糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

紙コップダイエットは、お手軽に効果を得る事が出来るのか?

前回は、「紙コップダイエット」というものの紹介投稿でした。

さて、皆さんはどのように感じたでしょうか?

 

食事制限はお腹が空いて辛い。
綺麗に痩せようと思うとカロリー計算が…。

これを聞いただけでダイエットってやる気なくしますよね?
でも、そんな嫌なことを解決したダイエット方法があります。

普段の食事を紙コップにポイッと入れるだけ!
たったこれだけで、空腹感やカロリー計算を気にせずにダイエットができるんです。

「そんな馬鹿な話あるわけないじゃん」

そんな声が聞こえてきますが本当にあるんですよ!

SNSでも紙コップダイエットで痩せることに成功したと話している人達が続出しています。

 

fanblogs.jp


あるサイト(紹介してますが(笑))では、このような書き出しで解説が始まっています。

この文章は、実は何にでも当てはめる事が出来る、いわばテンプレです。


「普段の食事を〇〇にするだけ!
たったこれだけで、ダイエットができるんです。」


「ダイエッター」と呼ばれるような、色んなダイエットを実践してきた人は、こんな文章を見てこなかったでしょうか?

基本的には、置き換えダイエット紹介に使われるのですが、最初の一行部分で、このような感じで始まる商品案内や方法論の多い事多い事。

 

納豆・おでん・生姜・きゅうり・はちみつ・もち麦・リンゴ・バナナ・酵素ドリンク・ポップコーン(?)・健康食品の商品名等々。

 

そんなに簡単に出来るのであれば、悩んでいる人などいないし、ダイエット商品としても需要が生まれないと思うのですが、本当に出来るのでしょうか?

そもそもの部分で、「人間がどうやったら太るのか?」「体脂肪が増加していくのか?」という知識を持っていれば、簡単に取捨選択できるのですが、まず学校では習わないですからねぇ。

いや、違うな。

「学校で教わった事が正しいとは限らないから」ですね。

「食育」という授業がありますが‥‥といった話をしだすと、めちゃくちゃ逸脱するので、今回は差し控えます。

 

小さめの紙コップを3つの用意して、それぞれに決まった食材を入れて食べるだけ!

紙コップに食材を入れることによって、食事量は減りますがしっかり食べたという心理状態がうまれ、食べ過ぎを防ぐことができます。

 
意味が分からないです。

「しっかり食べた」という心理状態とは何でしょうか?

 

紙コップに食べ物を入れることによって、食べる量が減るので心配という意見がありますが、はじめてみると、意外とたくさん食べた気分になって続けられるみたいです。

容器に入れるというのが、視覚的にたくさん食べれたという錯覚を起こすのでしょうか。

不思議ですね(笑)

このほかにも、ダイエット効果とは関係ありませんが、紙コップにしたことで洗い物が減り、食後の片付けがラクになったという意見もありましたよ。

一人暮らしや主婦の方には嬉しいですね!

 


不思議ですね。

錯覚は、そう簡単に生まれるのでしょうか?

片付けが楽で、ダイエット効果と関係ないと話していますが、食器を洗う・片付けるという作業が減るのであれば、その分身体を動かす機会を奪われるので、効果が減少するのではないでしょうか?


このダイエットでは3食しっかり(?)食べるようですが、食べ方はあるようです。

その内容はサイトを見てもらうとして、

 

夜に炭水化物の量が減る理由は、
夜は消化効果が低下して太りやすくなってしまうので減らしてあります。

野菜とタンパク質は3食ともに量は変わりません。
野菜は1杯、タンパク質は半分です。

タンパク質(肉・魚類)は太るイメージを持たれがちですが、これは間違った考えです。

タンパク質は筋肉の維持・生成するのに必要な栄養素であり、タンパク質を抜いて筋肉の量が減ると、代謝が落ちてしまうので太りやすくなってしまいます。

 


この解説もだいぶ気になります。

時間栄養学的には、確かに夜にかけて「吸収と代謝の時間」という感じに表現されています。
(私は時間栄養学については「本当なのかどうか、よくわからない」「人間の身体の変化を3分割するのは強引では?」という回答・感想になるのですがこの内容は、またの機会に)

 

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そして、文章の後半でも、たんぱく質代謝を高めるにも必要とあります。

だったら、なぜたんぱく質量の摂取を普段よりも減らしているんでしょうか?

「紙コップの半分程度の肉・魚で足りるのか?」

と、シンプルに思う訳なんですね。

 

続いて、痩せるのに必要な期間についての表記で、

 

早い人では1週間でダイエットの効果がでます。
遅い人でも1ヶ月も続ければ痩せれます。

紙コップダイエットは、食べる量が減るので、普段から食べている人の方が痩せやすいです。

 

とありますが、こういった記事の「ダイエットの効果」というのは、何をもって「ダイエットに効果がある」と表現しているのでしょうか?

100gでも減れば効果ありなのでしょうか?
実践者が色々な目標設定をするのだろうと思いますが、その目標如何に関わらず、「早い人は・・・」「遅い人でも・・・・」と話しているのでしょうか?

どんな状態になるのを「痩せた」というのでしょうか?

 

ほぼ全てのダイエット記事で、こういった部分に明言しているものに出会った事はありません。

体重が減ったというような口コミもあるようですが、どれくらいの期間でそれだけの体重が落ちたのか?

どういった食事内容をして減ったのか?

そもそも、本当に実践したのか?

という所が気になって仕方がありません。

 

また紙コップの色でも、暖色系の色は食欲をそそるというのであれば、料理の献立でも選ばない方が良いという事ではないのでしょう?か


これまで色々と記事についていじってきましたが、次回は、なぜこのダイエットを取り上げたのかについての話をしたいと思います。


今回は、ここまで。