バイオスフェア2での話を踏まえた科学的見地の続き
もともとは地球環境の保護と、宇宙への永住を見越した研究の予定でしたが、この本来の目的は失敗。
ところが、そこでの食料の収穫量が少なかったことが幸いしました。
研究者たちは、自給予定よりも約25%減の食事量で生活を続けることになり、そのことによって腹八分目の効能が実証されたのです。
1日の摂取カロリーは約1800kcal。
その結果、8人全員の体重が減少、また生活習慣病に関する数値(血圧、血糖値、コレステロール値など)も、ほぼ減少したのです。
偶然の産物ではありますが、このバイオスフェア2や、サルによる実験などから、人にとっても一定のカロリーを制限することは、平均寿命を延ばすだけでなく、健康寿命を延ばす可能性のあることがわかったのです。
このときバイオスフェア2のプロジェクトに参加した、カリフォルニア大学のロイ・ウォルフォード名誉教授は、「カロリー制限」と「健康」の相互関係に着目し、栄養失調にならない程度にカロリーカットした食事メニューなどを提唱しています。
抜粋からスタートしてみました。
人によっては、あまり面白くないかもしれない考察パートが続いていますが、ご了承ください。
さて、このような部分からスタートしましたが、バイオスフェア2の実験で、カロリー制限が健康寿命が延びる「可能性がある」という結論を出したようです。
私が一番興味を持つのが、どのような食生活をしていたのか?という部分です。
基本は自給自足を行っていたそうですが、2年で計画が終了するくらい、生活はヤバい感じだったようです。
多くの植物は、以上述べてきた大気の自律調整の難航や日照不足から、予想していたほど生長しなかった。
バナナやサツマイモなどが栽培されたものの、家畜の多くは死に、結果として、バイオスフィア2の食生活は後半に至るほどに悲惨なものとなった。
(収穫物)
イチジク、グアバ、ブドウ、ミント、パイナップル、サツマイモ、ジャガイモ、バナナ、小麦、とうもろこし、コメ、ピーナツ、ヤギの乳、豆
コーヒーなどの嗜好品がごく稀に収穫できたときには、科学者たちは狂喜したという。
実験の最中に温室内の二酸化炭素量が増えすぎてそれを出す装置がつけてあったとか、中で指切って治療のためにいったん外に出た人が再度、入館?するのに何やら荷物を持ち込んだとか、色々「ズル」してたんで、科学実験としての価値はほとんどゼロ。
そもそも、温室なんだから「太陽が照っている」「光合成できる」って前提だから、火星に住むには役に立たなくね?って話なんだけど、その辺はどーでも良かったらしい。
という感じのようです。
実験自体は、低酸素になり過ぎたため継続できなかったとも言われます。
まとめられた本も販売されているようなので、興味のある方はそっちを読んでください。
こういった生活では、たんぱく源の補給が難しいのではないかと予測をします。
家畜も成長するのに数年単位でかかります。植物性のたんぱく質があるとしても、収穫量も少ないのであれば、摂取量も少なくなるからです。
後半にも記載しましたが、色んな「抜け道」があったようです。
なので、こっそり嗜好品や肉を持ち込んだかもしれません。
疑問に思う部分があるのですが、
・一日のカロリー摂取が1800㎉とありますが、それまではどれくらい摂取していたのでしょうか?
・数値が減少したとありますが、どれくらいからどれくらいに変わったのでしょうか?
・カロリーを制限すれば、当然体重は減少すると思いますが、どれくらい減少したのでしょうか?
・後半は食糧不足もあり悲惨な状況になっていたのですが、いつぐらいの時期のデータをとって数値が減ったとしているのでしょうか?その推移は?
という所が気になります。
データとしてはあるんでしょうが、確認できないので、購入するか図書館で調べるしかないのでしょうか?
次の内容に進みますが、遺伝子についての研究が出ているそうです。
「細胞の老化を制御するサーチュイン遺伝子は、カロリー制限を加えると活性化し、細胞の死滅を防ぐ機能が高まることが明らかになりました。」
という事のようです。
これについては次回に述べてみたいと思います。