糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

そもそも〇〇を食べただけで、健康になるのか?不健康になるのか?

前回は、ラーメンが身体に良い悪いではなく、
ラーメンを食べる環境・習慣という様に、ラーメンをデフォで満足できるかどうなのか?
という所で、大きく結果が変わっていくという話をしました。
 
この話の基準ですれば、麺類は(麺類だけでもないですが)全て該当していきます。
皆さんは、うどん屋・そば屋でもトッピングの天ぷらや稲荷・おにぎりを追加で注文されているでしょうか?
私はそば屋では必ず天盛りざるセット(蕎麦と天ぷらの盛り合わせ)を注文するのですが、こんな感じだと、天ぷらの糖質が増量されています。
それを理解しているので、私はたまに食べる程度ですが、皆さんは常態的にそのような組み合わせで食べられているでしょうか?
いくら「(十割)そばが健康に良い」「ラーメンを食べるなら、ソバやうどんがいい」という話をしたとしても、食べる組み合わせによっては、たいして変わらないし、より不健康になるリスクすらあるという事になります。
 
という感じで追記しておきます。
 
さて、前々回くらいの投稿で、

「健康って何?」「身体に良い?悪い?」という事にも触れる必要があると考えます。

 

という文章を残しました。
 
そもそもの話になるのですが、皆さんは、何を基準に「身体に良い・悪い」「健康に良い・悪い」を判断しているのでしょうか?
そこの基準によって、大きく視点や結論・行動が変わっていくというのは、理解されているでしょうか?
 
まず第一に、皆さんが考える「健康」というのは何でしょうか?
ハッキリと説明出来るでしょうか?
その「健康とする基準」と、食べるものによりもたらされる「身体に与える影響」が、好ましいものとなる(なりやすい)のか?好ましくないもの(なりやすい)となるのか?
という事がリンクしていないと、その人にとって良い影響を与えるものなのか?悪い影響を与えるのか?という視点で判断する事が出来ないです。
 
一般論で「健康に害を与える食べ物」とするものがあるのであれば、それは「食べ物」ではありません。

しょくもつ【食物】
食べもの,すなわち食欲を満たし,生命を維持するために口から摂取するもの。
食品,食糧,食料,食餌(しよくじ)などの類語があり,それらの概念の相違ははっきりしないが,それぞれ多少ニュアンスのちがう使い方がされている。
食品の語は,食べものの語がかなり抽象的ないしは象徴的な意味をもつのに対して,明確に人間の摂食行為の対象となる素材の個々,あるいはその群や種類を表現する場合に使われる。
流通消費面の用語とされることも多い。

 出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について

 
食物の定義はこうなっています。
つまり、食べて体調が急変するとか、生命維持が出来なくなるという様な状態にあっという間に普段のような生活が出来なくなるのは、食べ物ではなく「毒物」です。
毒キノコのようなものがそれに該当します。
これは「生命維持 = 健康」という基準がある(と思います)から、「健康に良い食べ物=普通の食べ物」「健康に悪い食べ物=毒物」となります。
これは極端な例です。
 
それでは皆さんが何か悩みが生まれるとします。
例えばそれが、肥満だとします。
そうなると「肥満解消=健康」となるため、
「健康に良い食べ物=やせる事に繋がるような食べ物」
「健康に悪い食べ物=太る事に繋がるような食べ物」
となります。
 
例えばそれが、美容だとします。
そうなると「美容アップ=健康(目標)」となるため、
「健康に良い食べ物=美容に良い影響を与える食べ物」
「健康に悪い食べ物=美容に悪い影響を与える食べ物」
となります。
 
例えばそれが、虚弱体質だとします。
そうなると「虚弱体質改善=健康」となるため、
「健康に良い食べ物=体力・筋力増強に繋がるような食べ物」
「健康に悪い食べ物=体力・筋力増強に繋がりにくい食べ物」
となります。
 
例えばそれが、病気だとします。
そうなると「病気治療=健康」となるため、
「健康に良い食べ物=治療に繋がるような食べ物」
「健康に悪い食べ物=治療の悪化を引き起こすような食べ物」
となります。
 
例えばそれが「特に悩みがない。今が健康だ」とします。
そうなると、「現状維持=健康」となるため、
「健康に良い食べ物=普段の食事」
「健康に悪い食べ物=普段食べないような食べ物」
となります。
 
という様な視点を持って、情報を取捨選択していると思います。
自分にプラスになりそうな情報であれば興味を持ちますし、マイナスになりそうな情報であれば目もくれないと思います。
どのような視点を持っているかは、本当に個人の状態を見ないと、より良いものを私も提案出来ないです。
 
結局の所、全ての人に対して、「これが健康になりますよ」というような紹介をしているサイトばかりですが、そのような提案を軽々しく出来ないという事になります。
あくまでも前提を示して、その前提の視点からであれば、その視点を基とした情報を提案する事が出来ます。
当然ですが、その前提は全ての方に共有されるものではないので、「これを食べればすべての方に健康になりますよ」とは言えないし、それを言うのは無責任だとも感じます。
 
私自身ですが、このブログは「糖質制限」をベースに考えています。
ラーメンの話でも、重要視しているのは「糖質」です。
ラーメンを食べてコンディションが崩れるのであれば食べなければ良いですし、別にどうともないというのであれば食べればいいと思います。
それをどう判断するかは、受け手側の判断になるのですが、提供者側は、その点をハッキリさせる必要があるわけです。
誘導する事が目的なら構わないのですが、情報提供者は、伝えたい事に対して誤解を与える訳にはいきませんから。
 
長くなってきました。
ここまでにします。
 
次回は少しまとめの追記が中途半端の長さになるかもしれませんが、よろしくお願いします。