糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

塩化ナトリウムと自然塩

前回、高血圧と食塩の関連性の話をしてきました。

今回は、「食塩」についてです。

 

塩と言っても、多くの種類があります。

大きく分けて、塩化ナトリウムの濃度が高い物と、それ以外が比較的多く含まれているものです。

 

混同しないでいいように、

ナトリウム塩・・・塩化ナトリウム濃度が高いもの
自然塩・・・・塩化ナトリウム以外のミネラルが多く含まれているもの

と、ここでは定義したいと思います。

ちなみに、自然塩という表記は、誤解等が生じるため、現在は使用が認められてないです。

 


少し掘り下げていきます。

 

自然塩(しぜんえん)とは、学術用語ではないため明確な定義はないが、 一般的には、

にがりが多い塩
湿った塩
加熱処理されていない塩
岩塩など自然に結晶化された塩
塩田で作った塩
などを指すことが多く、こういった塩を「自然塩」と称する運動により一般に定着した。

類似語として自然海塩、天然塩などがある。


ナトリウム塩

昭和30年代よりイオン交換膜製塩法が試験的に導入され、高純度の塩が安価に製造できるようになり(本格導入は1971年(昭和46年))、世界でも一般的な純度・価格の塩の国内製造を実現し現在まで続いている。
このイオン交換膜製塩法にて製造された塩が「食塩」として食用にも販売されることとなった。

ウィキペディア参照


ナトリウム塩に関してですが、ここでは「塩化ナトリウム99%以上」のものを対象とします。
商品としては、「食卓塩」「クッキングソルト」等をイメージしてもらえれば良いかと思います。

 

どちらかを選べというのであれば、私は自然塩を選びます。

ミネラル分の不足により、ホルモンバランスが乱れます。
だったら、ナトリウム塩から摂取するよりも、自然塩からの方が摂取頻度が増えるからです。

ミネラル不足により、身体に多くの支障が生まれる可能性があります。

 

次の理由は、味わいです。
ナトリウム塩は、しょっぱいです。
ですが、自然塩は味に深みがあります。
有名企業が発売元のポテトチップスも、うすしお味に関しては、ナトリウム塩ではなく、自然塩を使用しています。
少し値段は上がりますが(製造コストは上昇しますが)、そのおかげかどうかは分かりませんが、2015年4月〜6月の「スナック」の購入個数ランキングではトップになっているようです。

 

最後にですが、ナトリウム塩は、もともとは食用では無かったという歴史です。
海水を使って、イオン交換膜製塩法により人工的に作られたものです。
おかげで高純度のナトリウム塩を、安価で大量に製造する事が出来るようになりました。
ですが、もともとは工業用です(殺菌・消毒目的)。
また、精製しているものが数多く出回っています。精製とは、純度を高める工程を指します。
塩の他に砂糖・小麦粉・米。
もっとあるかもしれませんが、あまりいいイメージがありません。
(精製水というのもあります。試しに口に含んでみた事もありますが、飲めたものではありません。)
食品としては、白い物を食べるのなら、茶色い物(黒糖・玄米・全粒粉)の方が栄養価が高いと言われますし、そういう傾向にあると思います。
その分、価格は上昇してしまいますが。

現状、加工食品やレストランでは、よほどの場合でなければ、ナトリウム塩を使用している可能性は高いです。
安価なため、利益を生み出しやすいからです。

 

せっかく身体に取り入れるのであれば、多少高価でも、良質なもの・栄養価の高い物・味わい深い物を取り入れる習慣を身につける方が良さそうですね。

私自身も、ナトリウム塩を購入する事はありませんでしたが、自然塩で安価なものを購入していました。

最近は、ナトリウム濃度の低く、余分なものが入っていない物を積極的に選んで購入するようにしています。

皆さんも、普段使用する調味料から変えていく事を始めてみませんか?

 


今日は大晦日ですね。

良いお年をお迎えくださいませ。

来年も、よろしくお願いします。