糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

世の中は糖質で溢れている

引き続き、色々なサイトを見ていた時の気付きです。

カロリー制限食最高!糖質制限食なんてもっての外!と主張する人のサイトを見ていた時に引っかかった言葉がありました。

 

「脂質が多くなりがちで炭水化物が少なくなりがちという傾向にあります。」

「糖質=心に必要な栄養素」


どういう根拠で主張するのか?私には理解が出来ませんでした。

 

世の中は、糖質で溢れかえっています。
食文化の縮図でもあるコンビニを見ても、菓子パン・おにぎり・サンドイッチ・カップ麺・弁当やパスタ類。
最近ではレジ前にドーナツまで備えているし、陳列されているスナック菓子・チョコ類。
要冷蔵コーナーのスイーツ類も充実している。

 

これら全ては糖質を多量に含んでいます。

 

コーヒーショップでも、クリームや砂糖やキャラメルシロップがたっぷりと入ったものがランキング上位に入り、サイドメニューもパン・ワッフル・ドーナツと糖質中心。
人気のあるパンケーキも、ソフトクリームも、スムージーも。
ジャンクフードも、ファストフードも、お好み焼き・たこ焼き・うどん・ラーメン・どんぶりもです。
多くの料理の調味にも、糖質を含む砂糖・みりん・ポン酢・料理酒・米味噌・麦味噌が使われています。

 

これだけ糖質を多く取り入れる機会は数多く溢れているのに、糖質(炭水化物に含まれる食物繊維は、これらにほとんど含まれていないので、糖質に置き換えます)が少なくなりがちな傾向だと主張するのは、かなり現実を見てないのではないのでしょうか?

 

全体のパーセント比でみたら、何とか理解が出来そうです。
PFCバランスは、2:2:6と簡単に表現しますが、脂質が上昇する事により2:3:5という割合になると言いたいのでしょうか?

 

それでも苦しいです。
なぜなら上記商品には、タンパク質の含有量が少ないからです。
そのうえで糖質・脂質の割合が上昇するなら、1:3:6ぐらいになるのが現実的だと思います。
ひょっとしたら1:2:7と言ってもいいくらいの食習慣になっている可能性もあります。
それぐらい世の中は糖質で溢れています。
意識して取らない努力をしないと、簡単に糖質摂取量が増えてしまいます。
意識せずに少なくなるなど、考えにくいです。

 

こんな状況でも、「炭水化物が少なくなりがち=炭水化物をより摂取しましょう」と言うのなら、糖尿病にならずにはいられないと感じます。


次に、「糖質=心に必要な栄養素」という考え方です。

心に必要だから、糖質摂取を制限するのはよろしくないという主張です。

 

ひどい頭痛・めまい・やけ食い・集中力がない・家庭内暴力・低体温・不登校統合失調症うつ病ADHDアルツハイマー・低体温・不眠・いらいら・双極性障害パニック障害

 

これらの症状は砂糖のとりすぎによる低血糖症が原因の場合があります。

もちろん、「砂糖のとりすぎ」というあいまいな表現ではありますが、糖質中心の生活になればなるほどリスクは高まります。

これらの精神疾患の治療に必要なのは、糖質を断つことです。

そうすれば、血糖値の急上昇・急降下が起こりえないからです。

 

これに似た言葉で、炭水化物中毒というものがあります。


炭水化物が豊富な食品に対する切実な飢餓感、渇望、欲求があり、でんぷん・スナック菓子・ジャンクフード・お菓子などに対する偏食がエスカレートして行く。

炭水化物が豊富な食品とは、パン・ベーグル・ケーキ・シリアル・チョコレート・クッキー・クラッカー・デニッシュ・果物やジュース・アイスクリーム・ポテトチップ・パスタ・じゃがいも・プレッツェル・ご飯・パイ・ポップコーン・清涼飲料水などがあるが、これだけにとどまらない。

また、炭水化物と近い効果を持つ人工甘味料アルコール飲料グルタミン酸ナトリウムは炭水化物の過剰摂取や体重増加を引き起こす可能性がある。

(炭水化物依存症の定義 – リチャード・ヘラー博士・レイチェル・ヘラー博士)

 

炭水化物への依存性は、『科学的に厳密な意味での依存症としては認められていない』そうですが、渇望感や離脱症状を見る限りは薬物依存との深い共通点がみられるし、また脳内でコカイン同様にドーパミンの放出量が増える現象も同じであるようです。

 

心に必要な栄養素と考えている時点で、こういった依存症の入り口に立っている事と同様ではないのか?と感じてしまいます。

疲れた時に糖分を摂るとやる気が出るという人も、注意が必要かもしれません。

 

先日、私があるセミナーに参加した時の話です。

約一週間のセミナーで、睡眠時間は一日に一時間も取る事が出来ず、食事は取れていた物の、身体をガンガン動かし酸欠にも近い状態になった時がありました。

(今振り返っても、とんでもない状況と取られかねないと思います(笑))

その時に、ブドウ糖タブレットを口にするタイミングがありました。

口の中に放り込みましたが、「甘すぎる」という感情が生まれただけでした。

疲労感の回復は、肉体的にも、精神的にも感じる事はありませんでした。

この時に思ったのは、「プラセンタドリンク(医薬品)の方がよっぽど良いな」でした。

私が普段から糖質を取らないようにしているからでしょうか?

この状況が一例として使えるかどうかは分かりませんが、一応情報として記しておきます。


私自身が糖質に対して敏感になっている部分もあるので、考えすぎて、過剰な表現になっているかもしれません。

ただ、糖質を摂取するという事に対して、摂取機会に溢れているという現実や、摂取する事によるリスクについては、知識として知っておくべきだと考えています。