糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

酵素ドリンクに頼らないファスティングの方が効率が良い

前回の続きです。
 
酵素ドリンクに頼ったファスティングを実施すると、お金がかかるし効率が悪いという話をしてきました。
もっともらしい準備食・回復食も行なうのですが、ただの儀式的なものに感じます。
結果的には普段よりは糖質摂取量が少なくしていく事になるので、「体重」自体は減るのですが、理想・目的とする「ケトン体増・脂肪燃焼」効果は非常に小さいです。
 
糖質を摂取して、脂質代謝を阻害していますから。
 
酵素ドリンクのようなものを使えば使うほど、「体重低下 = 体水分排出」しか出来ていない内容がほとんどのファスティングの現場で起きていると考えます。
 
それでは、どうしたらいいか?
 
ファスティングの目的の一つといいますか、大きな部分は、「脂質代謝促進」であると考えます。
それを促進するためには前述の通り「ケトン体」の分泌が必要となるのですが、そのためには糖質摂取を避ける事が必要になります。
血糖値が標準値以上の状態(高血糖状態)が続けば続くほど、脂質代謝が後に回されます。
逆に、糖質摂取をしないようにすればするほど、脂質代謝によりケトン体が分泌されます。
ファスティングをしなくても、「糖質制限食」の内容を実践すればするほど、その効果は普段から得られやすくなっていきます。
 
私が推奨する糖質制限食のPFCバランスは、「4:5:1」で、C(糖質とあえて表現します)は摂らなければ摂らない程良いというものです。
目安とする摂取エネルギーは、厚労省が定める「エネルギーの食事摂取基準:推定エネルギー必要量(kcal/日)」程度で問題無いと思います。
私自身はカロリー表示を意識していませんが、この基準値を下回らなければ、基本的に健康でいられると考えています。
 
で、普段から糖質制限食を実践すると、基本的に脂質を多く摂取する食生活となり、空腹感を感じにくくなっていきます。
実践者は、一日3食にこだわらず、2食であったり1食であったりします。
私は2食前後という感じです。
2食の時もあれば、1食と間食であったり、2食と間食であったりします。
「食べたい」と思ったら食べるし、空腹感を多少感じても、「食べなくていいや」と食べない事を選択も出来ます。
 
それは、普段から脂質代謝システムで身体が対応しているので、今回の私のファスティング開始のように、何となくでも始める事は出来ます。
ですが、普段から糖質摂取をしていると、身体が糖代謝のシステムでいるので、急に食事を抜くと「ものすごい空腹感」と「空腹感によるイライラや体調不良」が生まれやすくなります。
糖質は中毒症状も伴うため、急に抜いてしまうと「体調不良」となってしまう訳です。
それを避ける為の方法論として「安全に出来るから酵素ドリンクはおススメですよ!!」となるのかなと考えます。
 
結局「糖質依存状態」からは抜けられない状態が続くわけです。
 
そんな訳ですので、ファスティングにお金をかけたくない人、または同等の結果をファスティング無しで求めるのであれば、「糖質制限食」を実践し、普段から糖質摂取をほぼしない食生活をすると、結果を得られやすくなっていきます。
 
気合を入れて、「ファスティングをやるぞ!」と思い立ったとしても、「でも準備食で3~7日間かかるぞ!!」となれば、モチベーションは低下しやすくなるのではないでしょうか?
儀式だから大丈夫なのでしょうか?
酵素ドリンクを用いる方法は、ただ単に体水分を排出するだけで終わる可能性が非常に高いです。
高いお金を払った結果がこれであれば、悲しいですね。

という事で、ファスティングの目的である「ケトン体分泌」を目的とするのであれば、普段からの糖質制限食実践をお勧めします。
 
準備食・回復食といった儀式は必要無いです。
 
思い立った時に始める事が出来、終了する事も出来ます。
 
どちらが簡単・手軽に効果を実感出来るでしょうか?
 
以上です。
ファスティングに関しては、これくらいにしておきましょうかね。