私が糖質制限食を実践する理由
私が糖質制限食の事を知ったのは、栄養士専門学校の図書館で、ある一冊の本との出合いでした。
「糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい」著 牧田善二
今から5年も前の話になりまが、当時の私は糖尿病に疎かったので、しっかりと自分の考えを表現出来るようになりたいと思っていました。
また、ご飯という主食ではなく、ステーキという主菜を食べるという表現が気になり、手に取ったのが始まりです。
そこで糖質制限という分野に興味を持ち、色々な本を読み漁りました。
その中で江部康二先生、山田悟先生の著書とも出会い、知識を得る事が出来ました。
残念ながら、学校ではカロリー制限食が主流となっていたので、糖質制限食については、懐疑的な声ばかりでした。
(教育の現場上、仕方のない事ではあります。)
学校を卒業後、一人暮らしを始めたのですが、その時になってようやく糖質制限食の考え方に基づいた食事を実践する事が出来ました。
それまでは実家にお世話になっていたので、難しかったのです。
その経験を積み重ねる中、色々な事を感じました。
我々の体は、食べた物によって作られます。
これは、栄養士の間では、良く使われる表現です。
それで、我々の体がどういう構成で出来ているかと言うと、
水分:60~70%
タンパク質:15~20%
脂肪:13~20%
ミネラル:5~6%
糖質:1%
多少の前後があると思いますが、私が使っていた教科書はこれに近いものでしたし、
多くの文献でも、この範囲内に収まるものがほとんどだと思います。
これをみて、気付きました。
糖質制限食を実践していけば、糖質制限のPFCバランスはこの割合に近くなりやすいです。
糖質制限食では、文字通り糖質の摂取を抑えます。
一日当たり、糖質の摂取は40g以下(厳しい糖質制限の場合)を目標としています。
精米白ご飯(炊きあがり状態)でいうと、糖質量は約140g程度に該当し、茶わん1杯より少し少な目程度です。
カロリーで言うと、ご飯100gあたりで168キロカロリー。
140gで235.2キロカロリーなので、20~30代では、
残りの約2000キロカロリーを、糖質以外で、つまり、タンパク質と脂質で補うという考え方になります。
(厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」より)
厳密に言うと異なるのですが、食事の成分割合から見たら、身体の構成成分に比例しています。
逆に現在の望ましいとされる栄養バランスはというと、
炭水化物:50~65%
脂質:20~30%
タンパク質:13~20%
となっています。
割合を比較すると、身体の多くを占めるタンパク質の摂取は少なく、ほとんど不要な炭水化物が半分以上を占めています。
見事に反比例しています。
私は、糖質制限食が、身体の構成に準じているので、理にかなっていると感じます。
あと、糖質制限食を継続していると、糖分を欲しなくて済むようになります。
食べたいという欲求が小さくなります。
私は健康面での目標として、
「糖尿病を含む生活習慣病を患いたくない」
というのを目標にしています。
もし糖尿病だと診断されたとしても、現在のカロリー制限食を食べたくないです。
管理栄養士である私が言うのは、おかしいかもしれません。
でも、現状の方針が将来にわたって、半世紀以上にわたって変わらないものは稀です。
現状が、絶対正しいという訳ではないのです。
似たような話で、美容外科医としても有名な高須克弥氏が、レーシックの手術について言及していました。
彼はレーシックの手術には懐疑的な考えを持っています。
理由は
「レーシックを進めているけっこう有名なお医者さんが、眼鏡をかけているから」
だそうです。
「信用できる技術だったら、まず自分で実践しないと」
とも話しています。
まさにその通りだと思います。
現状、糖質制限食を推進して、糖尿病患者で重度の状態だったとしても、改善に向かい、薬の服用も少量ですむようになったり、必要なくなったという改善例は多数報告されています。
糖尿病以外でも、アレルギーや便通、アトピー等、多くの症状の改善例を耳にします。
でも逆に従来のカロリー制限食を実践していても症状は進行し、合併症により年間1.6万人の新規人工透析治療者、3000人の失明者、3000人が足の切断を余儀なくされています。
結果は明らかです。
こういった理由から、私は健康を実感できる糖質制限を実践してますし、周りに推奨もしています。
実践して、効果を実感できているからです。
糖質制限食をベースに考えると、体調をコントロールしやすいし結果にすぐに反映されやすいのも理由の一つです。
追記
記載していたと思っていましたが、私が考える理想のPFCバランスについて、していなかった事に気付きました。
私の理想は、
P:45~55%
F:40~50%
C:5~10%前後で、少なければ少ないほど良い
です。