入するのがポイントです。
また、添加物が入っていないもの、もしくは少ないものを選びましょう。

 

別のサイトでは良しとされています。
だいたい良しとされる理由は「食物繊維が豊富」だからという事です。
栄養価が少ないものでも食物繊維が豊富であれば「健康に良い!!」とされる風潮の中に、私たちはいる訳です。
あれ?上記では「栄養価の高い食物繊維」とされてますね。
食物繊維に栄養は含まれないのですが、何の栄養価が高いのでしょうか??

また、卵もそうです。
卵白
卵黄には卵全体の80%のビタミン、ミネラル、健康にいい脂肪酸が含まれます。
また卵黄が含んでいる脂肪がないと、卵白に含まれるタンパク質を効率よく吸収することもできません、とRodale Libraryのシニア情報アナリスト、ジーン・ニックさんは言います。
卵黄はカロテンも豊富で、細胞膜の構造完全性やシグナル伝達に大きく貢献します。
対応策:お金をかけて質のいい卵を購入し、気分よく卵黄を摂取しましょう。2015~2020年度のアメリカ人のための食生活指針によれば、食事で摂るコレステロールはもう気にしなくても大丈夫とのこと。

 

と、卵白は鶏皮をはがすみたいに処分しろという事なのでしょうか?
そもそもシニア情報アナリストは食の専門家のグループに入れて良いのかと、不思議に感じます。
別のサイトでは、

良質なタンパク質を持っている卵は栄養価が高く朝食におすすめの食べ物です。
また、他の食材のタンパク質よりも消化、吸収に優れています。
1個あたり81kcalと低カロリーなのもおすすめできる点です。
細胞膜や神経組織を構成する脂質が多く入っているため、美容にもよい食べ物とされています。

 

と、良いものとされています。
比較していると、このような事がしょっちゅう起こるのですが、それでどのように判断するかは、全体の論調とデータという説得力があるかを判断材料にしています。
だいたいはこの2点ですね。
あとはステマ(商売)がらみかどうかも影響する場合も有ります。
私のブログは、お金の部分は残念ながら全く影響しないので、ある程度の公平性は保てていると考えていますが、いかがでしょうか?
せっかく取り上げたので、私視点で話をしたいと考えます。
 
まず、以前にも取り上げたのですが、朝食の定義について触れられていません。
そもそもですが、食事は3食とらないといけないのでしょうか?
2食+間食とか、1食+間食1~2回とかではだめなのでしょうか?
そして「間食=おやつ=糖質を含むもの」でもないです。
3食糖質の多い食事をして間食(おやつ)で甘い物を「脳が疲れたから」と訳のわからない理由をもとに習慣にして食べていたら、余計コンディションが悪くなるし、体脂肪も増加していきます。
 
朝食を抜くのは良くないという理由として、

「睡眠中は食事をとらないので、消化器官を休めることができます。一方で、あまりにも長時間何も食べないでいると、体がすぐにエネルギーを得ようとして、次の食事でドカ食いしてしまいがち。バランスの取れた食事よりも糖分の多い食品を選んでしまう傾向にあるので、注意しましょう。また、朝食を抜くと夜遅い時間に必要以上の量を食べてしまい、エネルギーが蓄積されてしまいます。また、朝食を抜くと代謝スピードが落ちるため、日中の集中力も低下します」

 


と、栄養と減量の専門家で栄養士の資格を持つピッパ・キャンベルさんが話をしていますが、その根拠は何なのでしょうか?
まず分からないのが、「朝食を抜くと代謝スピードが落ちるため、日中の集中力も低下する」です。
代謝スピードとは、具体的に何なのでしょうか?
そしてどれくらいスピードが落ちるのでしょうか?
その結果、どのような影響により日中の集中力が低下するのでしょうか??
一切触れていません。
 
人間は食事をしない方(空腹である方)が、結構集中力は持続するものです。
ボクサーでもそうですが、空腹状態が続くと感覚が鋭敏になると言われます。
空腹であると狩猟時代では獲物を捕らえないといけないです。
そのために感覚を鋭敏にし、獲物の気配をとらえる必要があります。
これは集中力ではないのでしょうか?
 
現代でも、長時間高度な手術を行なう医師も、食事をせずに10時間以上の手術に臨んだりしています。
3~4時間の手術でも、基本食事はしないというのがほとんどです。
それよりもトイレの方が心配という方が多いらしく、事前に水分調整を行っていたり絶食したりしているそうです。
これは特殊な例でしょうか?
ここでは朝食を例にしているのですが、昼食を抜いても同じく集中力が低下するのでしょうか?夕食を抜いても集中力が低下するのでしょうか?
 
そしてこの方はこうも言っているようです。

幅広い食材をバランスよく適量ずつ食べるのが大切だけど、さまざまな理由から毎朝食べるのは避けた方がいい食材があると教えてくれた。ただし、たまに食べるには問題ないそうなので、適量を守って!

 

適量とはどれくらいなのでしょうか?
「何を食べるか重要だ」と主張するのはよいのですが、たまに食べるのは良いとか妥協案を出すのはどうなのでしょうか?
たまにというのはどれくらいの期間なのでしょうか?
週に1回?月に1回?半年に1回??
 
全く伝わってきませんね。
本当に重要だと思っているのか?と邪推してしまいます。
重要であるのであれば、誤解を与えないように解説に時間をかけると思うのですが、そんな部分はありません。
 
今回はここまで。
 
続きます。