脳のエネルギー源について
少し、投稿が遅れました。
申し訳ありません。
前回の続きで、栄養について論じる人に対して、信憑性を持てる人なのかどうなのかを判断するための材料(基礎編)を提供したいと思います。
で、その一個め。
「脳の唯一のエネルギー源は、ブドウ糖である」
です。
脳のエネルギー源は、ブドウ糖だけではありません。
それなのに、さも当然のように主張している人は多いです。
「だからしっかり米を食べましょう。」「パンを食べましょう。」
というような話に繋がっていきます。
米やパンを食べるというのは別に良いのですが、「ブドウ糖だけしかない」と主張するのは、
「ただの勉強不足」
なのか、
「主食消費量を増やして利益を得るための誘導」
のどちらかです。
説明に入っていきますが、細胞には「ミトコンドリア」というのがあります。
皆さんも聞いた事もあるかもしれません。
いつものウィキペディアより参照します。
独自のDNA(ミトコンドリアDNA=mtDNA)を持ち、分裂、増殖する。
mtDNAはATP合成以外の生命現象にも関与する。
酸素呼吸(好気呼吸)の場として知られている。
また、細胞のアポトーシスにおいても重要な役割を担っている。
ヒトにおいては、肝臓、腎臓、筋肉、脳などの代謝の活発な細胞に数百、数千個のミトコンドリアが存在し、細胞質の約40%を占めている。
平均では1細胞中に300-400個のミトコンドリアが存在し、全身で体重の10%を占めている。
ミトコンドリアの主要な機能は電子伝達系による酸化的リン酸化によるATPの産生(ADPのリン酸化)である。
細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどは、直接、あるいは間接的にミトコンドリアからATPの形で供給される
という感じで説明されています。
簡単に言うと、ミトコンドリアは細胞に多く存在し、それ自体が酸素を使って、その活動に必要なエネルギーをミトコンドリア自身が効率良く生み出すという事になります。
ですので、理論的にはミトコンドリアが存在している細胞については、経口摂取によるブドウ糖は必要ありません。
体内では恒常性を保つために、血糖値が90前後で維持されていますから。
必要であれば、そこから使えばいいし、不足してきたら肝臓が低血糖にならないように調整を行なうからです。
逆に、ミトコンドリアが存在しない細胞があります。
赤血球です。
それだけ(現在研究により判明しているのは赤血球だけ)には糖質必要ですが、わざわざ取り入れなくても、血中に血糖が存在するので、不足する事は健常者では考えにくいです。
肝臓や代謝に疾患を抱えていたならエネルギー産生がうまくいかなくなるので話は別ですが。
次に、「脳は何で出来ているのか?」という事に触れていきます。
脳は、約60%が脂質で出来ています。
脳だけでなく、身体の内臓は脂質が大きな割合を占めています。
私のブログで、初期にも話をしましたが、身体の構成比は
水分60~70%
脂質17%前後
たんぱく質17%前後
ミネラル5%前後
糖質1%前後
で出来ています。
それぐらい、脂質・たんぱく質の構成比が大きいため、食事の割合もこれに準ずるように食べるのが自然であるという内容でした。
車で言うなら、燃料の種類でガソリン車・ディーゼル車という区別がされています。
ガソリンで走るものは、ガソリンを補給します。
ディーゼルで走るものは、軽油を補給します。
ガソリンで走るものに軽油を入れても正常に動きません(エンストします)。
逆もしかりです。
これと同じような感じです。
脂質で出来ているものには脂質を補ってあげる。
たんぱく質でてきているものにはたんぱく質を補っていく必要があります。
それぞれに性質の異なる糖質を過剰に与えても、上手く適応できる訳がありません。
糖質がエネルギーにはなるので、ごまかしごまかしで動いていきますが、正常には働きません。
その結果が、認知症・アルツハイマーであったり、糖尿病であったりすることになります。老化(糖化・酸化)も同様です。
過剰な糖を供給し続ける事で、体調がおかしくなるというのは、皆さんも経験があるかもしれません。
過剰というのをどれくらいと表現するのは難しいですが、個人的に糖質摂取は総摂取カロリーの1割前後でいいと考えています。
それ以上になればなるほど過剰であると言ってもいいと思います。
ちょっと話が逸れてきましたね。
長くなってきたので、次で締めたいと思います。