糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

「「う」のつく食べ物を食べたらいい」って、暴論じゃね?

土用の丑の日にウナギであったり、「う」のつく食べ物を食べようという文化があります。
私自身は、それを実践するかどうかは別ですが、良いものであると考えています。
これは正月におせち料理を食べたり、クリスマスにチキンを食べるというのと同じだと考えているからです。
 
で、ウナギが高額であるため、庶民は「う」のつく食べ物を食べていたという事があるそうなのですが、そんな感じで「う」のつく食べ物をサイトで紹介していました。
主食、おかず類
うなぎ、うどん、ウィンナー、ウグイ(川魚)、うぐいす豆、烏骨鶏うずらうずらの卵、うずら豆、うど、ウニ、梅(梅干し、梅漬け、梅醤)、うるめいわし、ウマズラハギ、瓜、海ぶどう、うしお汁、牛(牛肉)、馬(馬肉・桜肉)
飲み物・お酒類
ウィスキー、ウィンナーコーヒー、ウォッカ、梅酒、ウーロン茶、宇治茶宇治抹茶
お菓子類
ういろう、ウエハース、うぐいす餡、うぐいす餅、温州ミカン、うなぎパイ、薄皮饅頭、宇治金時

 

雲行きが怪しくなっています。
本来の目的は
 
「鰻は昔から滋養の元として、疲労回復、食欲増進に効果があることが知られているので、夏に食べることで、いわゆる「夏バテ」対策になること
 
です。
 
そのため、疲労回復に繋がりやすいビタミンB群・たんぱく質摂取が条件となるわけです。
その条件どうこうではなく、ただ単に「う」という文字が頭につけばいいとするのは、意味が分からないです。
 
アルコールで食欲増進というのなら、まだ分かります。
お菓子類に疲労回復効果があるのでしょうか?
ういろうの原料は、米粉(小麦粉・もち米)・砂糖を主成分としています。
ただ単に糖質摂取です。
 
夏バテの原因は、栄養面で言えば「ビタミンB群不足になりやすい食生活」です。
糖質摂取したら、余計にビタミンB群の消耗を手助けする事になります。
逆効果です。
 
このサイトでは続けて、
この他「ウイダーinゼリー」や「うまい棒」など、商品名を含めればまだまだいっぱい出てきます。スーパーやコンビニで「土用の丑の日!」と書かれたPOPが「ウコンの力」に貼られる日もそう遠くないんじゃないかと思ったり。
そんな我が家の食卓を飾るのは「うな次郎」です。
見た目も味もほぼうなぎ、そして「う」も付いて完ぺき! これが手に入らなかったら梅干しのせたうどんにします。

 

という感じで突然ステマを行ない、終わっています。

続いて、上記の主食・おかずの方にも触れます。
動物性たんぱく質は、理解出来なくないです。
ですが、うずらの卵は分かりますが、「うずら」自体も取り上げていますが、うずらの肉をこの著者は食べた事があるのでしょうか?
私の地域ではうずらの肉を販売している所を見た事ないです。
うずら豆も、ただの豆です。
インゲン豆の一種です。
 
また、ウインナーを取り上げていますが、羊腸を使ったものをウインナーソーセージとします。
豚腸を使ったフランクフルトソーセージや、牛腸を使ったボロニアソーセージはダメなのでしょうか?
中身はほぼ変わらないのに。
うどや瓜にはビタミンB群はほぼ含まれていません。
海ブドウについては俗称です。
正式には「くびれづた」という名称になりますし、海藻なのでヨウ素は摂れてもビタミンB群はほぼ存在しません。
 
で、後半には「ウイダー・・」とか、「うまい棒」と言ったものを引っ張ってきますが、めちゃくちゃだと感じます。
大量の糖質を摂取したところで、夏バテ改善どころか逆効果になります。
ウコンの力」の「ウコン」自体は悪くないですが、飲みやすくするために糖質をたっぷり入れています。
飲むならウコン自体を摂取するのが効果的です。
医薬品にも「恵命我神散」という苦味健胃薬があります。
それを摂取した方が、何倍も効果を得られます。
ウコンの力」は清涼飲料水扱いですから。
とても苦いですが、どうぞ。
 
で、最後の締めとして、うな次郎という「練り物」を紹介しています。
原料は「魚肉」と書いてます。
ビタミンB1しか表記は無いですが、1枚(55g)1.8mgです。
2枚入っているので110gあたりビタミンB1は3.6mg、糖質は14.6gです。
ウナギのかば焼きは100gあたり糖質3.1g、ビタミンB1 0.75㎎です。
この違いは、練り物のつなぎとなる澱粉等も含まれているからであったり、ビタミンB1を添加しているからだと思います。
ビタミンB1が多いからと言っても、糖質量自体も多ければ、効果は小さくなっていきます。
 
ここが重要なのですが、一日だけこれを食べたからと言って、夏バテをしないという事になるわけがありません。
夏バテを予防するのであれば、そうめん・うどん・焼きそば・チャーハンといった麺類・穀類だけで、簡単に大量につくれて終わらせる事が出来る食事を続けるのではなく、肉・動物性タンパク質を積極的に摂取する事です。
簡単に出来るからとそればかりに頼っていると、あっさりとグッタリしますよ?
ただでさえ暑いので、清涼飲料水飲んだりアイスを食べる機会も増えるでしょうから。
 
私は、糖質制限を心がけるようにしてからは、夏バテに苦しめられる事はないです。
糖質制限をしろとは言いませんが、糖質摂取量に焦点をあてて気をつけたら良いのではないかと考えます。
そうしたら、ウナギを食べなくても元気に過ごす事が出来ます。
 
以上です。
次は、ついでに食べ合わせの話をしたいと思います。