糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

朝は排泄の時間なのか?

それでは、続きです。

時間栄養学の考え方として、

時間栄養学

 生命に存在する【時計遺伝子】の発見から、体内時計の機能解明が発達していきました。
その体内時計には、栄養の吸収・代謝に関わるものも多数発見されています。

 食事や栄養を考えるときに、「何を・どれだけ・いつ」を意識すると、ヒトの自然治癒力を引き出すことに貢献でき、予防・健康に繋がるとされています。

 


また、有名なキーワードとして、

人間の消化活動には3つのサイクルがある
4:00~ 12:00 = 排泄
12:00~ 20:00 = 摂取
20:00~4:00   =吸収

というのがあります。

朝は、排泄の時間だが、「朝食を抜かないで、果物だけを摂りましょう」というように推奨しているようです。

 

とはいうものの、他のサイトを見ると、

 

時間栄養学の観点から見ると、朝は体内時計を動かす食材を、夜は動かさない食材を優先して摂ることが大切です。
炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質の三大栄養素の中で、ご飯やパンなどの炭水化物(糖質)は朝消費されやすいことが分かっています。
穀類のでんぷんが時計遺伝子を動かすのです。
また、朝タンパク質を摂ると筋肉が大きくなりやすいという研究があります。
筋肉が増えれば基礎代謝が上がり、ダイエットやメタボリックシンドローム対策にもつながります。
日本人には朝のタンパク質の摂取が不足していることが、調査結果から分かっています。
朝食には、ご飯やパンと一緒に卵料理やウィンナーソーセージ、チーズなどを摂るようにしましょう。

 

と、同じ「時間栄養学の観点から・・・」というような論調で話を進めていますが、これでは見ている側は混乱してしまいますね。


別のサイトですが、「体内時計を動かす、動かさない食材」というものがあるそうです。

「時間栄養学」に基づいて、朝は「体内時計」を動かす糖質やタンパク質、夜は「体内時計」を動かさない食物繊維を多めに摂(と)るのが良いです。

 

夜は体内時計の動きを緩める食材を摂るとともに、食べる量、つまりカロリーを抑えることも重要なポイントです。
(中略)
体内時計を動かしにくいとされる食物繊維もしらたきは豊富。ゴボウやキノコ、レンコンなどにも多く含まれているので積極的に取り入れていきましょう。

また、別のサイトのメニュー(レシピ)紹介の所では、

イモ類など体内時計の動きを遅くする食材を摂ることで、体を朝型に導きます。また、食物繊維を増やすことも大事で、根茎のでんぷんがベストです。

ちなみにおススメの材料という事ですが、

材料:
①しらたき 100g(半袋) 
②ベーコン 25g(小分け1パック) 
③シイタケ 10g(1枚分) 
④レンコン 15g(2㎝) 
⑤ゴボウ 15g(5㎝) 
⑥赤、青、黄ピーマン 各15g(各1/2個) 
⑦大豆もやし 1/2袋 
⑧ごま油 小さじ1 
⑨しょうゆ 大さじ1 
⑩砂糖(三温糖) 大さじ1/2 
⑪酒 大さじ 1/2 
⑫鶏ガラだし(粉末)小さじ1/2 
⑬いりごま 小さじ1/2

という事で、食物繊維たっぷりで身体を朝型に・・・、という事のようですが、体内時計を動かす糖質が結構多く含まれています。
多いのが、②④⑤⑩⑪⑫です。
ローカロリーを目指したかもしれませんが、高糖質になってて時間を進めにくいというのは、何か矛盾を感じます。

ちなみに高糖質、食物繊維含有の食材として、「玄米」を挙げられるのですが、それは、進める食べ物なのでしょうか?遅くする食べ物なのでしょうか?
イモ類・根菜類もたっぷり糖質を含んでいるのに、体内時計を遅くするのでしょうか?

 

よくわからないです。


私は「時間栄養学」と聞いて、今回の件では上記のような部分が気になったのですが、初めてその言葉を聞いた時から気になる事があります。

 

「夜勤の人はどうなるのだろうか?」

 

という事です。

時間栄養学の前提として、「朝6時前後に起床、夜11前後に就寝」という人が対象になっていると思います。

「朝起きて、太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされる」

というような紹介は、ほとんどの所で見る事は出来ます。

だから、規則正しい生活をしましょうと繋がっていきます。

ですが、それができないような

「起きたのが日没後で、そこから活動を開始をする人」

というのは、どのような体内時計になっているのか?という表記をしているのを、私は見た事がありません。

そういったリズムを持つ人達の検証結果を確認できないのであれば、私は多くを語る事が出来ませんし、信憑性も低くなってしまうと感じています。

そういった人たちへの導入をするとしても、理論的に説明するには、どうしたらいいかが分からないからです。

相手の事を考えずに、「生活リズムを夜型から昼型に変えろ」と押し付けるのは、暴論であり、現実離れしています。

対象の人に響くわけがありません。

その人の生活リズムの中で、「こういう時には、こうしたらいいですよ」という引き出しを用意するのが当然だと思います。

 

その引き出しがない現状なので、私はこの時間栄養学の考え方は、参考程度にとどめています。

 

どなたか、私の疑問に関する答えを教えて欲しいものです。


今回は、ここまで。