糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

腸内フローラに関しての考察(個人的意見)と、お知らせ

前回の続きです。
このようなリンク先を参照して話を進めてきました。
この実験では、マウスの糞を培養して腸内環境がどうなっているかを解析するという方法で、良さげな結果になったという話のようです。
そのため、マヌカハニーであったり、プレ・プロバイオティクスや発酵食品を食べて善玉菌を多くし、腸内環境を良くしていきましょう!というアプローチになっていると思います。
 
私は、この考えに関しては希望を与えるとも思うのですが、見えない部分があるため、諸手を挙げて賛成するという考えにはならないんです。
ちなみに、プレバイオティクス・プロバイオティクスの違いは、以下のような感じです。
プレバイオティクス 腸内細菌のえさになるもの(オリゴ糖・イヌリン等)
プロバイオティクス 善玉菌として働く細菌(ビフィズス菌酪酸菌等)
 
まず、ヨーグルトの話を以前にしたのですが、プロバイオティクスを送り込んでも定着しにくいという話があるようです。
 
いくら身体に良いと思われるプロバイオティクスでも多くの場合は仲間と判断されずに、自身の体内で増殖し生き続けることはできないということなのだそうです。
このメカニズムを定着抵抗性(Colonaization Resistance)と呼び、仲間と認識されない外在性微生物を腸内定着を阻害するという働きをするのだそうです。

 

そもそもの検査方法・検証方法というのが、このマウスの糞を培養しての結果という事であれば、印象が少し変わるのではないでしょうか?
つまり、口から取り入れたマヌカハニーであったりヨーグルトであったりの善玉菌要素が、腸を通って、そのまま排便される。
 
元々食べてなかった善玉菌要素のため、食べる事によってそのままほとんどが排泄され、糞便で培養されて善玉菌要素が増えている→腸内環境が改善していると評価
 
というような事である可能性があるのではないか?という事です。
 
ある芸能人がテレビ番組で、腸内で善玉菌がどれくらいいるか?という検査をしていたが、その時はゼロと判定されていました。
普段は米とふりかけばかりの食事をしているようですが、これだと、善玉菌として取り入れる量も少ないし、もともと身体に不足しているものだからなんとか善玉菌を身体に取り込もうとした結果、排泄物としての善玉菌が存在しないとなったのではないかと、憶測ですが考えてしまいます。

あと、腸内細菌には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類が存在しているのは皆さんもご存知だと思います。
そして、この理想というのが「善玉:悪玉:日和見=2:1:7」だそうです。
 

腸内フローラの理想的なバランスは、「善玉菌20%:悪玉菌10%:日和見菌70%」です。善玉菌が増えると悪玉菌が減り、善玉菌が減ると悪玉菌が増えます。健康のためには、善玉菌と悪玉菌の腸内細菌バランスを整えることが重要になります。

 

この3つの関係性ですが、
 
善玉菌:身体に良い影響を与える
悪玉菌:身体に悪い影響を与える
日和見菌:腸内バランスが保たれた状態では無害だが、悪玉菌が増加すると悪玉菌に加勢する

これらの呼称は学術的な用語ではなく俗称ですが、一般的には整腸作用などヒトにとって有用な働きをする乳酸菌やビフィズス菌などを「善玉菌」、病気や食中毒の原因となる細菌であるウエルシュ菌や一部のサルモネラ菌などを「悪玉菌」、いずれにも分けられない腸内細菌を「日和見菌」と呼んでいました。しかしながら、日和見菌と考えられていた腸内細菌にもヒトにとって有用な働きをする菌がいるなど、一概に分類することが難しいことが分かってきました。ヒトの腸内細菌は数百種類におよび、その数は約100兆個とも言われています。多種多様な細菌で構成されており、その比率、バランスを保って存在しています。

 

という様な表現がされています。
ここで思うのは、日和見菌の存在と「理想のバランス」についてです。
 
私は「理想のバランス」というのが良く分からないです。
どのような食事をすれば、この比率がどう変化するか?というのが客観視出来にくいからです。
排便からの検査となれば、食べる量が変化すれば、例えばヨーグルトを1パック食べるようにすれば、排泄されるビフィズス菌(善玉菌)も増える訳です。
身体のなかに定着しにくいからという前提で話をしているのですが、これで腸内バランスが改善出来たと言えるのでしょうか?
整腸剤も服用したら排泄されます。
高濃度の善玉菌を取り入れたら、高濃度の善玉菌が排泄されます。
これで改善出来るのでしょうか?
もちろん全く意味がないものだという事を言いたい訳ではないですので、ご安心を。
ただ、服用して改善する人もいればいない人もいる訳です。
何年続けても効果が実感出来ない人もいる訳です。
これだと、他に何か影響を与えているものがあるのではないか?と考えるのが普通ではないでしょうか?
 
基本的にはバランスを保って存在しているとされているのですが、悪玉菌が増えたら・・とか、日和見菌が悪玉菌に・・・という「敏感な変化」が起こるのも本当なのでしょうか?
できるだけバランスを取ろうという働きをしているものが、容易にバランスが変化するのでしょうか?
この悪玉菌が増えたら・・という話も、排便の結果から得た結果であれば、悪玉菌が増えすぎたからバランスをとるために排泄されたという生理作用の可能性もあるのではないかとも考えられないでしょうか?
 
排泄された結果での判断であれば、このようにも考えられる訳です。
上記の部分が私が分からない部分です。
論文を隅々とチェックしている訳ではありませんから。(←調査不足)
 
この考えをするのも、コレステロール動脈硬化の要因であるとされ、そのためにコレステロール摂取量を制限しようという歴史がありましたが、2015年に「上限なし」と厚労省の「日本人の食事摂取基準2015年版」で上限が無くなったという歴史があります。
腎臓病の人にタンパクを与えていたが制限の方向となり、また今米国ではタンパクを与える方向となり、日本も追随しようかどうかぐらいの所にあったと思います。
このように時代によって変化していくものでもあるので、必ずしも食物繊維・プレバイオティクス・プロバイオティクスを摂取すればすべてが解決するという訳でもないのです。
 
現状改善しない人もいる訳ですから。
 
腸内フローラの事を意識して食生活を変えるという事は、私は否定はしないです。
それでも効果を実感しないのであれば、また他の方法を試せば良いだけなので、固執し過ぎて精神的なダメージを大きくしないように気を付けて下さいね。
 
今回は一気に書いたので、少し長くなりました。
申し訳ないです。
 
最後に、今後の投稿についてです。
 
これまで、1日おきに投稿をだいたい1500文字程度で続けてきたのですが、ちょっとサイクルを変えます。
週1回か月2回か、ちょっと間隔を空けていきたいと思います。
というのも、ユーチューブでの投稿頻度を増やしたいのです。
このブログに投稿間隔をキープしながらだとなかなかユーチューブ側に時間を割く事が難しくなるためです。
あと、自分の中でリズムを変えたいとか、テンションを変えたいとか、色々理由もあります。
 
このブログを楽しみにして頂いている方がどれだけいらっしゃるかはわかりませんが、投稿間隔が少し間が空いてしまいます。
完全にストップする事は無いと思いますので、よかったらまた訪問していただければと思います。
ユーチューブに投稿したよというような投稿もしますので、気にかけていただけるととても嬉しいです。
 
という訳で、今回の投稿で一区切りにしたいと思います。
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あと、これまでの投稿でスターボタンを押してくれた方やコメントをくれた方や読者登録をしてくれた方にも、感謝をしたいと思います。
ここまで続ける大きなモチベーションになりました。
 
ありがとうございました。
 
今回は、ここまで。