糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

ドカ食いすると太るのか?

前回からの続きです。

 

「朝食」という言葉に意味を持たせ過ぎているのでは?

という所から始まり、食事回数が3回と2回ではどうなのかという部分に進み、

ドカ食いという行為ではなく、ドカ食いするにしても、何をどのように口にするかによっても結果が変わるという流れでした。


食べるものによって、体脂肪がつきやすい・つきにくいがあります。

太っている人の食事には、いろいろ共通点があります。

ある人が大好物だというメニューを例に上げますが、

米飯2合をどんぶりに入れてマヨネーズと焼きそばソースをかける。
麺2玉を入れた焼きそばをそのご飯にのせ、その上に目玉焼きをのせる。
さらに焼きそばソースをかけまくってモリモリ食べる

この時が最高に幸せだそうです。

他にも、カップラーメンの麺を2口で食べ切ってしまう人もいました。

流し込むように食べているというのが問題の一つです。


では、この人が糖質たっぷりの食事ではなく、塩コショウで焼いた赤身のステーキ肉を同じグラム数と目玉焼きを食べたらどうなるか?

この人で検証していないのでわかりませんが、結果は恐らく、まるで違うものになると思われます。

 

理由は、糖質摂取量と噛む回数が変わってくるからです。

噛む回数によってレプチンが働きやすくするという話をしてきました。

満腹感を得られやすいからです。

で、もう一つの理由として「糖質を控えて、脂質を取る事」を挙げました。

その続きです。


レプチンが働きやすい環境を一言で言うと、

 

「糖質が多いと働きにくくなり、糖質が少ない環境下で脂質を取ると活発になりやすい」

という事です。

 

カロリー制限食で、とにかくカロリーを抑えようと、脂質をわずかしか使わない食事をしても、なかなか満腹感は得られにくいです。

脂質が十分に無いからです。

さらにシュガーバーニング(糖質がメインのエネルギー源)だと、血糖値の上下により空腹感も生まれてしまうので、ずっと我慢しないといけない状態に陥ります。

当然次の食事も脂質が僅かで量も少ないものになるから、間食したり、続かなかったりになって、結果反動によるドカ食い(身近なものを食べる)へと繋がりやすくなります。

これがリバウンドという事が生まれる一因です。

 

逆に、糖質ではなくオイルバーニング(脂質がメインのエネルギー源)だとどうなるか?

たんぱく質・脂質が中心としたメニューとなります。

噛む回数がシュガーバーニングの時と同じだったとしても、レプチンが働きやすくなるため、満腹感は比較的得られやすくなります。

血糖値の乱高下が起きにくいので、空腹感を感じにくくなり、間食を取らなくても済むようになります。


以上の事から、しっかりと噛んだうえで、糖質を控えて、たんぱく質と脂質を多く摂取すると、満腹感が得られやすいという事になります。

 


さて、タイトルの内容に触れていきます。

 

「ドカ食いをする」というのにも、傾向があります。

「空腹状態が続くと、ストレスからドカ食いをしてしまって、結局太ってしまう」

というものです。

ドカ食いの内容に全く触れておらず、大量に食べると太るという方程式が成り立っています。

 

皆さんは、ドカ食いというと、何をイメージするでしょうか?

スナック菓子
ケーキ・甘味
どんぶりご飯
ラーメン大盛
焼肉食べ放題

でしょうか?

一言で言うと、「安価・身近にあって入手しやすい物」だと思います。

高級なスイーツやA5ランクの牛肉を、飲み込むように食べる人は、そうそういないと思うからです。
普段、シュガーバーニングの生活をしていると、真っ先に甘い物・菓子類やご飯・麺類に手を出すかもしれません。
「ストレス解消にもやしをドカ食いしてやった」
という人を、私も聞いた事ありません。
味覚としては、「甘味・旨味」を求めやすいと思うからです。

シュガーバーニングの環境下だと、脳は「糖質摂取」を第一に考えやすくなります。
その欲求に素直に従ってしまうと、「ドカ食い=太る」という事になります。

 

私もドカ食いをする事はあります。

でも、大きな体重変化はありません。
糖質を多く含むものが好物ではないし、普段から第一の選択肢ではないからです。

私は肉や魚が好きで、塩焼きで大満足だからです。

焼肉でも、タレではなく塩で食べます。

先日はサバの塩焼き(大好物)を3尾分ドカ食いして、糖質オフのビールをグビグビのみました。

つまみで枝豆も食べました。

私の食卓には、基本ご飯は登場しません。

少し足りなくて、豚しゃぶをごま油と塩でモリモリ食べて寝ました。

満腹でした。大満足でした。


翌朝の体重の変化はありませんでした。


「食べる」という行為ではなく、「何を食べるか?」によって大きく結果が変わる一例です。