糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

理想論として挙げられる食べ応えのある食べ物や食欲解消方法についての話

さて、前回の続きです。

よく噛む工夫として、どのような食材を使えばいいかという提案がされていました。

 

・野菜・海藻・キノコ類はよく噛めてヘルシーなものが多い。
・大根のたくあん・白菜やラッキョウなどの漬物、アーモンド・ナッツ類、大豆といった豆類はお勧め。
・生の人参をスティックにするのもお勧め。
・プロセスチーズやゆで卵の白身も比較的噛む回数が増える食材。
・牛肉や豚肉のソテー、豚もも肉を茹でたもの、つくだ煮やイカの刺身。油揚げ・凍り豆腐もお勧め。

 

ここでいう「ヘルシー」については、「低カロリー・低脂質」という事だと思いますが、私はこの基準で「ヘルシー」という使い方をしません。
これを掘り下げていくと、ちょっとした徹底論争になるのですが、これについてはいつか機会を設けたいと思います。
簡単に言えば、あなたの「ヘルシーの基準」を詳細な説明もないまま押し付けるなという事を言いたい訳です。
メディアでもトレンドとして、「〇〇女子」というキーワードを使っているものを耳にします。
例えば「ヘッドフォン女子」と、ヘッドフォンを使いながら街を歩いている女性を指すのですが、それを「メディアが取り上げたから逆にやりづらくなった」と、不快感を感じるのと同じです。
「主婦目線で~」という感じでコメントする女性タレントに対して、女性がバッシングするのと同じイメージを持っています。

「お前は、私の代弁者じゃない」

という感じに似ています。

 

こんな話をするから、先に進まない。

 

さて、よく噛む食材の例を見るのですが、これって、どうなのでしょうか?

玉子の白身って、何回噛めますか?
チーズも2~3回程度?6Pチーズの一個なら、10回程度くらいとイメージしますがどうでしょうか?
たくあんを食べた時に、「ボリッ、ボリッ」という良い音が聞こえてくるのですが、何回噛むでしょうか?
6~7回程度でしょうか?
イカの刺身で歯ごたえがあるのは分かりますが、30回とか噛まないです。
そんなに一口で噛んでたりすると、気持ちが悪くなってきたりもします。
噛んでいるうちに体温が伝わり、イカの温度が上昇し、独特の風味を感じやすくなるからだと考えます。
これは、私の幼少期の経験談ですが、それ以来、そんなに噛まずにある程度で飲み込む事を覚えました。

油揚げに噛み応えはあるのでしょうか?

きつねうどんに入っているものを想定しているなら分からなくも無いですが、それはデカいから噛みちぎる必要があるだけで、噛む回数を増やす事にはならないと感じます。
インスタントのうどんに使われる一枚タイプの油揚げだけではなく、中には三角に切られて一口で食べる事が出来るタイプもあります。
凍り豆腐も、食感(弾力)は豆腐よりもありますが、噛む回数を増やせるかどうかという点については、適切ではないと感じます。

また、海藻がよく噛めるという事ですが、ワカメを口に入れて、30回も噛んでいる人を、私は見た事ないです。
ひじきとかでもそうですね。
一つ一つが小さいという事も要因ですが、噛み続ける事は困難に感じます。

豆類でも同様です。
例えば、ピーナッツを一粒食べるとします。
何回噛み続ける事が出来るでしょうか?


否定ばかりをしてても仕方がないので、噛む事を本気で意識するなら、私ならどうするか?

ある程度の周期で、「あたりめ」(いかのするめの事です)を購入しています。

一袋100円くらいで売っている小容量タイプで十分です。

それを食べ切るのに、何回噛む必要があるでしょうか?

かなりの時間をかける必要があります。

これが大容量タイプ(300~400円程度)となると、一袋食べ切る頃には、あごの筋肉に疲労が蓄積するくらいの労力が必要になります。

それだけの量を食べると翌日に筋肉痛になる事もあるのですが、その時には「噛むための筋力が低下してたんだな」と実感し、その力を取り戻す事が出来たと喜んだりもしています。

栄養面でも、低カロリー・高たんぱく・低脂質であるため、非常に優れていると受け止めています。

 

ただ残念ながら、それで満腹感を感たり、それを維持したりというのは、実感としては難しいです。

私は、「噛む回数を増やす」という行為は、満腹感を得るための必要条件ではなく、「十分条件である」と考えています。

噛んだからと言って満腹感を得られる訳でもないし、噛まないからと言って満腹感を得られない訳でもないからです。

食後にガムを噛んだからと言って、満腹感が達成できる訳でもないです。

噛むという行為が、満腹感を引き出すためのきっかけの一つであると考えています。


これくらいにしておいて、「3. 多めの野菜で満腹感を演出する」の話をしたいと思います。

・満腹感を得るまで食べ続けてしまう人は、野菜でお腹を膨らませる工夫を。
・理由は、カロリーが断然低い事と、日本人に圧倒的に足りない野菜の摂取に繋がる事。
・腹持ちのいいカボチャやイモ類は、カロリーが高めだが、煮物等の副菜にすれば、メイン料理の量を抑える事も出来る。
・ジャガイモを相性のいいバターやマヨネーズで味付けするとカロリーアップなので注意。
・サツマイモも、案外とカロリーが高いので、食べ過ぎないよう注意!

 

色々とツッコミどころがあるのですが、次回にしたいと思います。