栄養学的にみる夏バテ対策
前回の続きです。
夏バテになりやすい人・なっている人は、自律神経の乱れで起きやすいという話をしました。
空調効きすぎで、体温調整がうまくいかなかったり、冷たいものをがぶ飲みしたり、睡眠の質が悪かったりが原因という話をしていますが、私は要因の大きな部分として、「食事内容の偏り」が原因として挙げられると考えています。
夏の暑い時の食事として、よく食べるものは何でしょう?
そうめん・冷や麦
ざるそば・ざるうどん
冷製パスタ
甘い物として、
かき氷
アイス・シャーベット
アイスコーヒー
といったものを普段より多く摂取する機会が多いのではないでしょうか?
暑気を払うためにも有効なものではあるのですが、これらに偏り過ぎると、夏バテになってしまいます。
市販されている医薬品にも含まれているのですが、疲労回復の手段として、ビタミンB群が配合されているものがほとんどです。
それをベースに、タウリンであったり、高麗人参エキスのような生薬成分が入っていたりします。
体内のビタミンB群を供給する事により、疲労回復をさせようという狙いがあります。
これは理にかなっているので、そういった症状を早く改善したい人は手に取れば良いと思いますが、これは、食事によってもコントロールできます。
夏バテを防止する・解消するために勧められる栄養素としては
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンC
クエン酸
マグネシウム
硫化アリル
他にもありますが、代表的なものを挙げておきます。
その中でも、ビタミンB群です。
ビタミンB1
糖質を分解してエネルギーに変える働きがあり、疲労感や倦怠感を取り除くので、「疲労回復のビタミン」とも呼ばれている。
神経や筋肉の働きをよくする。不足すると疲労感や倦怠感、食欲不振、むくみなどの症状が現れる。
水溶性のビタミンなので、サプリメントなどで多量に取っても排出されてしまうので注意。
ビタミンB2
脂肪を燃やして体内の過酸化脂質をできにくくする働きがあり、「発育のビタミン」とも呼ばれている。
不足すると成長に必要なたんぱく質やエネルギーを十分に利用できなくなる。
ビタミンB6
簡単に言うとこんな感じですが、上記のような夏に良く食べる「そうめん・・・」等で挙げたものは、糖質中心の献立です。
他に肉やら魚やらのたんぱく源・脂質の摂取があれば良いのですが、糖質だけではこういったビタミンB群の摂取をする事が出来ません。
そうなると、体内の特にビタミンB1の消費が激しくなって枯渇し、糖質を代謝できなくなるし、疲労回復につなげる事も出来なくなります。
それが蓄積する事と外的な要因が重なる事で、「夏バテ」が生まれる事になります。
食事内容が、「糖質」に偏れば偏る程、夏バテになる可能性が高まっていくという事ですね。
治すのは簡単です。
食事内容から、「糖質」を減少させ、ビタミンB群を多く含むものばかり摂取すれば良いという事です。
つまり、たんぱく源をいつも以上に食べるという事です。
米飯や麺類を献立から排除し、肉・魚・卵といったものを、香辛料や酢を使って食欲を増進させるような調理を選んで食べていけば、さっさと改善していきます。
私は、「暑いときには、激辛料理だよな」と、麻婆豆腐(激辛)を作ったり、スパイスカレーをソースとして肉を食べたりしています(当然糖質は無いです)が、冷房の効く部屋に閉じこもっていても、特に夏バテにかからず元気に過ごす事が出来ています。
少し時期がずれていますが、夏バテで辛い思いをしている人は、試してみてはいかがでしょうか?