消化の良し悪し 根拠部分
前回の記事の中で、
「タンパク質・脂質が消化が早く、炭水化物が遅い」
「時間で言うと、タンパク質は1時間も経過しないうちに胃を通過するが、炭水化物は4時間以上滞留する」
と書きました。
今回は、その根拠部分です
実際に確認をされた医師がいらっしゃいます。
ある病院での話
40代男性
昼に寿司を食べた後4時間後に急に立てなくなるほどの腹痛が出現し救急車にて搬送された患者さんです。
当院外来医が胃アニサキス症を疑い、私が緊急内視鏡検査をしました。
食べてから5時間後の内視鏡画像ですが、寿司ネタは見事に消化され、魚の面影はまるでありませんが、シャリだけは見事に残っています。
これを見てもご飯が如何に消化が悪いかが分かります。
別の病院での話
50代男性
数日前から心窩部痛あり。
7月31日(前日)18時ころ夕食摂取。
8月1日11時に胃内視鏡検査:食物残渣多し、ほとんどが炭水化物(米飯・・)ではないかと
リンク先を張っておきます。→●
内視鏡で覗いた実際の画像になりますので、注意して開いてください。
上記の40代の男性は4時間、50代の男性の方は、食後17時間が経過しています。
それでもかなりの量が残っているのが理解できると思います。
また、別の実験で
嘔吐障害(過食症でいっぱい食べた後、喉に指を入れ食物を吐いて、痩せようとする)の数名が対象です。
彼らの特徴として、食事量はしっかりとります。
太っているというイメージがあるかもしれませんが、体格は普通の人と変わらないです。
なぜなら、その食事をしっかりとった後、自分で吐き出します(指をのどに入れてでも、薬物でも)。それにより、体重を保っている訳です。それを継続しています。
彼らに、ラーメン・パスタ・野菜類・ご飯類といった炭水化物中心の食事をしてもらいました。
それを一杯食べて30分後、吐き出してもらいました。
咀嚼することによって形自体は細かくなってますが、ラーメン等麺類はほぼ原形で、野菜もほぼ未消化。パン類もちいさく固まった状態になっていて、米粒もしっかり原形のまま粥状になっていた。
1時間後でも2時間後でも、ほぼ同じ結果でした。
別の日に、今度は蛋白質(肉・魚・チーズ・豆腐等)をとってもらい、30分後に吐いてもらいました。
彼らは吐くことを日常的にしていますが、なかなか吐くことが出来ませんでした。
無理に吐こうとすると、胃液が出てきます。
たった30分で消化してしまっています。
もっと詳細に実施するとチーズと大豆類は少し時間がかかるようですが、それでも通常の胃腸の人で30分で胃の中から消えてしまっています。
肉、魚にいたっては5~10分くらいで消化して胃から消えています。
私も過去に経験したことがありますが、忘年会等で深酒をし過ぎてしまい、自宅でリバースしてしまった時、出てきたのは麺やご飯がほとんどだったのを記憶しています。
今回、私は胃の通過時間として例を挙げていますが、そもそも消化の本来の意味は何でしょうか?
ウィキペディアでは
消化(しょうか、英: digestion)とは、生物が摂取した物質を分解処理して利用可能な栄養素にする過程のことである。
としています。
ちなみに、胃を通過したら、糖質・タンパク質・脂質は小腸で1~2回、消化酵素と結びつき、分解されていきます。
栄養素によって、かかる時間は前後するでしょうが、胃さえ通過すれば、あとは大きくはかわらない時間で、門脈やリンパ管へ吸収されます。
という事は、胃の通過時間という前提を立ててましたが、消化にかかる時間が短いものを消化に良いもの、長いものを消化に悪いものと、一般的に言われているような感じで捕えても良いのでは?と考えます。
続いて、今までの消化の良い、悪い食べ物、つまりコメは消化に良いについての根拠です。
これがいまいち、良くわからないです。
文献が見つからないです(探しきれないだけかもしれませんが)。
この続きは、次回にします。