糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

便秘の定義とか健康なうんこって何?って話

皆さん、こんにちは。
今回は小さい子供に向かって言うと結構な割合で大喜びする言葉の一つであるうんこの話を真面目にしていきたいと思います。
 
皆さんは、便通の調子はいかがでしょうか?
毎朝快適に出る人もいれば、しばらく音沙汰がない方もいると思いますし、下していたり不定期になっている人もいると思います。
 
ちなみにですが、便秘にも定義というのがありまして、2017年に『慢性便秘症診療ガイドライン』編集:日本消化器病学会の関連研究会である「慢性便秘の診断・治療研究会」)が日本消化管学会、日本大腸肛門病学会、日本神経消化器病学会から寄せられたパブリックコメントをもとに修正されて出版されたそうですが、そこでは
「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」として、その状態とは、
「排便回数や排便量が少ないために糞便が大腸内に滞った状態」あるいは
「直腸内にある糞便を快適に排出できない状態」としているようです。
日本内科学会では「3日以上排便が無い状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義しているようです。
 
という感じで、明確な定義が無く、症状が患者の主観によるため定量化が難しい事もあり、定義は学会や国により異なっているそうです。
アメリカでは、

2000年に米国消化器学会のコンセンサス会議で作成された便秘の診断基準では、「下腹部膨満感」「排ガス量」「排便回数」「残便感」「排便時の肛門の痛み」「(便の)量」「便の状態」を複合的に捉えたものに変更された。これは、多くの患者が臨床上は正常な排便頻度(毎日)であっても「下腹部膨満感」「排便時のいきみ」「便の硬さ」「残便感」などを訴えるため、排便回数だけで便秘を評価するのは不十分と考えたためである。

 

という感じのようです。
便秘の話はここまでにしておいて、ここでは下痢の話は申し訳ないですが置いておいて、健康な便って何?という話に焦点を置いて話をしたいと思います。
 
一般的に健康な便と言うと、
 

健康な便・・・黄褐色のバナナ状または半練り状でにおいが少なく、するりと出るソフトなもの

 

というものが出てきました。
他には「表面が滑らかで柔らかいソーセージ状」とか、昔の人は短歌のリズムに合わせて「山吹(やまぶき)の長刀(なぎなた)1本紙いらず、量が多くてにおいまたよし」という感じで表現していたようです。
 
少し話が変わりますが、私が子供のころに「大百科シリーズ」(そんな名前だった気がします)というものがありまして、そこに生物とか科学とか昆虫の紹介とかされている大きな図鑑のようなものを見るのが好きでした。
その中に「カタツムリ」が紹介されている所があって、食べた物によって糞の色が変わるという実験のようなものが記載されていました。
人参を食べればオレンジ色になるし、ほうれん草を食べれば緑色になるし、大根を食べたら白くなるし、新聞を食べたら白黒になるという感じの結果になっていました。
 
人間もこれに当てはまるのではないかと思ったんです。
思ってしまったんですってば。
 
健康な便として上記のバナナ状のものとするのであれば、健康的な便をする人の平均的なものであったり、統計として多いものという事ではないかと考えます。
つまり平均的であったり統計的に多くの割合の人が食べているであろう「理想とされる食生活」をすると、そのような排便の結果に統計的・生理的になりやすいと思う訳です。
排便というのは、人間の体内の不要物を排出する事になるのですが、それにプラスして、吸収しきれなかった栄養素や食べかすが混じるわけです。
 
現在、理想のバランスとして食育指導している内容を見ると、ご飯と汁物と主菜副菜、野菜多めという感じの食事が皆さんの頭の中にも浮かぶと思います。
PFCバランスという言葉があるのですが、Pがプロテインたんぱく質)、Fがファット(脂質)、Cがカーボン(炭水化物)を指すのですが、現在理想とされているのが多少前後はしますが「P:F:C=2:2:6」という感じです。
炭水化物である米や野菜をたっぷり食べて、ある程度の脂質とたんぱく質を摂取しようという内容で推奨されています。
 
で、この生活をすると食物繊維を結構摂取しやすくなるため、便のかさ(量)が増え、食物繊維が水分も保有するためやわらかくなりやすく、たんぱく質もそこまで多くないので色は茶色~山吹色のような明るめの色素で形成され、排便されるのではないかと考える訳です。
このバランスが乱れると、便の質や排便リズムが変わりやすくなるため、長くとどまると水分が奪われて便が硬くなったり、短期間になると水分量が多くて形状をとどめないものが出るのではないか?という事です。
 
で、ここで着目して欲しいのが、先程紹介した「PFCバランス」の設定を大きく変えたらどうなるか?という事です。
 
それを実際に私が試してみました。
 
その話はちょっと長くなるので、次回にしたいと思います。
それではまた。