糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

宿便否定派のサイトより

集めてみましたので、一応貼り付けておきます。
 

水しか取らなくても腸内では腸内細菌が次々に増殖しており、併せて腸壁の細胞が新しい細胞に入れ替り剥脱しており、これらが合さって何も食べないときでも便として毎日出てくる

 

一般的にいわれる「宿便」という言葉は、多分「水道管の壁にこびりついたヘドロのようなもの」というイメージで使われているのではないかと思います。まれに「腸にはひだがあるのでその中に便が残ってしまう」といった説明をしているものを見かけますが、これは医学的には嘘といわざるを得ません。
というのも、腸はいつもさざなみのようにざわざわ動いているからです。ですから同じところがずっと谷ということはなく、谷になったり山になったりします。
しかも、腸の壁の細胞は数日で生まれ変わって、古いものははがれて便として排出されます。ちなみに日本人の便は7~8割が水分、残りの1~2割くらいが腸内細菌の死骸、1割強が食べ物の残りかす、あとは脂肪やその他のものという構成なのです。
というわけで、腸の中のヘドロという意味での宿便は、たまりようがないのです。

 

●断食したら、緑色の便が出た!
実際に、断食して緑色の便が出る人がいるようです。 これも、宿便だ!と思ったら大間違い。 断食すると、腸の中が空っぽになる訳ですから、 必然的に剥がれた腸内壁っと腸内細菌とだけが排出されますね。 それが、緑色なんだそうです。

 

こんな感じですね。
探せば出てくると思いますが、これくらいにしておきます。
 
どっかのサイトでは、
「宿便は毎日たまり続ける。40年生きてたら、40年分の宿便があるのです!!」
と主張していましたが、それだと80年生きてたら倍の80年分の宿便があるはずです。
誰にでも3~5㎏あるとするのであれば、蓄積されないのでしょうか?
生まれてから5年でも20年でも40年でも80年でも、3~5㎏しかないのでしょうか?
この時点で理論が破綻していると感じます。
1年で平均どれくらいの宿便が溜まるのだというデータが無いので、信憑性がありません。
 
そもそも「酷い便秘=宿便」と置き換えているように思えるのですが、悪いイメージをどんどん雪だるま式につけていき、盛り過ぎている状態になっているとしか思えません。
こんな話でしかないのに、健康食品業界・ダイエット業界を始め、さらに医療業界でも「宿便を洗浄しよう」とする所もあります。
西洋医学で「宿便は存在しない」としているのにも関わらず、医者が「宿便を取り除きます」と話をしているのです。
存在しないものを治療するのでしょうか?
ちなみにあるサイトでは「宿便(滞留便)」としていました。
 
ただ、病名として「宿便」がつけられているものがあります。

宿便性大腸穿孔、宿便性腫瘍
希な例として、便秘傾向のある高齢者や長期臥床患者において滞留している便が硬い場合に蠕動運動や排便時のいきみ、発生したガス圧などにより 結腸に穿孔を生じ腹膜炎を併発する事がある。
また、宿便による圧迫によって潰瘍を生じる事がある。

 

便秘で「器質性」(消化管そのものの病変が原因とするもの)であれば、便の蓄積により上記の事が起こり得ます。
メスをいれて取り除くようなことになる場合も有ると思います。
便秘薬(センナ系のもの)を長期服用かつ量も増量していたら、大腸の自発的な蠕動能力も低下するため、蓄積はしやすいと思います。
ここでは大腸に便が蓄積しまくっている状態になっていると感じますが、小腸にたまる未消化の物質は指さないため、宿便の意味合いが異なると感じます。
 
言葉の使い方としてですが、
ウィキペディアでは「宿便=滞留便≧便秘」とされています。

宿便(しゅくべん、Fecal impaction)とは、便秘により腸内に長く滞留している糞便のことである。必要な場合には治療として浣腸などが行われる。滞留便(たいりゅうべん)とも呼ばれることがある。

 

某製薬会社の便秘薬の紹介では「便秘・滞留便など」と表現されていて、「便秘≒滞留便」という図式になると思います。
少し言葉が持っている意味に違いがあります。
症状のレベルが違う表現をされているようです。
 
ここまで書いてきましたが、色々と説明をするのが非常に難しくなっています。
理由は「どれくらいのレベルの状態を宿便・滞留便・便秘としているのかがわからない」からです。
 
どれくらいの期間以降が便秘なのか?滞留便なのか?宿便なのか?
 
どれくらいの量が溜まったら宿便になるのか?
 
この3つの言葉の分類があるはずなのですが、私には全てを同レベル「宿便=滞留便=便秘」として表現しているからややこしく見えてしまうのではないか?と受け止めています。
そもそもですが、宿便の定義が非常にあいまいです。
ファスティング業界でも、宿便はあるだのないだの話をしてますし、宿便そのものがどんなものなのかの表現もそれぞれで異なっています。
 
情報を発信するのであれば、しっかりとした定義を基に話をしていかないといけないと感じました。
私もなかなか出来てない部分がありますが、何かあれば随時訂正していきますので、よろしくお願いします。
 
今度こそ以上です。