糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

マクロビにマニュアルはあるのか?

皆さんは、「望診」という言葉をご存知でしょうか?
私も知りませんでしたが、

中国医学の診断法の一つで、身体や顔を観察することで健康状態を診断すること

 

という事のようです。
これはとても重要です。
私は医師ではなく、カメラ越しでカウンセリングを行うので「定点観測」という言葉を使いますが、その人の目・髪の艶・フェイスライン・口元・首回りや、たまに映る腕の太さ・体のライン等、色々な所を見て、その人の変化や現在の悩みを知ろうとします。
当然ですね。
その人の健康に貢献するためには、多くの情報を得る事は必要です。
 
ただ、その実施者のレベル(どれだけ気付く事が出来るか?)によって、アプローチは変わっていきます。
医療現場でも、多くに気付く事が出来て対応する事が出来れば、「患者に寄り添ってくれる」とか、「名医」と評価されやすいのではないかと思います。
逆に、気付きが少なければ、患者の事よりも自分の思い込みが優先するような状態となり、「話を聞いてくれない」とか、「ちっともよくならない」というような印象を与えやすくなるのだと考えます。
 
さて、このブログはマクロビ推進派のものですが、凄くもっともらしい文章となっています。
少し長いですが、よく分からない例もあったので、軽く触れたいと思います。
 

たとえば糖分を例にあげて考えてみましょう。
精製した砂糖をたくさん使ったお菓子は、カルシウムを大量に使います。
時々楽しむ分には気持ちを和らげる働きがあるのでとても良いのですが、ストレス解消と称して毎日たくさん食べていると、心にも体にもその影響が少しずつ出てくるようになります。
カルシウムが不足して酸がたまり、疲れやすくなったり落ち着かなくなったり、時には悲観的になりやすくなります。
あるいはイライラして暴力的になることもあるかもしれません。
いつもなら気にならないようなことも、何かこころに引っかかりができることもあるでしょう。
お砂糖の過剰は肝臓を疲れさせます。肝臓は東洋医学では「怒り」の臓器。
肝臓の働きが悪くなると、ちょっとしたことでも怒りっぽくなるよ、と言うことです。
つまらないことで怒って好きな人と別れなければならなくなった、会社で人間関係がうまくいかなくなった、と言うことが起こりやすくなります。
同じことはお酒についても言うことができます。お酒も糖分ですから。
このようにして、こうしたい、こうありたいと言う自分本来の想いから外れていきます。

 

この文章の前半は、私も理解できる部分です。
人間の身体は、食べた物で出来てますし、影響を受けます。
ただ、後半部分からズレてきます。
肝臓が「怒り」の臓器という事は知りませんでしたが、そう主張するならそれで大丈夫です。

ですが、肝臓の働きが悪くなると、人間関係がおかしくなるという事につなげるのは意味が分からないです。
世の中でマクロビが普及されてないから、人間関係がおかしい世の中になっているという事でしょうか?
マクロビが推奨している生活が江戸時代の食事と誰かが言ってましたが、その頃は人間関係に問題が無かったのでしょうか?
マクロビをやる事で、人間関係も良くなったり、上手くいきやすくなるという主張に対しては、関連性が全く見えないです。
 
同時に、「お酒も糖分」というのであれば、白米も玄米も糖分です。
にも拘らず玄米や穀類や糖質たっぷりの食事を推奨するマクロビは何なのでしょうか?
私の眼には矛盾点にしか見えないのですが、どうなのでしょうか?
それとも、マクロビでの食事を実践している中での、さらなる糖質補給はいけないという事でしょうか?
食欲に支配されて食べ過ぎれば、病気や不自由といった不幸への道に、反対に食欲を支配し、食べ物をコントロールすれば、病気知らずの幸福で自由な道に向かいます。
食べ物によって運命が変えることができるのです。
その理(ことわり…方法)を説いたのがマクロビオティックです。
その土地の環境にあったものを食べる。
頭から尻尾まで皮も全部食べる。
そしてYIN(陰)とYANG(陽)の調和、これがマクロビオティックの真髄です。

 

その理を説いているというのがマクロビだ!と主張するのは良いのですが、それだったら、なぜ多くの人が悩みを持つ人の状態の見極めが出来ずに、
 
先日の玄米の炊き方講座に参加された人で、もうとんでもなく陽性な人がいたのですが、この人が某マクロビオティック料理教室でやはり陰性だと言われたそうで、毎朝梅醤番茶を飲んでいるというのです。
もう腰が抜けそうなくらいビックリします。
陰性が悪いのでもなく、陽性が良いのでもなく、ちょうどよい中庸が一番落ち着くのですが、そこのさじ加減がなかなか判らない人が多いですね。
下手をすると、マクロビオティックの先生と言われる人でも見誤りをしています。

 

というような話が出てくるのでしょうか?(あるサイトより抜粋)
 
また、このサイトでは、一言で

「冷え症」を解消する為には陰陽を理解する必要があります。

 

としていますが、それ以外に解決方法は無いのでしょうか?
私はそんな事を知らなくても多くの方を食事内容を変えるだけで解決に導けていますが(笑)。
なぜ理解する必要があると説いているのにもかかわらず、健康食品を販売しているのか?よく分かりません。
 
それはともかく、そのサイトの下の方では、陽性・陰性食品が紹介されていますが、砂糖(糖質)は陰性になる食べ物のようですが、黒砂糖・玄米・果物類・さつまいもが間性(中庸?)となっていて、根菜類は陽性と別れています。(あれ?白米は??)
これらの共通点は、「糖質の多いたべもの」なのですが、なぜ同じ糖質・グルコース(果物はフルクトースですが)が多いもので、ここまで違いが生まれるのでしょうか?
理解しろと言う割には共通点が少なく、ルールが難解なだけなのか?それともガバ理論なのか?
また、新しい食材が出るたびに、陽性だの陰性だの論争が巻き起こるのでしょうか?
 
大変ですね。
マクロビって。
 
最後にですが、ここに触れたいです。
 
アメリカを始め全ヨーロッパで、特に環境問題や平和運動をしている人々から絶大な指示を得ています。
自分の心と体の平和と安定を守ろうとすることで、まったく無意識のうちに地球環境を守ることに繋がる食事方法だからです。
マクロビオティックは21世紀の自由で平和な、そして幸福な世界を作る新しい 食事法です。
さあ、そのマクロビオティックの基本的な考え方を一緒に学びましょう!

 

怖いです。
 
活動家から絶大な支持(指示?)を得ているとの事です。
マクロビは日本発祥だと聞いていますが、なぜ日本で広まらず、アメリカ・ヨーロッパ(ヨーロッパと全ヨーロッパは違うのですか?)で支持を得ているという現状になっているのでしょうか?
言い換えると、活動家以外の人には支持を得られてないという事になります。
多くの人がしているような印象を与える一文ですが、実践者の割合はどれほどのものなのでしょうか?
ベジタリアンの人が、肉屋の前で死んだ動物を持って立って肉を食べないようにするようなアピールをしたり、レストラン内で肉を喰っている人に「ベジタリアンの私の前で肉を食べるな」と殴りかかっているようなニュースを見ますが、そういった人は活動家だと思いますが、彼らはマクロビ実践者なのですか?
 
相手を否定(攻撃)する事で「自分の心と体の平和と安定を守ろうとする」というのは、上記の例に当てはまるのですが、短絡的に考えてはいけないと思いますが、怖いですね。
 

幸福な世界を作る新しい食事法です。

 


以前から薄々気付いていましたし、途中途中でも文字にしたかもしれませんが、この考え方だと、「宗教」となります。
マクロビ = 宗教
と考えると、結構理解はしやすくなるんですね。
 
変に難解なルール
儀式のような方法
実感はなかなか得られにくい
やればやる程結果から遠ざかる
でも、まれに成功例がでる
周囲から理解を得られにくい
ローカルルールが多い
現実より理想重視
指導者のいう事は絶対
救いを求める
 
他にも色々あると思いますが、私は宗教はこんな感じという偏見を持っています。
 
一番大事なのは自身の身体的な健康であり、幸福な世界を作る事ではありません。
そして、肉体的な変化を求めるためであり、精神を癒すものではありません。
(結果としては精神的にも余裕生まれ、幸福感を感じる事が出来るようになりますが)
 
この考え方がマクロビ業界での共通認識とするならば、私は「健康法としては」全否定をします。
 
次回からは、反対派(?)の話をしたいと思います。
 
長くなり過ぎました。