糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

ダイエット方法の「紹介方法」についての所感

それでは、どのように紹介されていったかと、各方法の所感についての話をしていきます。

 

豆腐一丁ダイエット(満腹感たっぷり)

 

朝食のご飯を豆腐に置き換える手軽にできるダイエット
炭水化物を食べ過ぎてしまう人に向いている
最大のメリットが、空腹感を抑えられる事
炭水化物だと急激に血糖値が上がるが、豆腐の場合は急激に上がらないので、お腹が極端に減りにくい
空腹を感じる一つの理由は、血糖値の急激な低下
お米などの炭水化物は、血糖値の変動が激しい
でも、豆腐などのたんぱく質は血糖値の変動が緩やかなため、お腹が減りにくい
食後4~5時間は、満腹感が持続(※体質により個人差があります)
朝食で食べると、昼食の食べ過ぎを抑える事が出来る


このダイエット方法を紹介文の通りにやって得られるメリットは

 

朝食に摂取する糖質量を減らす事ができ、摂取たんぱく質量を増やす事が出来る
その結果、一日の糖質総摂取量を抑える事が出来る
白飯を食べない事で、それにより発生する血糖値の変動を抑える事が出来る

必然的に、カロリー量も抑えられる


ぐらいでしょうか?

 

では、早速デメリットについて話します。

 

最大のメリットと言われる「空腹感を抑える」という事が、果たして可能でしょうか?

 

一般的に満腹感を得る為に必要な行為として、

「よく噛む事」

が挙げられます。
私自身は「条件付き」で賛同するのですが、米と豆腐では、噛む回数が断然異なります。

もっと言うと、噛むことが出来る回数が豆腐では圧倒的に少ないです。

豆腐は歯ごたえがありませんが、米飯は、噛もうと思えば、かなりの回数噛むことが出来ます。

一口で30回以上噛みましょうとか、米を甘く感じるようになるまで噛むと消化に良いとか言われますが、それについては触れてません。

他の食材でカバーするというような解説もありません。

 

また、食後4~5時間満腹感が持続と表現していますが、少し異なると思います。

正確には満腹感が持続するのではなく、「空腹感を感じにくくなる」というのではないでしょうか?

普段、皆さんが朝食を7時に食べて、4~5時間、空腹感に苛まれるでしょうか?

7時に食べたら5時間後は12時です。

多少は空腹感があると思いますが(デスクワークの方が該当しやすいと思いますが)、我慢できない程ではないと思います。

とはいうものの、午前中のエネルギー利用方法によっては我慢できない人もいるかもしれません。

そんな人が昼食の食べ過ぎを抑える事が出来るのでしょうか?

 

この方法で、「昼食の食べ過ぎを抑える事が出来る」とありますが、そういう人が多いのかもしれません。

でも、ここでこの言葉の裏を返してみるのですが、

「昼食に豆腐に置き換えないのであれば、糖質をしっかりとる事になり、血糖値の変動が大きくなりお腹が減りやすい。」
「食後に4~5時間も満腹感を持続できなくなり、夕食に食べ過ぎてしまいやすくなる」

少し意地悪かもしれませんが、こういう表現も出来ます。


私が一番不思議に思うのが、

「なぜ、夕食ではなく朝食の糖質の置き換えを行なうのか?」

という部分です。

太陽が昇っている時間帯は、基本的に我々は活動をしています。

身体を動かすので、エネルギーも消費しやすい状態です。

で、夕食後は休息(睡眠)に向かっていくため活動量は減少します。

そうなると、瞬発力のあるエネルギーである糖質は、夕食時にこそ不要であると考えています。

なのに、なぜ「朝食のご飯を豆腐に置き換える」という条件付けをするのかが、よく分からないです。

消費しきれなければ、即座に体脂肪に変化してしまうというのに。

あと、予防線としてなのか、当然のように「個人差」という言葉を使っています。

 

「食後4~5時間は、満腹感が持続(※体質により個人差があります)」


この条件で、「食後4~5時間満腹感が持続する体質と、持続しない体質による個人差」とは、どんな体質なのでしょうか?

この個人差を徹底的に分析するだけで、かなりの数の人を救う事が出来るようになると思いますが、全く語られていないですし、恐らく語る気も無いでしょう。

この言葉自体が意味するのは、

「これを実践してもやせなかったじゃないか!!」

というクレームに対しての自己防衛手段であると考えています。

ダイエット番組の構成として、「専門のトレーナーが指導するハードな運動」をより多く紹介するのも、

「こういった運動と食事方法と体質の合致があったからこそ結果が出たんですよ?あなたはそのように実践されたんですか??体質が合わなかったんじゃないんですかぁ???」

というような話をするための方法論ではないでしょうか?

そんな風に考えてしまいます。

 

もっと紹介するつもりでしたが、長くなったのでここまでにします。

次回は腸内フローラダイエットのメリットデメリットについてです。