糖質制限食 栄養のあれこれ

糖質制限食や栄養に関する事について、管理栄養士・登録販売者の視点で考えていきます。

プロテインの原料の一つである牛乳について

この投稿も前回からの続きで「企業も商売だからお金儲けのために使う原料は選別するよね」という事を根底に話を進めているものです。
誤解を与えるような表現ですが、これまでのネガティブな考え方を持たず、高品質の商品を提供している会社もあると思います。
そこまでは調べてないのですが、恐らくあるはずです。
ですので、プロテインを全否定している訳ではないので、それを踏まえて読んでいただければと思います。

さて、前回は遺伝子組み換え大豆を使っているものや使っていないものを原料にしたソイプロテインが存在しているという話をしました。
あくまでも表示としては「大豆が遺伝子組み換えのものを使用しているかどうか」だけの視点で記載がされています。
それをつらつらと書いてきて、次は「牛乳」を原料としている「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」についての話をしていきます。
 
牛乳ですが、乳牛から搾乳したものとなります。
乳牛も生きてますから、当然飼料を必要とします。
 
質問ですが「乳牛の飼料は何でしょうか?」
 
牧草でしょうか?
牧草だけで育てた牛も存在します。
そのような牛は「グラスフェッドビーフ」「グラスフェッドバター」というように区別され、付加価値がつきます。
結果、高単価になります。
手を加えずに(加工せずに)販売出来るので、わざわざ必要以上に加工するような事はしないですし、そのような品質の牛から作られたのであれば、必ず「グラスフェッド~~〇%使用」というような表記があるはずです。
企業側としても、そこがアピールポイント(お金をかけた部分)になるわけですから。
ポジティブな部分の記載がないという事は、使ってないという事で同義としてよいと考えます。
 
それでは、一般的な牛・家畜の飼料は何でしょうか?

牧草牛は”牛本来の餌である牧草や野草”に対し、穀物牛は”大麦・トウモロコシ・大豆・魚粉”などの餌を食べて成長していきます。

 

という事になるのですが、ここで着目点は当然「トウモロコシ・大豆」です。
前回の投稿でも記載しましたが、

遺伝子組み換えの餌を食べて育った家畜の肉や卵・牛乳・乳製品などの畜産品や、油、醤油、液糖、水飴、コーンフレークなどには表示義務がない

 

という事になります。
表示義務が無いのです。
飼料の中に遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシを大量に使っていたとしても「この牛は遺伝子組み換えの大豆・トウモロコシで育てました」というような表示義務がありません。
どんな飼料で成長したかなど、把握する事が出来ません。
 
生体濃縮という言葉があります。
食べれば食べる程、身体の中で蓄積していって何かしらの異常が生まれるものです。
戦後に「公害」として「水俣病」とか「イタイイタイ病」というような痛ましい症状が生まれてしまいましたが、そのような症状も生体濃縮の結果です。

水俣病(みなまたびょう)とは、メチル水銀化合物(有機水銀)による中毒性中枢神経系疾患のうち、産業活動が発生源となり、同物質が環境に排出され、食物連鎖によってヒトが経口摂取して集団発生した場合に言う。

ja.wikipedia.org

 

そして、身体の中に高濃度で存在している成分は、体外にも排出されやすくなります。
ヒ素中毒の患者の髪の毛からヒ素が検出されたり、尿を用いてドーピング調査をするように、乳牛から搾乳された牛乳にも当然排出(流出?)されます。
人間でも酒やコーヒーを飲めば、尿にも母乳にもアルコールやカフェインの成分が流れ出ます。
これらの成分が影響しない(検出されない)訳が無いのです。
そして、こういった飼料を食べていると、病気にもなりやすくなります。

本来の牛は牧草や野草を食べて育つことから、穀物しか食べない生活を続けていると病気になりやすくなり、病気になった牛には薬や抗生物質などを飼料に混ぜることで、無理やり症状を抑えながら成長を早めることだけを重視し、その際にホルモン注射などを使用していることもあるそうです。

 

成長ホルモン(肥育ホルモン)という名で知られていますが、それを使う事で早く成長させ、出荷サイクルを短くする事で、餌代も安くつくという事になり、収入を多く手に入れる事が出来るという事になっていると考えます(実情を知らないので憶測ですが)。
この記事では、日本では医薬品扱いなので大丈夫だが、輸入牛肉ではそれが使われているリスクが、安いほど高くなるという様な内容が記載されています。
本当であれば(これが現実だと思いますが)、気付かないうちに日常でも口にしている事になっていきますね。
 
このように育てられた乳牛から搾乳される牛乳ですが、品質はあまり考えないでいいとすれば、安価で提供される事になります。
そして、ただでさえそういった影響を与えかねない(与える可能性がある?)成分が含まれている牛乳を加工していく事になるのですが、それを濃縮していくわけです。
 
ある商品のホエイプロテインで、1食(33g)あたりの栄養成分表示によると、
たんぱく質は24.6g摂れるそうです。

www.dnszone.jp

 

ちなみに「牛乳そのもの」に含まれるたんぱく質量は、100gあたり「3.3g」です。
となると、この商品であれば単純計算で「約750g」に匹敵する牛乳由来のたんぱく質を含んでいる事になります。
 
決してこの商品が悪いという事ではないので、誤解の無いようにお願いします。
これだけの濃縮加工を行っている事になるわけです。
 
牛乳に健康被害を与えない程度の成分しか含まれなかったとしても、重量換算で「約1/22」まで濃縮するとなると、当然影響人間に与える影響は大きくなる訳です。
大容量のプロテインを購入したとなると、それを日常的にに摂取する事になるので、なおさらです。
 
もちろん、全ての商品が何かしらの悪影響を与える訳ではないと考えています。
ですが、安さだけの視点でプロテインを購入している方は、これまで記載してきたような根拠を基に作られているものを摂取する事になるかもしれないという注意喚起です。
 
こういった事がリスクとして潜んでいるので、私が健康食品を進めない理由の一つとなります。
 
続くかな?